"Off The Grid"
社会派モーガン・スパーロックが、「究極の30日間体験」を通して、健康、生活水準、宗教など、様々な問題に肉薄する、TVドキュメンタリー『30Days』。
"Off The Grid"(邦題『自給自足で30日間』)は、便利で無駄の多い消費生活に慣れ過ぎた2人のアメリカ人男女がスーパー・エコロジカル集団とともに過酷な(?)30日間を過ごした記録です。

プロモーターをしている35歳のヴィトーと30代前半でDJのジョハリ。
二人は仕事上のパートナー。そして、どちらも典型的消費者。ヴィトーは大型SUV車を乗り回し、化石エネルギーの枯渇とか、地球の温暖化なんてまるで念頭にない様子。「だって、自分が生きている間は、石油がなくなることはないだろ?」
自分さえ良ければそれでいいのであって、後世に生きる人々や地球のことなんかどうでもいいのだ。ジョハリにしたって似たようなもの。
「もし、世界中の人が彼らのような消費生活をしていたとしたら、地球12.5個分必要」
この予想データに愕然となる二人。「地球12.5個分はマズイよなぁ。」
そして、ミズーリにあるエコ村、"ダンシング・ラビット"での共同生活が始まります。

目的地に到着した彼らを出迎えてくれた、ダンシング・ラビットの男性(名前忘れました)は、なんと植物油で走るディーゼル車に乗って来ました。
揚げ油で走る車にジョハリは大受けして大爆笑!「ポテト・フライ臭の車に乗るなんてギャハハハ」。
後ろのトランクを開けて荷物を詰めようとしたら、トランクには植物油の入ったタンクでいっぱいでした。これまた笑い転げるジョハリ。いくらなんでも失礼だっつうの。

Dancing Rabbit Ecovillage
化石燃料を使ったエネルギーに一切頼らず、生活の糧を自給自足で賄い(しかも、その農作業に機械を使わず、すべて人力)、飲料水や排泄物もリサイクル利用するという徹底したエコロジスト集団。
1週間単位で体験生活も可能ですが、中には迷惑なビジターも少なくない、とのこと。今回は1ヶ月、ということもあって、不安の色を浮かべる生活者もいました。
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画像元のページ Welcome to 30 Days Visitors
ヴィトーは左端、ジョハリは右端。
ヴィトーの隣の男性が彼らを迎えに来た人で、滞在中、二人を何かとサポートすることになります。私は、彼の個性的な爆発ヘア&極太眉毛が、番組中ずっと気になって仕方ありませんでした。エコライフを実践した結果、彼のようなスタイルが生まれるのでしょうか???

そして、キャンプに到着。
二人は寝泊まりするサイロに案内されます。「ギャッ、この壁なに!?草と泥で固められてる。まるで石器時代だ。」当然、電気も通っていません。
トイレの使い方について説明を受ける二人。
「用事を足したあとは、備え付けの"おがくず"で表面を覆い、いっぱいになったら、スコップですくってこのバケツに入れること。」
「で、いつ流すの?」とジョハリ。
「流さない。排泄物は肥料として再利用するんだ。」
驚愕でこわばったジョハリの顔が大写しになります。「うそー!マジ!?排泄物を流さないなんて信じらんない〜!!!」
しかし、エコ村の彼らにとっては、きれいな飲み水で排泄物を流すことこそ常識外なのです。
日本は昔から、ぼっちゃん式の便所というものが存在するので、それほどびっくりすることではないのですが、しかし、汲み取り式トイレは排泄物の匂いが漂うので、換気ファンが必要です。でも、ここは換気ファンという文明の利器など使うはずもないでしょうから、匂っていたと思います。夏はしんどいですねぇ。

「ったく、トイレの後始末に15分もかかっちゃうなんてさ。」早速、このダンシング・ラビットに対する嫌悪感を露にするジョハリ。それを笑っていたヴィトーにも試練は待ちかまえていました。
何と言っても、ここは徹底したベジタリアン食で、敢えて肉に近いものと言えば、ソーセージとは似ても似つかない貧相なシロモノ。牛肉命のヴィトーにとって、この生活は堪え難いものとなりました。30日の間、彼は重度の牛肉禁断症状に悩まされ続けることになるのです。
ダンシング・ラビット側に言わせれば、「肉牛の飼育は経費がかさむうえに、水や電力など大量のエネルギーを消費するので、エコロジー主義に反する」のだそうです。
ヴィトーはスタッフから空気銃を借りて、ウサギの狩りをしました。このことが非難の的となろうとも、彼は熱砂地獄のような肉欲(?)を鎮める必要があったのです。

化石燃料を使わないので、シャワーのお湯は薪を燃やして沸かします。
「これを毎日やるの?と聞いたらさ」とジョハリ。「いいえ、5日に1回よ、だってさ!」
「5日に1回だって!?」
「ええ。だって、そんな臭いがしてたもの。」
しかし、それだけではありません。風呂に使った水もため池で分解して再利用するため、シャンプー類に配合されている香料が問題になるのです。ジョハリが持参して来た、お気に入りのケア用品はみんな香料入りということで、使用禁止されてしまいました。
お洒落なジョハリは、電気がないので、ドライヤーを使ってヘアメイクもできません。日に日に不満を募らせて行きます。

