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モーガン・スパーロックの 『IMMIGRATION』
モーガン・スパーロック 『30DAYS 2シーズン』の第2話は「不法移民と30日間」。
愛するアメリカの平和と秩序を守るため、市民ボランティア団体で活動するフランク・ジョージ。キューバから合法的に移民した彼は、非合法に移民してくる人々を許さない。そんな彼が、不法入国者のメキシコ人一家と寝食を共にする30日間。
果たして彼らの間に歩み寄りは生まれるのでしょうか....? 
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フランクが7歳の時、キューバ危機の煽りを受けて、一家はアメリカに移住しました。当時は温情措置もなく、両親はこれまでの私財を放棄して、何かと苦しい思いもしましたが、正式な手続きを経たおかげで、堂々と米国市民として生きていることを誇りに思っています。
それ故に、非合法にこの国に棲み着く移住者たちに対して厳しい目を向けざるを得ない。
かつてはよそ者を積極的に受け入れて来た、人種のるつぼアメリカ。しかし、際限なく流れてくる外国人移住者達が横溢し、アメリカがアメリカでなくなって来ている。
彼と彼の妻は警備員として国境に立ち、南からやってくる異国人達に目を光らせています。不法入国者たちは、自分たちの国へ帰る権利はあっても、ここに住む権利はない、と言い切るフランク。彼が好んで着ている星条旗Tシャツや「I LOVE AMERICA」というロゴが滑稽かつ空恐ろしくもあります。キューバ系のアナタのアイデンティテイって一体...!?

そんな彼が、ロスにあるメキシコ人一家のアパートで30日間過ごすことになります。
ゴンザレス家は夫婦と子供が5人の大家族。7人がリビングと寝室が1つの狭いアパートでひしめき合って暮らしています。アメリカで生まれた11歳のリカルドと10歳のカリーナ以外はみんな不法滞在者。(家族、個人名ともに仮名)
ゴンザレス氏は一般アメリカ人が誰もやりたがらないような、厳しい条件の肉体労働に従事し、生計を立てています。婦人は就職することができないため、廃品回収などをして、雀の涙のような収入でも大事にして、子供達のクリスマス・プレゼントにあてようとしていました。
「不法移民はアメリカのためにならない」というフランクに対し、17歳のアルミダは反論します。
「不法滞在者の私でも、一生懸命勉強して、いい仕事に就けば、結果的にこの国に貢献することになると思うの」
アルミダは知的な美少女。向学心旺盛で高校ではトップクラスの成績。進学することを希望し、第1希望のプリンストン大学からの合否通知を待っていました。ゴルフの腕前も素晴らしく、町のコンテストで優勝するほど。
しかしフランクは、「必死で中流家庭の真似事をしている」アルミダが哀れでならない。名門プリンストンで学びたがっているのも、上流社会の娘たちと同じことをしたがっているだけだ、とコメント。
「あなただって、私たちと同じラテンアメリカ出身でしょ。だったら、理解してくれてもいいはずよ。なんで、将来に希望を抱いちゃいけないの?」こう必死に訴えるアルミダ。
彼女の高校の先生も登場して、「フランク、君の考えは間違っている。彼らの将来を潰す権利は君にはない」と指摘します。
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ゴンザレス家のドアを叩く時、フランクは彼らが懐にナイフでも隠しているのではないか、と不安に思うほどでした。何故なら、彼らにとって自分は天敵。そして、ゴンザレス・ファミリーにとっても、フランクとどれくらい解り合えるかは予測不能でした。
「ラテン系なら、きっと理解してくれる」と楽観的な母親に対し、娘達は「ラテン系だからこそ、タチが悪い、ってこともある。なんで同じ移民なのに、私たちを追い出そうとしているの?」と昂然と反論。
しかし、フランクはゴンザレス夫人の懐の暖かさ、家族愛溢れる一家に次第に心を動かされて行きます。「不法滞在は悪いことだ。しかし、心根がとてもいい人達なので複雑な気持ちになる。」

フランクは、ゴンザレス氏の母国メキシコに渡り、彼の実弟に会うことになります。アメリカに渡って10数年、彼らは一度も帰国していません。自分の国を永久に捨てるという、決意。そこに到るまでにはよほどの事情があったというわけです。
メキシコに渡ったフランクの前に突きつけられる衝撃的な事実。ゴンザレス家の狭いアパートでさえ、決して居心地がいいとは言えないのに、メキシコの弟の家は泊まるのが憚られるような有様でした。何もかもが古くて、どんなに掃除しても払拭できないほどにこびりついた生活の垢。そして、ゴンザレス一家がかつて住んでいたという家の跡を訪れるフランク。
煉瓦を積んだだけの壁以外には天井もなく、草木も伸び放題の廃墟。ここで暮らしていたなんて。その凄まじさに言葉さえ失います。人が住まなくなってから10数年も経っているので、当時はこれほど荒んではいなかったと思うのですが、「これはもはや人間の生活とは呼べない」と絶句するほどの有様のようです。
「なんでアルミダがあれほどまでに学業にこだわるのかがわかった」と呟くフランク。
「ここにはまともな仕事もない。彼らはアメリカに渡るしかなかったんだ。」とゴンザレス氏の弟は語るのです。
その夜、ゴキブリ出放題の弟さん宅に宿泊するフランク。ロスでの狭いアパートが懐かしい?

アルミダはプリンストンへの入学が認められず落胆。「まぁ、東海岸なんて寒いだけだしね。」
彼女ほどの美貌と知性を持ち合わせていたら、何だって手に入るはずなのに残念です。しかし、結局、地元の大学に入学が決まり、ともに喜びをわかちあう彼女とフランク。
彼は今や、ゴンザレス一家を心から応援するようになっていました。最終的に、彼は自警団に残ったものの、国境に立つのはやめたそうです。
その後、アルミダは地元の大学に入学したものの、プリンストンに編入する方向で申請中なのだそうで、夢をあきらめてはいないようです。そのハングリー精神は見習いたいものです。

アメリカン・ドリームという言葉がすっかり古くさくなった昨今ですが、未だに、この国に夢を託すしかない人々がいっぱいいるというわけですね。今回はさほど意外性もなく、あっという間に終わってしまった、という感じでした。
シーズン1ではイスラム教徒と暮らした敬虔なクリスチャンやゲイと暮らしたストレートな青年がある程度の相互理解は生まれたものの、完全には自分の信条や偏見を払拭することはできなかったんですが、今回は、ほぼめでたし、めでたし、という結末でした。
しかし、ゴンザレス一家。いくら仮名とは言え、しっかり顔を公表しちゃってて大丈夫なのかなぁ。特に大学進学が決まった彼女なんかは、その後が心配です。
番組サイドはそのへんのフォローは考えてるんでしょうか。アメリカ人のそーいうところがアバウトなんですよね。

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モーガン・スパーロックの『30DAYS』第2シリーズ

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お知らせ
明日から出張のため、今週いっぱいブログ更新できません。
しばらく留守にしますが、また来週お会いしましょう♪

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by marikzio | 2007-06-25 17:11 | Television | Comments(0)

