-SPLENDOR- by Gregg Araki
もし、二人のハンサムな男性と同時に出会い、恋に落ちてしまったら...。
グレッグ・アラキ監督の「スプレンダー」(1998)はそんな女性のファンタジーのようなお話をスタイリッシュで洗練された映像で表現したコメディ。

b0069502_1155372.jpg女優になることを夢みて、ハリウッドにやってきたチャーミングなヴェロニカ(Kathleen Robertson)。
ある日、レズビアンの親友とコスチューム・パーティに出かけ、一人の若い男性とたまたま隣合わせになってしまいます。相手はヴェロニカに直感的な物を感じ、彼女の連れに電話番号と名前を聞き出します。彼の名はアベル(Johnathon Schaech)。知的で繊細な雰囲気を漂わす駆け出しのライター。
その後、ヴェロニカと友人はライブハウスへと向かい、演奏中のバンドの中のドラムを叩いていたゼッド(Matt Keeslar)に、ヴェロニカは釘付けとなってしまいます。
なんてワイルドでセクシー!彼女はこのミュージシャンとお近づきになるべく、大胆にも楽屋に忍び込み、ドアを叩きました。
扉が開かれ、部屋にはそのドラマーが一人だけ。
次の瞬間、ヴェロニカは彼の力強い腕で、部屋に引きずり込まれ、床に押し倒されてしまいます。嗚呼、なんてこと...。
次の日、ゼッドはヴェロニカのアパートにやってきて、二人は甘い時間を過ごします。ところが、その時、電話が鳴りました。電話の相手は最初のコスチューム・パーティで出会ったアダムだったのです。

アダムとゼット。タイプの異なる二人はヴェロニカにとってどちらも捨て難い逸材でした。結局、どちらも受け入れてしまう、優柔不断なヴェロニカ。
しかし、二重生活を長く続けていけるはずがなく、アダムとゼットはとうとう鉢合わせしてしまいます。
当然、予想される修羅場。しかし、結果的に二人ともヴェロニカのアパートに越して来てしまい、一人の女と二人の男たちとの共同生活が始まってしまうのです。
もちろん、最初は対立していたアダムとゼット。しかし、この複雑な三角関係を打破するべく、ヴァロ二カがある提案をします。それは...、「3人でベッドに入ること。」

こうして、しばらくの間は3人一緒の幸せで愉しい生活が続きます。
ところが、ヴェロニカの心は日に日に曇っていきました。一緒に暮らしてみることで、二人の男が非常に子どもっぽくて、未来のことなど何も考えずに日々を過ごしていることばかりが目につくようになっていたのです。
ヴェロニカは「とりあえず、今を楽しもう」という刹那的で不毛な日常の繰り返しにうんざりしてきていました。自分が妊娠していることに気づいた彼女は(しかもどちらの子どもかワカラナイ)、彼らに見切りをつけ、新しい人生を踏み出そうと決意します。彼らよりしっかりして、経済力のある男性を見つけた彼女は結婚することにしたのです。
ちょっと、おい、随分な話なんじゃないかい?二人の男と同時進行で付き合っておきながら、嫌気がさして来たので、さっさと別な男性と挙式って...?しかも、自分のお腹の中には元彼たちの赤ちゃんがいると言うのに...。やっぱりこれって、可愛い子に許された特権なのでせうか?
これがモニカ・ベルッチ主演の「マレーナ」の世界なら、彼女の魅力に嫉妬した女たちに公衆の面前で引っ張り出され、リンチを喰らうところです。
しかし、そこはインディペンデント系フィルムの騎手グレッグ・アラキ。あくまでも現代的で、ロマンチックで、出演者たちの魅力を十二分に引き出す演出の上手さが光っています。私はこの映画を見た時、映像のあまりの美しさに驚きました。ストーリー自体はどうってことないのですが、逆にストーリー展開をシンプルにすることによって、この映画や役者の持つ素晴らしさみたいなものを引き立たせるような感じがしています。

ヴェロニカが立ち去った後、アダムとゼッドは抱き合って彼女の喪失を悲しみます。どうしてもヴェロニカを忘れられない二人は、結婚式にまで押しかけました。
二人はタキシード姿のまま、会場のプールに飛び込み、花嫁に向かってこう叫びます。
「お願いだから、僕らのところへ戻っておいでよ!」
ヒロインが最後に下した決断とは...。

Gregg Arakiは1959年、12月17日生まれ。ロサンゼルス出身で、日系3世のアメリカ人です。
「The Living End」(1992)、「Totally F***ed up」(1993)などが日本でも紹介されています。作中にはゲイやレズビアン、HIV感染者などが登場し、ゲイ・フィルムのホープとして、通好みの映画ファンに知られています。
私も名前だけは知っていて、彼の映画が大変気になっていたのですが、WOWOWでこの「SPLENDOR」がオンエアされたのでようやく見ることができました。
もっと見たいと思うのですが、残念ながら、アラキはメジャー系ではないので、なかなかお目にかかることができないのであります。
グレッグ・アラキの作品を紹介しているページ

なお、200年以降の作品としては、
「CrEEEps!」(2005?)
「Mysterious skin」(2004)
「Rescured From the Closet」(2001)
が発表されているようです。
ファンによる非公式サイト gregg.araki.com
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by marikzio | 2005-03-27 13:21 | Movie | Comments(2)
Commented by anche-io at 2005-03-28 01:28
ヴェロニカさんと結婚する男性、実際にいるとすると、「こんな境遇の彼女でも、愛することが出来るオレって!!」っていう、随分マゾヒスティックな男だと思うのですが。私はこういう、「相手を愛しているつもりで、実は自分を愛している」ような人が嫌いです。愛というのは、相手を思い遣る気持ちにほかならないのです。
…って、他人様のblogコメント欄で半マジな主張を繰り広げるあんき〜おでした。ほら、もう春で暖かくなってきたから…。
Commented by marikzio at 2005-03-29 23:01
ヴェロニカ嬢と結婚しようとしていた男性のことほとんど描かれていなかったような気がします。ヴェロニカの結婚は「このままでいいのか?」と男2人が気づく為のきっかけ、という扱いだったような気が。
確かになんで結婚しよう、という気になったんだろうね。それにアダムとゼッドも。ヴェロニカって魔性の女!?
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