エコ村の基本方針をまるで理解していないかのようなヴィトーとジョハリの生活態度は、スタッフ会議で取り上げられることになりました。他の共同生活者から苦情が寄せられていたのです。
ヴィトーは殺虫剤を乱噴射しまくり、ジョハリの香水がキツ過ぎる。
それにしても、なんで二人はこのエピソードに出演したのでしょうか?キャストは一般公募らしいので、参加する以前に選択の余地があったと思うのですが。それとも、これほど驚かされるとは思ってなかったのでしょうか?
「香水アレルギーの人もいるのよ。」とジョハリを諌める女性スタッフに対し、「じゃあ、私が体臭アレルギーだったらどうする?」とジョハリの辛辣な一言。
「そうだったら、消臭スプレーを使うしかないわね。」

爆発ヘアの男性は、二人のサイロの前にソーラー・システムを設置してくれました。
夜の蝋燭生活から文明世界に返り咲いた彼らは狂喜、感謝。
ソーラー・システムは高いけれど、国から補助してもらえるし、電気代をカットできるので、結果的には経済的です。
「この電球は何なんだ?」
どのメーカーなのかわかりませんでしたが、普通の電球より明るく、消費電力も大幅に抑えられる蛍光灯が支給され、さすがのヴィトーも関心していました。これを、アメリカ中の家庭で使ったら年間消費量が驚異的に減らせる(どの程度か忘れましたが)、ということで、これに舌を巻いたヴィトーはキャンプ終了後、家中の電灯をこの蛍光灯に変えたそうです。

廃品リサイクル、と称して、捨てられたゴミの中からまだ使えそうな製品をさがす場面も。ジョハリはドライヤーをゲットして大喜び。ヴィトーは「ゴミ漁りをしている」感を抱いてしまい、抵抗感を拭い去れませんでした。
なんだかんだ不満を言いつつも、共同生活に歩み寄りを見せ始めたジョハリに対し、頑固な牛肉ジャンキーのヴィトーは勝手にステーキ肉を取り寄せて、皆の前でこれみよがしに食するなど、マイペースぶりを加速させて行きます。それに昂然と非難するジョハリ。この二人の対比ぶりも興味深かったです。

もちろん、消費生活が骨身に染みついている二人が30日間の体験でライフスタイルを完全に変えることはできませんでした。しかし、彼らの中の意識は変わったようです。「地球12.5個分」だった消費量が10分の1の「1.2個分」になった変化は大きい。新車が欲しくてSUV車を候補に挙げていたジョハリは環境を意識した車に切り替えたそうです。
最後の夜、ヴィトーとジョハリは共同生活者たちに感謝の意を表してディスコ・パーティを開きました。

さて、アナタは、このダンシング・ラビット生活に飛び込んでみたいと思いますか?
自分は「お風呂が5日に1回」だったり、排泄物で堆肥を手作りするところでダメだと思いました。すべて人力で作業するのも、効率が悪過ぎると思うし、完全なエコロジー生活は無理だと思いました。
ヴィトーの女性スタッフに対して「なぜ、ここで生活するのか」と問いかけたのに対し、彼女は「ここにいると自分が健康だと感じるから」と答えていますが、あまり衛生的なイメージが持てなかったので、それはどうかな?と思いました。
でも、雪国でも問題なければソーラーシステムや蛍光灯なら、導入してみたいと思います。
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by marikzio | 2006-09-29 15:18 | Television | Comments(2)
Commented by rimbeau at 2006-09-30 22:14 x
私もお風呂が5日に1度はイヤです!
でも肥料作りは頑張ってみてもいいかな?

エコ生活には憧れがありますが、実際は厳しいのですね
と現実を知ることができましたよ!
Commented by marikzio at 2006-10-02 14:04
>私もお風呂が5日に1度はイヤです!

でも、フランス人のおじさん、おばさんって、あまりお風呂に入らないんですよね?フランスに限らず、ヨーロッパはアジアみたいに雨が多くないので、毎日、入浴する人は多くない、って聞いたことあります。
香水文化が発達したのも、体臭をごまかすため。
そーいえば、中国でも楊貴妃がいた時代の貴族は入浴してなかったそうな...。
今の時代に生まれて良かったですね♪でも、毎日入浴というのは、エコロジー的にあまり良くない、ということをこの番組を見て初めて気付かされました。
それ以外にも、得るものがあって、シリーズの中で一番面白いエピソードだと思います。


>エコ生活には憧れがありますが、実際は厳しいのですね
>と現実を知ることができましたよ

そうそう、そうなんでんすよ。今の便利さを捨てきれなくなってる部分も多いですよね。
結局、「できるところから始めよう」に落ち着きます。
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