モーガン・スパーロックの 『JAIL』
先週からWOWOWで始まった、モーガン・スパーロックの『30DAYS』第2シリーズ。
初日の「刑務所で30日間」は、スパーロック自らが入所して服役生活を体験するという、これまた究極の30日間なのです。
麻薬取り締まりが強化され、表面的には治安が向上したアメリカ。しかし、投獄者が激増したことにより、刑務所はどこも超満員。我々が映画の中でしか知らない塀の中の世界とはいかに!?
禁断の扉が今、開かれようとしています。(笑)
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一度だけ留置所に入れられた、という前科を持つスパーロック。しかし、彼にとって、それだけでも充分恐怖の体験でした。それが今度は極道者どもがすし詰め状態になっている刑務所、と言えばなおさらビビります。
「襲われるかも知れない」というジョークとも弱音ともつかない発言に、「こんな企画はやめて」と哀願する婚約者(今は妻ですが)のアレックス。
しかし、スパーロックはNYを離れ、ヴァージニア州はリッチモンドへ飛び立ちます。刑務所名は伏せられていますが、地名が公表されてる以上、地元の人であれば、何という刑務所なのかはすぐわかってしまいますよね。(^_^;)

b0069502_17315490.jpg現地に到着して、いざ入所手続きへ。そして、彼に渡される1枚のマットレス。
監房棟は中央が大きなホールがあり、その周りを監房室のドアがいくつもあって、ぐるりと囲んでいるような感じでしょうか。入所者は自分の部屋を出ると階段を下りて、中央ホールに集まるのです。で、しょっぱなから衝撃的だったのは、自分が寝る部屋は自分で探すこと。
すでに定員オーバーなので、部屋とベッドが間に合うはずがなく、新入りはマットレスを抱えながら、部屋を一軒一軒廻って、受け入れてもらえそうな部屋を探すのです。こんなアバウトでいいのかなぁ、とカルチャーショックを受けるワタクシ。
左の写真でスパーロックは上段ベッドに横たわっていますが、実際は床の上で寝てました。
トイレ(鉄製!)はどの部屋にもあって、いつでも使えますが、便器は何の囲いもないので、同室者の前で用事を足すことになります。ホールにも個室トイレがあるんですが、使用中に誰かに突然ドアを開けられたりしないよう、使用中と書いたメモを挟んで置かなくてはいけません。
シャワーもありますが、カーテンを閉めたとしても、2階にいる利用者からはすべてがお見通し。ここにはプライバシーなんてものは存在しないのです。

それから、更に驚かされた刑務所の実態は、入所者が延々と放っておかれること。24時間、何の使役も与えられず、虚しく時間を過ごすだけの日々。何もしないで、孤独や退屈と戦うこともまた、彼らに科せられた罰なのです。当然、時間潰しの娯楽なんて、あるはずがないし。彼らを更生して社会復帰させるための施設のはずが、何のケアもされず放置されっぱなし、という驚くべき実態が明らかにされます。
中には労働に就く者もいます。これはある意味、特権的なことなのだそうですが、これはこれで拷問。作業内容と言えば、入所達の食事の準備、シーツや囚人服のクリーニング、と言ったところなのですが、入所者数事態が膨大なだけに、準備する食事や洗濯の量が並ではありません。働けど働けど、仕事はなくならない。下手をすれば、延々72時間休みなしで労働するわけで、すでに人間の体力の限界を超えてしまっているわけです。
入所者のほとんどが前科者で出戻り。しかも、統合失調症などの精神疾患者が多い。実際、全米中で心の病に患っているのは医療施設より、刑務所で過ごしている人の方が圧倒的に多いのだそうです。服薬治療を受けている入所者は、毎時間、看護士からガラス窓ごしに呼ばれて、薬を受け取ります。

途中でスパーロックは独房に移ることになります。
独房に入るのは、重度で危険度の高い利用者。一人部屋だから、いいんじゃないかと思ってましたが、とんでもなかったです。相部屋も狭かったけど、独房はさらに小さくて、そこに閉じこめられているだけでも発狂しそうになります。ドアにはほんの小さい窓があって、囚人はそこからしか外の世界を見ることができない。誰とも口をきかず、一歩も部屋を出られず、自分が生きていることさえ、世界中から忘れられてしまったかのような閉塞感を味あわされるのです。
ようやく独房から出ることが出来た日、見慣れたはずのホールの広さに別世界を見るような錯覚すら彼は覚えてしまいます。

入所期間中、面会が許されたのは2回。
1回目の面会は両親。取材のために牢獄体験しているとわかっていても、ガラスの向こうにいる囚人服姿の息子に両親は戸惑いを隠せません。
「面会の直後ほど、深い孤独を感じることはない、と言われたけれど、本当だった」とスパーロックは語っていましたが、その辺は果たしてほんとかなぁ、と苦笑しちゃいました。
2回目はもちろん、愛するアレックス。映画でよく見るように、ガラス越しに手を重ねる二人。涙をこぼすアレックス。スパーロックって、かっこいいけど、彼の妻でいるには相当の忍耐力が必要なのではないでしょうか?
「私ったら、なんで、もっと普通の男性を好きにならなかったんだろう」と考えたことはないのでしょうか。  
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スパーロックと同室していたのは50代の黒人男性と25歳の白人青年。いずれも出たり入ったりして、人生の大半を獄中で過ごしています。
特に青年は少年の頃から麻薬中毒者で、真夜中でも禁断症状に襲われ、あまりの症状の激しさに息の根が止まるのではないかと、スパーロックはヒヤヒヤ。これほどの状態なのに、ここの施設では放っておかれるんですね。
青年は育った環境が恵まれておらず、もっと身近の人間か彼を支えてくれたら、彼の人生はもっと違うものになったはず、とスパーロックは言います。
青年は麻薬中毒者専用の施設に移ることになったから、彼はもっと人間的な生活ができるようになるだろうとスパーロックは期待します。そして、50代の黒人男性も刑期を満了して、娑婆に出られる日がやって来ました。「ここを出たら、絶対真人間になってやる。」とスパーロックに誓った男性。スパーロックは自分が出所したら、どこかで飲もうと約束します。

スパーロックにも刑務所を移る日がやって来ました。
移転先は薬中青年が移って行ったのと同じ刑務所。しかし、ここは薬物中毒者を更正させるための特別プログラムが組まれており、一日のスケジュールがしっかり詰まっていました。月に何度か、外部ゲストの講演があり、その講演者は薬物地獄から見事脱出することができた人とか、ちゃんと社会復帰できた人の体験話だったりして、入所者に希望を与えるものです。グループ・カウンセリングまであって、前者の施設とは何もかもが対照的。スパーロックは元同室者に再会しますが、以前の彼とは別人のように明るくなった笑顔を見ることができました。
しかし、青年は保釈金を積んでもらって、その刑期を全うせずに出所してしまう。スパーロックは懸念します。「ここでの更正プログラムを最後まできちんとやり終えてから出所するべきだった。このままではまた、犯罪を犯してしまうような気がする。」
更正プログラムを最後までやり終えた者の中で、再び犯罪を犯すことがなくなった者は全体の数パーセントにしか過ぎないと言うが、それでも人数にするとかなりの数になるになるそうなので、社会的には大きな貢献になるわけです。
自分の家族にまで見放されていた彼が保釈金を出してもらったのがちょっと矛盾するというか、不思議だったのですが、スパーロックの予想どおり、青年は2週間も経たないうちに逮捕されます。そして、前の刑務所で一緒だった黒人男性も再び逮捕・投獄。スパーロックと娑婆で飲もうという約束は果たされなかったのです。
スパーロックは27日目に釈放。ここの国の規則で、刑期の8割を全うすると、出所できることになっているそうです。

自分は刑務所というものについて偏見を持っていたと思います。
国によって、アメリカと日本では施設のあり方というものが違うとは思いますが、刑務所というものは本来、罪を犯した人間が反省し、社会に適応するために学び直す場所。自分は危険な犯罪者を野放しにしないで隔離しておく場所だと漠然と認識していました。
事実、犯した犯罪があまりにも重篤で、再び繰り返す危険性が高いケースもあるので、そういう見方も仕方ないと思うのですが。
スパーロックが最初に入所した施設は、自分が思い描いていた刑務所とほぼ近いと思います。って言うか、自分が想像していたよりも酷い。後に移転した施設は、まさに目からウロコ、でした。刑務所の概念を大きく裏切るものがあったというか。ムショと言えど、どこでも同じ、というわけではないんですね。
犯罪者であろうとも、我々と同じ人間。人間性を尊重し、自分を肯定できるように導くことが、再び犯罪に走ることなく、社会の一員として復活できる近道なのかも知れません。

今後の『30DAYS 第2シリーズ』

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第2話 「不法移民と30日間」
6月23日(土)

第3話 「アウトソーシングを30日間」
6月30日(土)

第4話 「人工中絶論争を30日間」
7月7日(土)

第5話 「無神論者と30日間」
7月14日(土)

第6話 「ニュー・エイジ体験を30日間」
7月21日(土)




これは、スパーロックと妻アレックスのBaby。
ご本人のブログ(放置プレイ状態)で公表されていました。すでにパパ譲りのおヒゲがあるところがコワイ。
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by marikzio | 2007-06-20 17:30 | Television | Comments(2)

"Binge Drinking Mom"
『モーガン・スパーロックの30Days』、第6話は「酒浸りで30日間」。
大学生になったばかりの娘が毎日のように大酒を飲んで、乱痴気騒ぎしているのを見兼ねた母親が、それを改心させたい一心で自ら酒浸りの30日間を実践。
さて、健康を損ねる危険も顧みず、体を張った30日間は娘の心にどこまで響くのでしょうか?
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美人奥様のミッチェルは43歳。大学1年生の長女、夫の連れ子で高3の長男、そして小学生の次男のママ。健康に気をつかう彼女は日々エクササイズに精進し、お酒は滅多に口にしない。
彼女が今、一番頭を悩ませているのは、アラバマ州立大に進学して半年の娘のこと。週の大半は出かけて酔っぱらうというパーティ・ガールなのだ。
「飲むなら、とことん酔わなくちゃ」というのが彼女の言い分。「ママは知らないのよ。あの雰囲気は経験した者でないとわからない。」
彼女は相当の酒豪らしく、「女の子の間では私が一番かも」と豪語しています。
「アナタはもう普通の体じゃないんじゃない?」とミッチェル。「ひょっとしたらすでにアル中なのかも。」
お酒がどんなに心や体に悪影響を及ばすかを娘にわかって欲しくて、ミッチェルは酒浸りな30日間生活を夫の反対を押し切ってスタートさせるのでした。

条件はビールならジョッキ4杯、蒸留酒ならショットグラス1杯、ワイン1瓶分のお酒を週に4日以上たしなむ、というもの。これは現役大学生の日常的な飲酒量なのです。
まずは、検査機関でメディカルチェック。血液検査など、主に代謝系の機能をチェックします。
「こんな実験はやめなさい、と私は言いたいわ。」と検査員の女性。「実はアル中だったことがあって、もう20年以上、飲酒していないの。大学生の頃の私はお酒が好きと言うより、とにかく酔っぱらって楽しみたいと思っていた。でも、自分でもヤバイと思った時はもう遅いのよ。」
それを聞いて、表情をさっと曇らせるミッチェル。彼女の脳裏に浮かぶのは、酒をあおってばか騒ぎする娘の姿であることは言うまでもありません。
メディカルチェックのあとは、旦那さんと一緒に、お酒のスーパーへ。お酒を飲む習慣がほとんどなかった彼女はまずは口当たりがよくて飲みやすいとオススメされた白ワインを購入。これを今夜のうちにグラスで4杯平らげないといけないのです。ちなみに自分はワインならグラス2杯が限界なので、このノルマは果たせそうにありません。
娘や息子達が見守る中でやっとの思いでグラス4杯を開けるミッチェル。足元はフラついてるものの、なかなかいい調子。しかし、その夜何度もトイレに駆け込んで眠れなかったようです。2日酔いになってしまい、毎日しているジョギングにも行けませんでした。結局、昼近くまで、ベッドから出られなかったのです。
「これを30日間やるなんて!」

飲み続けるうちに、ミッチェルはお酒に強くなって行くのですが、それに反比例してライフスタイルはみるみる崩壊。毎日続けていた運動もやる気が起きなくなり、掃除や洗濯、料理にさえ手がまわらない。家はどんどん片づかなくなって、つまり主婦としての務めを果たせなくなったのです。変化は食べ物の好みにも影響を現れます。野菜中心のヘルシー指向だったのに、高カロリーのピザやジャンク・フードが無性に食べたくなり...。正直、ここまで影響するとは知りませんでした。
お酒を飲むのは家だけではなく、大学生が行くようなクラブにまで赴き、しこたま飲んで午前様。家の前まで来たのはいいが、カギが見つからなくて中に入れない。携帯で夫に助けを求めたのに無視され、地面でへたりこんで大泣きする...。
全米中の目があると言うのにこの醜態。ここまで人を変えてしまうとは、お酒って恐ろしい!

b0069502_13345844.jpgそれにしても、娘にこんな姿を見せたからって、彼女の意識を変えることができるのでしょうか???番組を見る前から疑問には思っていました。
お酒が体に及ぼす影響なんて、20歳前後と40代では全然違うのだから、娘本人には実感出来ないと思います。親が乱れる姿を目の当たりにしたって、自分は毎晩同じようなことをしてるのだから、啓示となるかどうか...。
案の定、娘は母親にこう宣告します。「自分は目先の光景だけで考え方を変えてしまうほど、子供ではない。弟はどうかわからないけれど。」
「何でもいいから自分は酔いたいの。酔っぱらわないと楽しい気分になれない。」
カメラの前で母親は涙ぐみます。「あんなに綺麗で未来のある子なのに、酔っぱらわなきゃいけないなんて、どういうこと?何が問題なの?」

スパーロックが言うには、この親子には今までコミュニケーションが足りなかったのだそうです。あまり娘と対峙して来なかったので、この実験がきっかけで、母娘は何度か話し合いを持つ機会を持つこととなった。学生生活真っ只中にある娘は自分のライフスタイルを改めることはなかったけれど、母とのつながりという点では大きな進歩があったはず、と語っています。
娘の無反応に対し、息子たちの敏感さが印象に残りました。嫌悪感があからさまなティーンエイジャーの義理の息子、「もう、こんなことやめて」と泣き出してしまった末っ子君。男の子の方が、母親のそんな姿は見たくない、という気持ちが強いのかも知れませんね。
「娘の方はそれほどでもなかったけれど、下の弟への影響は絶大だった。彼はこのことを胸に刻んで、教訓にすると思う。」と自己評価したミッチェル。
第一の目的を果たせなかったのは残念だったけど、末っ子の将来には役立った、と言うことでしょうか。
今回のテーマは、ちょっと失敗かな?と思ったんですが、スパーロックは自分が学生時代から大学生の飲酒が気になってて、いつかは取り上げなくちゃ、と思っていたそうです。

このエピソードを見て、自分が学生だった頃を思い出してしまいました。
友人の中で一番お酒が弱かった自分にちょっと劣等感を抱いたのを覚えています。今思うと、別にコンプレックスになるようなことじゃないじゃないか、と思うんですけど、ホラ、学生の飲み会って、いっぱい飲んだもん勝ち、騒いだもん勝ち、ってとこあるじゃないですか。
あと、ビールのつぎ足し、って妙に腹が立ちませんでしたか?
自分の中では「ああ、やっとこれで終わり」って思ってんのに、上からドバッとやられて、「何すんのよぉ!」って感じ。こんなの自分だけでしょうか?
あと、今でも思い出すのがサークルで夜桜をした時のこと。
弘前公園の桜の下で宴会をしたのはいいが、お酒にめっちゃ強いK子先輩が日本酒の瓶片手に「marikzioちゃん、早く早くぅ〜!!」。私の紙コップにはまだビールが入ってるのに...。
「ぅるさぃなぁ」と思いつつ、あんまりせかされるので、ビールを地に流すわけに行かず、それに日本酒をついでもらいました。ビールwith日本酒は美味しいはずがなく、公園の公衆便所に駆け込む羽目になりました...。
その後の二次会も復活できず、真っ青な顔で過ごしたわたくし。
花見の時期になると、そのことを思い出します。軽く根に持ってるのかも!?

「モーガン・スパーロックの30Days Season One 」の全6話の予告編が見れるページ。
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by marikzio | 2006-10-06 22:03 | Television | Comments(0)

"Off The Grid"
社会派モーガン・スパーロックが、「究極の30日間体験」を通して、健康、生活水準、宗教など、様々な問題に肉薄する、TVドキュメンタリー『30Days』。
"Off The Grid"(邦題『自給自足で30日間』)は、便利で無駄の多い消費生活に慣れ過ぎた2人のアメリカ人男女がスーパー・エコロジカル集団とともに過酷な(?)30日間を過ごした記録です。

プロモーターをしている35歳のヴィトーと30代前半でDJのジョハリ。
二人は仕事上のパートナー。そして、どちらも典型的消費者。ヴィトーは大型SUV車を乗り回し、化石エネルギーの枯渇とか、地球の温暖化なんてまるで念頭にない様子。「だって、自分が生きている間は、石油がなくなることはないだろ?」
自分さえ良ければそれでいいのであって、後世に生きる人々や地球のことなんかどうでもいいのだ。ジョハリにしたって似たようなもの。
「もし、世界中の人が彼らのような消費生活をしていたとしたら、地球12.5個分必要」
この予想データに愕然となる二人。「地球12.5個分はマズイよなぁ。」
そして、ミズーリにあるエコ村、"ダンシング・ラビット"での共同生活が始まります。

目的地に到着した彼らを出迎えてくれた、ダンシング・ラビットの男性(名前忘れました)は、なんと植物油で走るディーゼル車に乗って来ました。
揚げ油で走る車にジョハリは大受けして大爆笑!「ポテト・フライ臭の車に乗るなんてギャハハハ」。
後ろのトランクを開けて荷物を詰めようとしたら、トランクには植物油の入ったタンクでいっぱいでした。これまた笑い転げるジョハリ。いくらなんでも失礼だっつうの。

Dancing Rabbit Ecovillage
化石燃料を使ったエネルギーに一切頼らず、生活の糧を自給自足で賄い(しかも、その農作業に機械を使わず、すべて人力)、飲料水や排泄物もリサイクル利用するという徹底したエコロジスト集団。
1週間単位で体験生活も可能ですが、中には迷惑なビジターも少なくない、とのこと。今回は1ヶ月、ということもあって、不安の色を浮かべる生活者もいました。
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画像元のページ Welcome to 30 Days Visitors
ヴィトーは左端、ジョハリは右端。
ヴィトーの隣の男性が彼らを迎えに来た人で、滞在中、二人を何かとサポートすることになります。私は、彼の個性的な爆発ヘア&極太眉毛が、番組中ずっと気になって仕方ありませんでした。エコライフを実践した結果、彼のようなスタイルが生まれるのでしょうか???

そして、キャンプに到着。
二人は寝泊まりするサイロに案内されます。「ギャッ、この壁なに!?草と泥で固められてる。まるで石器時代だ。」当然、電気も通っていません。
トイレの使い方について説明を受ける二人。
「用事を足したあとは、備え付けの"おがくず"で表面を覆い、いっぱいになったら、スコップですくってこのバケツに入れること。」
「で、いつ流すの?」とジョハリ。
「流さない。排泄物は肥料として再利用するんだ。」
驚愕でこわばったジョハリの顔が大写しになります。「うそー!マジ!?排泄物を流さないなんて信じらんない〜!!!」
しかし、エコ村の彼らにとっては、きれいな飲み水で排泄物を流すことこそ常識外なのです。
日本は昔から、ぼっちゃん式の便所というものが存在するので、それほどびっくりすることではないのですが、しかし、汲み取り式トイレは排泄物の匂いが漂うので、換気ファンが必要です。でも、ここは換気ファンという文明の利器など使うはずもないでしょうから、匂っていたと思います。夏はしんどいですねぇ。

「ったく、トイレの後始末に15分もかかっちゃうなんてさ。」早速、このダンシング・ラビットに対する嫌悪感を露にするジョハリ。それを笑っていたヴィトーにも試練は待ちかまえていました。
何と言っても、ここは徹底したベジタリアン食で、敢えて肉に近いものと言えば、ソーセージとは似ても似つかない貧相なシロモノ。牛肉命のヴィトーにとって、この生活は堪え難いものとなりました。30日の間、彼は重度の牛肉禁断症状に悩まされ続けることになるのです。
ダンシング・ラビット側に言わせれば、「肉牛の飼育は経費がかさむうえに、水や電力など大量のエネルギーを消費するので、エコロジー主義に反する」のだそうです。
ヴィトーはスタッフから空気銃を借りて、ウサギの狩りをしました。このことが非難の的となろうとも、彼は熱砂地獄のような肉欲(?)を鎮める必要があったのです。

化石燃料を使わないので、シャワーのお湯は薪を燃やして沸かします。
「これを毎日やるの?と聞いたらさ」とジョハリ。「いいえ、5日に1回よ、だってさ!」
「5日に1回だって!?」
「ええ。だって、そんな臭いがしてたもの。」
しかし、それだけではありません。風呂に使った水もため池で分解して再利用するため、シャンプー類に配合されている香料が問題になるのです。ジョハリが持参して来た、お気に入りのケア用品はみんな香料入りということで、使用禁止されてしまいました。
お洒落なジョハリは、電気がないので、ドライヤーを使ってヘアメイクもできません。日に日に不満を募らせて行きます。

エコ村の基本方針をまるで理解していないかのようなヴィトーとジョハリの生活態度は、スタッフ会議で取り上げられることになりました。他の共同生活者から苦情が寄せられていたのです。
ヴィトーは殺虫剤を乱噴射しまくり、ジョハリの香水がキツ過ぎる。
それにしても、なんで二人はこのエピソードに出演したのでしょうか?キャストは一般公募らしいので、参加する以前に選択の余地があったと思うのですが。それとも、これほど驚かされるとは思ってなかったのでしょうか?
「香水アレルギーの人もいるのよ。」とジョハリを諌める女性スタッフに対し、「じゃあ、私が体臭アレルギーだったらどうする?」とジョハリの辛辣な一言。
「そうだったら、消臭スプレーを使うしかないわね。」

爆発ヘアの男性は、二人のサイロの前にソーラー・システムを設置してくれました。
夜の蝋燭生活から文明世界に返り咲いた彼らは狂喜、感謝。
ソーラー・システムは高いけれど、国から補助してもらえるし、電気代をカットできるので、結果的には経済的です。
「この電球は何なんだ?」
どのメーカーなのかわかりませんでしたが、普通の電球より明るく、消費電力も大幅に抑えられる蛍光灯が支給され、さすがのヴィトーも関心していました。これを、アメリカ中の家庭で使ったら年間消費量が驚異的に減らせる(どの程度か忘れましたが)、ということで、これに舌を巻いたヴィトーはキャンプ終了後、家中の電灯をこの蛍光灯に変えたそうです。

廃品リサイクル、と称して、捨てられたゴミの中からまだ使えそうな製品をさがす場面も。ジョハリはドライヤーをゲットして大喜び。ヴィトーは「ゴミ漁りをしている」感を抱いてしまい、抵抗感を拭い去れませんでした。
なんだかんだ不満を言いつつも、共同生活に歩み寄りを見せ始めたジョハリに対し、頑固な牛肉ジャンキーのヴィトーは勝手にステーキ肉を取り寄せて、皆の前でこれみよがしに食するなど、マイペースぶりを加速させて行きます。それに昂然と非難するジョハリ。この二人の対比ぶりも興味深かったです。

もちろん、消費生活が骨身に染みついている二人が30日間の体験でライフスタイルを完全に変えることはできませんでした。しかし、彼らの中の意識は変わったようです。「地球12.5個分」だった消費量が10分の1の「1.2個分」になった変化は大きい。新車が欲しくてSUV車を候補に挙げていたジョハリは環境を意識した車に切り替えたそうです。
最後の夜、ヴィトーとジョハリは共同生活者たちに感謝の意を表してディスコ・パーティを開きました。

さて、アナタは、このダンシング・ラビット生活に飛び込んでみたいと思いますか?
自分は「お風呂が5日に1回」だったり、排泄物で堆肥を手作りするところでダメだと思いました。すべて人力で作業するのも、効率が悪過ぎると思うし、完全なエコロジー生活は無理だと思いました。
ヴィトーの女性スタッフに対して「なぜ、ここで生活するのか」と問いかけたのに対し、彼女は「ここにいると自分が健康だと感じるから」と答えていますが、あまり衛生的なイメージが持てなかったので、それはどうかな?と思いました。
でも、雪国でも問題なければソーラーシステムや蛍光灯なら、導入してみたいと思います。
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by marikzio | 2006-09-29 15:18 | Television | Comments(2)

地デジ・ライフに突入(と、言っても実家だけ)
かなり前になりますが、私は、モーガン・スパーロックの『30 DAYS』 のレビューを書いています。
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"MINIMUM WAGE"と"ANTI-AGING"
"MUSLIMS AND AMERICA"と"STRAIGHT/ GAY

が、WOWOWで放映された6エピソードのうち、『自給自足で30日間』と『酒浸りで30日間』は、放送当日チェックできなかったので、これらについては書かず終いでした。
ずーっと気になって、リピート放送がないかチェックしていたのですが、チャンネルがデジタルWOWOW2とかWOWOW3だったりして、アナログ契約でWOWOW1オンリーの自分は見ることができません。
しかし、数ヶ月に渡る懸案事項もついに解決される時が来ました!!!(←大袈裟な)
と、いうのは母が最近、地デジ対応の液晶テレビと本体に録画ができるDVD機をバーン!と購入しまして、実家はデジタルライフへと突入したのです。
以前からアナログ契約だったWOWOWはデジタル契約となってWOWOW2、3とも視聴可能となり、1週間先の録画予約だって、簡単にできてしまう。
WOWOWプログラムをチェックしたら、『時給自足で30日間』は9月22日に、『酒浸りで30日間』は9月30日にWOWOW3にリピート放送されることになっていたので、ようやく『時給自足で30日間』を回収(?)することができました。もちろん、30日の『酒浸りで30日間』も録画予約してます。
ついでに、ファニー・アルダンとエマニュエル・ベアール共演の『恍惚』フランソワ・オゾン監督の『ふたりの5つの分かれ路』も予約しました。どちらも未見なので、とっても楽しみ♪

で、早速、記憶が新しいうちに"Off The Grid"(『時給自足で30日間』)のレビューを今日書こうと思ってたのですが、あいにく時間がなくなったので、今度ゆっくり書きたいと思います。
すでに観られた方もいると思いますが『恍惚』と『ふたりの〜』レビューも楽しみにしてください。

アナログ放送の終了は2011年7月24日。
あと4年10ヶ月は自分の旧式SONY WEGAを大事に愛用したいと思います。
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by marikzio | 2006-09-25 17:18 | Television | Comments(3)

"MUSLIMS AND AMERICA"と"STRAIGHT/GAY"
究極的とも言えるテーマで実験的な30日間を綴る、モーガン・スパーロックの「30 DAYS」。
放送2回目のエピソードは「宗教的にも性的にも多数派に属する二人のアメリカ男性が異教徒や同性愛者の世界に飛び込んで、マイノリティ派の生活を体験する」という、個人的には一番興味のあった題材でした。

★★★「MUSLIMS AND AMERICA」(イスラム修業を30日間)★★★

b0069502_198789.jpgウェスト・ヴァージニア出身のデヴィット33歳。良き夫、父親である、という彼は教会には必ず行くという敬虔なクリスチャン。
そんな保守的な彼が、イスラム教徒の家庭で暮らして見ようと思ったのは、「自分の知らない世界を見てみたかったから!」
自分の信仰を脅かすことになるかも知れない実験に単純な好奇心で飛び込むなんて、ほんとに信仰の篤いキリスト者なんだろうか?とやや首を傾げたくなる気がしないでもないのですが、そんなことを言ってたら、番組が進行しません。
イスラム教徒とポーランド系が大多数を占める、ミシガン州はDeabornという町に向かうため、彼はイスラム教徒の格好をして、飛行機に乗り込むことに。
これまでに感じたことのない、無遠慮な視線の矢と念入りなボディチェックを受けるデヴィッド。「今まで何気なく飛行機に乗っていたのに、こんなふうに緊張したのは初めてだ。」

デヴィッドのホームスティ先はパキスタン系アメリカ人の家族の家。シャマエルは27歳で、デトロイトの病院勤務。生まれも大学もミシガン州。妻サディアは28歳で現在、法律学校の学生。ネイティブな英語を話し、教育もある中流のアメリカ人家庭。
しかし、午前5時に大音響のエキゾチックな歌声で起こされ、朝一番のお祈り。イスラム教徒は一日に5回、床に膝と頭をついてのお祈りがあって、その時間になると、街中に不思議な節回しの歌声が響きます。この歌が教会の鐘にあたるものなんだそうですが、一般的なアメリカ人にとっては、かなり異様な歌に聞こえます。街中いたるところに"ムスリム"(イスラム教でいう教会)があって、これはボーリング場とかを改装して作ったものなんだそうな。
しかし、一日に5回は礼拝を捧げるなんて、時間が勿体ない気がします。食肉も一般には口にできなくて、唯一食べられるのが神の祝福を受けた動物の肉(特別な流儀に従って屠殺された肉)、とか飲酒禁止、テレビは見ちゃダメなど制約されている事が多すぎです。その他にも結婚もしていない男女が同じ場所にいると悪魔が寄ってくるとか、いろんな意味でストイック。

しかし、デヴィッドにとって、最大の関門はお祈り。キリスト教徒である彼にとって、意味のわからない言葉で、得体の知れない神に向かって祈りを捧げることは非常に抵抗があったのです。
「ユダヤ教もキリスト教もイスラム教もルーツは同じ神なんだ。どうして我々と一緒に祈りを捧げない。」と責められても彼のしがらみは根強く、どうしても跪くことができません。
しかし、アラビア語を学び始め、自分なりにイスラム社会に歩み寄ろうとするデヴィッド。『イスラム教徒と暮らすクリスチャン』として、ラジオ番組にも出演しますが、彼の不注意な発言がシャマエルの顰蹙を買うこととなり...。

「イスラム教徒の問題は今のアメリカにとって、最も旬なテーマなんだ。」と冒頭で語るスパーロック。
『旬なテーマ』だからと言って、こんなデリケートな問題を番組のネタにしちゃっていいんだろうか?と多少疑問にも思ったのですが、このエピソードは多くのイスラム教関係者たちから感謝されたそうです。番組は公平に製作されていたので、イスラム教徒に対する誤解や偏見を和らげてくれた、と好意的な反響。
途中、デヴィッドがシャマエルたちに、「テロをするのはイスラム教徒だ。キリスト教徒はイエスの名において、自爆したりなんかしない。」と猛然と喰いかかる場面があって、イスラム教徒側の悲しそうな顔が印象的でした。「そんなこと言っちゃいかんだろ?テロをするのは一部の人間なのに。」とハラハラしてしまいました。

★★★「STRAIGHT/GAY」(ゲイと一緒に30日間)★★★

b0069502_1985050.jpgライアンはスポーツ好きのキュートな24歳。農家の一人息子で、信心深い家庭に育った彼は『同性愛は罪だ。』と怖れさえ抱いています。なぜなら「聖書にそう書いてあるから。」
そんな超保守的なヘテロ男性がよりによって、ゲイの住民が大半を占めるサンフランシスコのCastro(どこもかしこもホモカップルだらけ!)で、これまたおゲイな男性宅で生活するなんて、なんでまた...。
ま、そんなこと言ってたら、番組が作れませんよね。

エドは38歳、マーケティング・エグゼクティヴ。
心優しき彼は、自分の家のウォークイン・クローゼットをライアンの寝室に改装し、シャンパンのボトルを開けて、青年を歓迎。
バスルームの壁には、ゲイの友人が描いてくれたという、裸の男性の大きな絵があって、それに圧倒されてしまうライアン。「ほんとに、こんな所で30日間も過ごせるんだろうか?」
早速、エドのゲイ仲間たちに呼ばれ、お披露目されるライアン。彼らの独特な雰囲気と会話は彼にとって、脅威以外の何者でもありません。今まで多数派に属し、悠々と暮らして来た彼がいまや逆転の立場に置かれ、バーではナンパ攻撃の標的にされるような、か弱き存在になってしまったのです。
短期間ながら、このカストロ地区の住民として、ライアンは職探しを始めます。チーズ専門店に職を見つけますが、店員もゲイならお客もゲイ。何とか職場に溶け込もうと、耳慣れないイタリア産のチーズの名前を必至に覚えるライアン。

「始めは皆、異性愛だったはずだ。」こう主張するライアン。「同性愛は後天的なものであり、堕落したものだ。」
彼はカストロにある教会の女性牧師に会うことになりますが、レズビアンである牧師に向かって「同性愛は絶対に罪だ。」と頑なに言い張るのに対し「あなたがそう言うのは聖書にあるからでしょ?じゃあ、もし、聖書に『異性愛は罪だ』と書かれていたら、異性愛を否定するの?聖書に書かれてあることを杓子定規に捉える必要はない。云々...。」みたいなやりとりがあって、なんでこの人は「同性愛は殺人や盗みと同じくらい罪だ」と言うような言い方をするんだろう?と疑問に思いました。例えば、子ども時代に嫌な思い出があったとかなら想像もできますが、そういうわけでもなさそうだし。
「自分の性的嗜好については6歳の頃から薄々感じていた。」と語る同居人のエド。「ある日、ゲイ・ビーチに行くことになって、ようやく自分にぴったりの場所を見つけたと感じたんだ♪」
ライアンはエドの実家に行ったりもしますが、家族が、同性愛者である彼を受けとめていて、とても深く愛しているのに驚きます。それからエドの親友であり、ゲイでもある人物が遊びに来たりして、少しずつ気持ちがほぐれて行き、調子づいたライアンはゲイ・バーで他の客に混じってシャツを脱いでしまいます。
「あれは軽率な行為だった」ライアンを諌めるエド。「シャツを脱ぐ行為は他の男たちを誘っているサインになり、同性愛者でもなく、抵抗すら感じている人間がするべきことじゃない。」彼の人間性が垣間見える言葉ですね。

最終的にライアンは『同性愛は罪だ』という概念が完全には払拭しきれなかったものの、優しいエドと親友同士になります。
「ほんとは"いかにも"って感じの、例えば女装しているような人物をあてがっても面白かったんだけど、いわゆる一般人とそれほど変わらない人と接して、ゲイも普通の人間なんだ、というスタンスで行くことになった。」とスパーロック。田舎育ちで視野の狭かった青年が、サンフランシスコという大都会に出て、いろんなライフスタイルを持っている人たちがいていいんだ、というふうに受け入れるようになって行く、というあらまし。
番組のお終いの方で、WOWOWのインタビューがあって、「日本よりアメリカの方がゲイに対して寛容だと思うのですが」という質問があって、「実はそんなことはない。アメリカには以外と古い考え方の人がいっぱいいて、偏見に満ちている。だから、こういうテーマで番組を作ろうと思った。」と答えていました。

私たちは映画やドラマの影響で「アメリカはあっけらかんとしてリベラル」なんていうイメージを持ち過ぎていたのかも知れません。アーミッシュも存在しているし、自分が思っているほど進歩的でも軽薄でもないアメリカ。
今どきの若い男性が「時代遅れでは?」というほどの固定観念にこだわっていたりして、これってやっぱり家庭教育の影響なのかなぁ、なんて考えながら見てました。
クリスチャンもヘテロ青年も最終的には、宗教やライフスタイルの壁を乗り越えて、異世界の住人とハグを交わす場面で終わります。マイノリティーに必要以上に肩入れせず、かつメジャー派とされていた人々にも結構ヘンなとこあるんだなぁ、と気づかされるような切り口が上手いと思いました。
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by marikzio | 2006-03-27 20:48 | Television | Comments(0)

"MINIMUM WAGE" と "ANTI-AGING"
3月18日(土)から始まったモーガン・スパーロックの「30 DAYS」。
第1回目のエピソードは「MINIMUM WAGE(最低賃金で30日間)」と「ANTI-AGING(アンチエイジングを30日間)」。
記憶が新しいうちに、簡単な概要を書きたいと思います。
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★★★「MINIMUM WAGE」★★★
製作者のスパーロックと婚約者のアレックスが1時間5ドル15セントの法定最低賃金だけで30日間のサバイバル生活に挑戦。
住み心地のいいアパートを離れ、オハイオ州に向かった二人。健康保険や口座やクレジットカードを凍結し、手にしているのは最低賃金での7日分、というわずかな軍資金のみ。
まず部屋探しから始めますが、入居するには家賃の三ヶ月分の前金が必要と言われてしまいます。ようやく、前金は後払いで入居させてくれるアパートを見つけることができましたが、ベッドもなければ、カーペットもありません。しかも、その部屋でたくさんの蟻を発見。人間らしい生活をするためにせめて家具が欲しいと訴えるアレックス。

b0069502_2034942.jpg野菜料理研究家でもあるアレックス。ヘルシーフード指向の彼女としては不本意ながらもファースト・フード店での仕事に就きます。仕事場からアパートまでの交通費を節約するために、片道30分の道を歩いて通う毎日。
スパーロックは肉体労働の人材派遣会社に登録して、草刈りや塗装に悪戦苦闘。手首を痛めてしまい、保険がないので病院に行くお金がありません。アレックスは尿路感染症に罹ってしまうし、早くも大ピンチに見舞われる二人。最低賃金暮らしで何の生活保障もない彼らは30日間を乗り切ることができるでしょうか....?

オハイオ州にはリサイクル家具をただで譲ってくれるフリー・ショップ(教会で運営)があって、そこでテーブルやベッドなどを入手。これは環境保護にもつながってとても合理的なサービスだと思いました。
あと、経済的事情で医療を受けられない方のために無料クリニックがあるのですが、医師の人数に対して、患者の数があまりに多すぎて、医療を受けられない人が大勢いました。症状の重い場合はエマージェンシーに駆け込んでいましたが、二人の医療費は思った以上に高くついて、最低賃金の収入だと払い終えるのに3ヶ月を要する、と言ってたような。

パンと豆類という質素な超食生活を過ごした二人ですが、最低賃金者の同僚のなかには妻や子どもを養っている同僚もいて、「彼らはどうやってやりくりしているんだろう?」とスパーロックは驚嘆しています。「僕らは二人で働いていても大変なのに」。
そこで、「子どもがいる場合を体験してみよう」ということで、兄の娘と息子を二人の部屋に招待。激安映画館に連れて行ったのはいいが、スパーロックがお菓子を買い過ぎてしまったために、アレックスが「無駄遣いよ」とマジギレする一コマも。

職業に卑賎はないものの、安心して病院にも行けないような生活保障のない暮らしは不公平過ぎる。最低賃金を上げるべきだとの主張もあるけれど、それによって会社経営が不安定になれば雇用が減るのだから、そっちの方が深刻だ、ということで貧困に喘ぐ低所得者の生活はいつまでたっても向上しない。
「これが経済大国アメリカの実情なんだ」とカメラに向かって語いかけるスパーロック。
45分間の小品ながら、空腹と寒さに凍え、体を張って製作している、という苦労が伝わってくる作品。
アレックスは超美人なのに、婚約者に付き合って体まで壊してしまって気の毒でした。ドキュメンタリー作家の彼女も楽じゃない!

★★★「ANTI-AGING」★★★
過去の栄光をもう一度。
このドキュメンタリーに登場する34歳の男性はセールスマン。中年にさしかかって、すっかり太ってしまい、体力の衰えすら感じている彼ですが、プールサイドにいるハイスクール時代の写真の彼は割れた筋肉が美しいナイスガイ。
「せめて大学時代の姿を取り戻したい」とばかりに彼はある行動を起こすこを決意。その決意とはホルモン注射と薬物と投与、専属トレーナーによるエクササイズを30日間続けて若返りを図るというもの。さて、彼は引き締まったお腹と逞しい胸筋を取り戻すことができるでしょうか...?
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体重の増加や頭髪が薄くなるのはは男性ホルモンの減退が原因。
医師は彼に成長ホルモンとテストステロンの投与、その他数々の薬物を処方し、その日からホルモン注射と薬づけの日々が始まります。
男性ホルモンで体重を減らし、若々しい容姿を取り戻すことができると断言する医師。彼自らもホルモン注射を続けてアンチエイジングしているという。
お医者さんがそこまで言うのなら、と男性は実験を受けることを承諾しますが、処方された薬は一日2回で41錠。分量を間違えないようにピルケースに仕分けしている場面がありますが、ほんとに大丈夫なのかなぁ???
しかも治療(?)のまえに「副作用として精子が作られなくなるおそれがある」ということで事前に採取し冷凍保存までしているのです。自分で「大丈夫だ」と言っておきながら。
彼の奥さん(かなり大きい、ダイエット必要)も登場して、「成功すれば自分も試してみようかしら?」なんてケラケラ笑っていたのですが、専属のトレーナーがスレンダー美人と知って、気が気じゃない様子。トレーニングに同席して、腕組みしている姿が殺気立ってて怖いです。
ジムのコーチが、これまたシュワちゃん(懐かしい!)みたいなマッスル男。ステロイド打ってるんじゃないの?と突っ込みたくなるぐらい不自然な筋肉。張り子みたいな腕と胸なのです。

そんなこんなで日々が過ぎて行きました。
体重も減り、体力もついてきて実験が順調に進んでいると思いきや、血液検査で肝機能に障害が起きていることが発覚。実験男性がマッチョコーチに薬を一日に40錠以上服用していることを打ち明けると、「毎日そんな大量の薬を投与していたら、肝機能に異常が出るのは当たり前だ」と呆れかえって言いました。

後半部分で私は少しウトウトしてしまったので、記憶が飛んでいるのですが、この実験は途中で打ち切りとなりました。精子が少なくなっているどころか、精液中の精子が死んでいたことが発覚して、実験者はあと一週間で実験終了にも関わらず、中止を申し立てしたのです。
「今まで治療を途中で放棄した人はいなかったのに...。残念だけど、仕方がない。」
実験者と別れの握手を交わす医師。どうやら彼は、自分の治療方針が間違っていない、安全なはずだと本気で信じているようです。こんな歴然とした結果が出ているのに...。
嫌だなぁ。お医者さまの言うことを受け入れるしかない患者側にとって、こういうマッドな医師の存在は不安を抱かせます。
自分の肉体が悲鳴を上げている今、こんな恐ろしい実験を続けているわけにはいきません。過去の自分を取り戻したいがために、今の自分や家族を犠牲にするなんてとんでもない。
奥様も美人トレーナーとのエクササイズがなくなってホッとしているようです。「私は今の太った主人も好きなの。」
実験は断念したものの、彼は10キロぐらい体重が落ちていました。顔もすっきりして、なかなかの男前になってたし。やはり男性ホルモンの投与の効果は大きいようです。失うものはもっと大きいようですが...。

最初、この実験はスパーロック本人がやろうと思っていたそうですが、兄弟やアレックスに激しく反対されたそうです。ハンバーガー生活で生命の危険にさらされたのに、これ以上、肝臓に負担をかけるわけにはいかない、と。
しかし、彼だったら、途中で投げ出さずに、最後までやっていたような気がします。結果的には同じようなものでしょうけれど。
アンチエイジング医療が盛んなアメリカ。いまやコラーゲン注射やシワ取り施術は、お化粧なみに当たり前なのかなぁ。このようなケースは極端ですが、手っ取り早く若さと美しさを手に入れる話なんてありえないんですよ〜という、お約束の結論。
自戒をこめて、ここで結びたいと思います。
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by marikzio | 2006-03-23 21:43 | Television | Comments(0)

モーガン・スパーロックの『30 DAYS』
映画 『スーパー・サイズ・ミー』で「30日間、マクドナルドを食べ続けたらどうなるか?」という人体実験的ドキュメンタリーを製作しているMorgan Supurlock。
『スーパー・・・』は映画だったけれど、TVシリーズでいろんなテーマに取り組んだ「究極の30日間」を記録した『30 DAYS』がWOWOWで3月18日(土)から毎週土曜日、深夜0:00にオンエア。
毎回違った実験で全6エピソード放映というから楽しみ〜♪
放映内容の概要はこんな感じです。

b0069502_18581457.jpg第1話「最低賃金で30日間」
まずはスパーロック監督とフィアンセのアレックスが法定最低賃金だけで30日間の生計をたててみよう、というドキュメント。
体力勝負のワークが中心みたいなんですが、どーなることやら...。



第2話「アンチエイジングを30日間」
中年太りで体力低下が気になる30代男性がエクササイズや薬物投与でアンチエイジング。
最初は「女性が毎日、エステ通いすると肌がどんなことになるのか?」という実験かと思いました。ピーリングとかボトックスの怖さを暴く、みたいな感じで。(笑)
b0069502_1994770.jpg


第3話「イスラム修業を30日間」
敬虔なクリスチャン男性がイスラム教徒のコミュニティーで30日間の生活...。
イスラム教徒って、一日に何回もアッラー様にお祈りしてるイメージがあるニャ〜。どんな生活になるんでしょ???


b0069502_19264694.jpg第4話「ゲイと一緒に30日間」
同性愛恐怖症の24歳のアメリカ男性がゲイ・コミュニティーで30日間を過ごす。
マイノリティ者たちが偏見の残る社会で生きることはどういうものかを知らされる内容になっているとか。
アメリカのゲイ・ピープルって、とっくに市民権取ってると思ってたけど、以外と偏見根強いのかな?アメリカって意外に保守的なんですよね。アカデミー・アウォードの監督賞をとった『ブロークバック・マウンテン』もかなり話題になったみたいだし。


第5話「時給自足で30日間」
大量消費に慣れた30代カップルが電気・水道・ガスに頼らない完全エコ生活。
もちろんテレビもパソコンもiPodもないんですよね。私には絶対ムリ...。あ、電気は自家発電なのかな?

第6話「酒浸りで30日間」
大学生になってから、大酒を飲んでは毎日乱痴気騒ぎを起こしている娘の母が、自分が毎晩酒に酔って醜態をさらすのを見せつける、というママの体当たり企画。
かなり異色な題材ですこと...。

このなかで私が特に興味を持ったのは「アンチエイジング」、「イスラム修業」、「ゲイ・コミュニティでの生活」でしょうか。
15日に第1話が先行放映されたみたいですけどね。とりあえず、これから土曜日の夜はチェックしなくちゃ。

WOWOWオンライン モーガン・スパーロックの『30DAYS』

Fx Networks 30 DAYS WITH MORGAN SPURLOCK
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by marikzio | 2006-03-16 19:07 | Television | Comments(2)

-Super Size Me- by Morgan Spurlock
b0069502_21473061.jpg「1ヶ月、一日3食マクドナルド以外は食べないという生活をしたらどうなるか?」

聞いただけでも、高脂血症になりそうな人体実験を追跡したドキュメント映画。
ファースト・フード大国アメリカにおける食文化への警鐘として作られた、この「スーパー・サイズ・ミー」は2004年1月、サンダンス映画祭のドキュメンタリー部門に出品され、全米に大反響を巻き起こしました。
この映画の製作者である、Morgan Superlockはテレビで二人のティーンエイジャーの女の子が「自分たちが肥満症になったのはハンバーガーが原因」とマクドナルド社を相手取り、訴訟を起こした、というニュースに惹きつけられます。そして、この事件から着想を得て、ハンバーガーの過剰摂取が及ぼす身体への影響を記録に残すことにしました。そして、実験台にするのは自分自身の体。

この実験のために、3人の専門医師と管理栄養士、そして運動生理学専門家たちの協力を仰ぎます。
実験開始にあたって健康診断を受けるスパーロック。身長188cm、体重84.3kg、コレステロール値168、中性脂肪43、体脂肪率11%、糖尿の気もなく、血中濃度も肝機能も申し分なしの健康体と医師から太鼓判を押されてのスタートです。
彼はマクドナルドを食べる時に、いくつかのルールを自分に課します。
「ハンバーガーもポテトもドリンクも必ずスーパーサイズ(特大サイズ)をオーダーし、完食すること。」、「メニューの全種類を食べること」、「なるべく運動をしない」等々...。

2日目。特大サイズのコーラを飲むと、多量の糖分摂取のためか、全身が燃えるように熱く、汗が吹き出し、胃が重くなります。ハンバーガーも体が拒絶するのか、車の窓から吐いてしまうスパーロック。
日数を重ねるうちに、胸苦しさと圧迫感が常につきまとうようになりました。
「早く実験が終わって欲しいよ。」
栄養士から、カロリーの過剰摂取を指摘されます。(成人男性の必要な熱量の2倍)

2週目に入ると、ベルトの穴を一つゆるめ、気分がめいるようになりました。しかし、「ハンバーガーを口にするとすぐにまた食べたくなる」。一種の中毒状態。

そして、3週目。
「最悪。頭痛がする。目玉の後ろがズキズキと」
「しかし、ハンバーガーを食べると気分が高揚する」
ついに、ドクター・ストップがかかります。「このまま実験を続けるのは危険。」
恋人にも実験を中止するよう懇願されるスパーロック。
この人体実験の結果はいかに...。

全編ひたすら実験経過に終始するのではなく、アメリカの肥満率がいかに高いか、高脂肪の食生活が子どもたちの体にどんな影響をもたらすか、アメリカで最もデブ率の高い町、ヒューストンの現状など、多くの医学分野のスペシャリストや、ファースト・フード会社の関係者などのインタビューが盛り込まれていて、ハンバーガー同様かなりのボリュームです。途中で眠くなってウトウトしてしまいましたが。
マック命?の変な男の人の登場には笑ってしまいました。チーズバーガーを初めて口にした日は感激のあまり3回行ってしまったとか。毎日の食事の90%はハンバーガーというビッグマック・マニアでついに1万9000個目を達成。
しかし、コレステロール値は200以下。ポテトは食べないようにしてるからだとか。

一日3食、それも一ヶ月、と言うのは極端なケースであり、短期間にあれだけ変化することはまずないでしょうが、「最も怖いのは長期間にわたり頻繁に利用している人であり、これによって極端な肥満や生活習慣病を引き起こすこと。」とスパーロックは語っています。
無論、ファースト・フードを利用する側にも自己責任というか選択の余地があるわけですが、派手な広告が溢れかえっている環境の中にいる子どもたちは何の抵抗もなく、ファースト・フードに親しみ刷り込まれて行くわけだから、利潤のみを追及した企業側の責任はやはり重大なのだと、この映画は主張しています。

それにしても、アメリカの太めの方の肥満ぶりと言ったら、ハンパじゃない。
椅子にすわっても、後ろから見ると、お尻がこぼれ落ちそうです。
レストランに入っても、ピザ屋に入っても何でもかんでもジャイアントサイズで出てきて、アレじゃあ、身体がおかしくなるのは当たり前です。
この映画は大陸中に反響をもたらした、ということですが、今頃気づくなんて遅過ぎるんじゃないの?アメリカ。
サプリメントだのフィットネスだの、やたらヘルシー指向が高いくせに、それ以前に量をなんとかしなさい、って感じなんじゃ...?

それにしても、"マクドナルド"という実在の、誰でも知ってる企業を題材に選ぶとは大胆ですねぇ。アメリカ訴訟大国なのに。
でも、この映画が発表されてから、半年後、"スーパー・サイズ"は廃止されたそうです。その代わり登場したのが"アダルト・ハッピー・セット"。どんなものなんだろ?ひょっとして呼び名変えただけだったりして。
ちなみにタイトルの『スーパー・サイズ・ミー』は「特大サイズを僕に」と「僕を特大サイズに」という二重の意味が込められているようです。
これを見たらしばらくハンバーガーはいらなくなるかも、と思ったのですが、お腹が空いたので、帰りにマクドに寄ってしまいました。でも、おいしかったよん。

みなさんも、ファーストフードのオーバードーズには気をつけましょう!
「SUPER SIZE ME」の公式サイト
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by marikzio | 2005-04-06 23:02 | Movie | Comments(0)


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