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MAÏA BAROUH "地球をとってよ!"
ちょっと前から気になっていた女性ミュージシャン、マイア・バルー。
孔雀の羽被ったような無国籍風ルックから、どんなサウンドなんだろ??と思ってたものの、これまで自主制作盤をライブ会場でしか販売されていなかった為、手にとることができませんでした。
んがっ、『地球をとってよ!』でついに本格的デビュー!!
すでに今年1月にはリリースになってたのに最近気づきました。そして、iTunes storeでもダウンロード配信されてます。

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1ongaku
2 小さな奇跡
3 Asia
4 ぽろろん
5 ル・ロマン
6 イノセンス

全6タイトル、27分という、ミニアルバム。
短いながら、どの曲もクオリティーが高く、その宇宙的な世界観、めくるめく音の多彩さに驚かされます。和製ポップスとも違う、それでいてヨーロピアンみたいにバタ臭くはない。ブラジリアン・ポップスの影響が一番濃いとは思うけど、農耕民族的アイデンティティがしっかり根付いていて、まさにこれはマイア流ワールド・ミュージックなのです。
ほんとに、ほんとに最初のオープニングを聴いて鳥肌が立ちました。次の曲もその次の曲も「うわ、こう来たか!」と驚きがあって、そして嬉しくてたまらなくなってしまうongaku。

b0069502_21551133.jpg彼女の父親はフランス人である Pierre Barouh。「男と女」" Un homme et une femme "で日本でもその名が知られている歌手であり、俳優でもあります。母親は日本人女性の潮田敦子バルー。バルーの訳詞やライナーノーツを執筆している方ですが、ブリジット・フォンティーヌなどの訳詞も手がけているようです。マイア・バルーのサイトのプロフィールによると、「6才まで犬に育てられる」と書いてあったりもしますが、東京生まれのパリ育ち、幼い頃から両親とともに世界中を旅し、舞台を遊び場に様々な音楽を吸収する。特に感銘を受けたのが15才の時に遊学中に聴いたブラジル音楽。以後、それが今の彼女の音楽の土壌となり、フルートやギター、ピアノ、パーカッションを自在に操り、独自のワールドワイドな世界を切り開いて行きます。


日仏のハーフというだけあって、二カ国語が堪能。日本語メインだけど、日仏語ちゃんぽんの曲もある。二つの言語を巧みに操り異文化を自由自在にワープするマイアのボキャブラリー。でも、彼女の日本語のセンスが特に素晴らしいです。サウンドは日本のポップス離れしてるのに、ごく自然にメロディーに乗ってるんですね。それでいて、すごくカッコイイ。

彼女率いるマイア・バルーBAND。
ベース担当のAbuとパーカッションの駒澤れお、そしてボーカルとフルート担当のマイアからなる三位一体的ユニット。Abuとレオは本作でも曲を書いたりアレンジに参加しています。日本人でいながら、こんなかっこいいサウンドをやってのけちゃう彼らのセンスに脱帽。
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マイアは随所にフルートを吹いたり、タンバリンを叩いたり、拡声器で声音を変えたりなど、パフォーマンス精神旺盛。でも、最大の魅力の一つは彼女の声でしょう。ハスキーでありながら、すごく力強くて安定感のあるボイスです。
個人的に一番好きなのは"小さな奇跡"ですね。やや昭和チックなロカビリーの風合いもあり、洗練と小気味いい感じの土臭さがうまく混ざってます。「小さな奇跡が起こっていることを素直にみとめて」というフレーズがいいです。日仏チャンポンの"ぽろろん"はシャンソン風味、"ル・ロマン"はフレンチ・ボッサ、と言ったところでしょうか。この辺の傾向は父親譲りなんでしょうかね。

ちょこちょこ、ライブ活動を展開している彼ら。
つい先日も旧フランス大使館の芸術イベント、NO MAN'S LANDでレ・ロマネスクなどの音楽仲間とライブしたようです。私はロマネスクさんも非常に気になってますので、彼らを生で観られたこのライブは行きたかったです。
You tubeで検索したらライブ映像が結構ありましたので、ちょっと貼らせて頂きました。
是非ともご覧ください。





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公式サイト
マイア・バルー Mia Barouh
MAïA Barouh

地球をとってよ!

マイア・バルー / バウンディ


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by marikzio | 2010-02-27 21:40 | Other Music | Comments(0)

Najoua Belyzel の新クリップ " Ma Sainte-NiTouche"
我らが Najoua Belyzel、いつの間にか新しいビデオ・クリップを発表してたんですね。


"Ma Sainte Nitouche"



かなり意味深、というか大胆な印象を私はうけました。
洋の東西問わず、どこの芸能界でも「売れるからにはより美しくなければ」というのが当たり前ですから、ナジュアちゃんのように神の化身のごとき美貌の持ち主であれば、尚更、みんなにそう思われてますよねぇ。
だから、わざわざこんなクリップを作ってしまうのは「それが何か?」と開き直ってるのか、「私は天然モノよ」と主張してるのか、いずれも歌詞の意味がわからないので、何とも言えません。
でも、皮肉が効いてて、これまでの彼女の作品にない出来映えだと思いました。
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これは、シャンゼリゼにあるfnacでのミニ・ライブをファンが撮影したもの。
生で見ても、もの凄い美人さんなんだろな〜というのが伝わって来ます。メイク映えがミレーヌっぽい。
彼女の音楽は打ち込み中心なんですが、このライブではアコースティックでキメてます。


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by marikzio | 2010-02-23 21:15 | French Music | Comments(2)

Ryan の最新ショット
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画像元 Mobypicture

こんだけの記事ですみまっせん。
どうやら、100club という会場でblues brothers と一緒にセッションした時のショットのようです。
ご自身の twittter によると、近々発売されるはずのDVD も完成したようで、こらからコピー作業にとりかかるようです。
何か近況報告を、と思ってるところに嬉しいショットでしたので。つい。

ロンドンっ子はお洒落ですのぅ。
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by marikzio | 2010-02-23 14:17 | Other Music | Comments(4)

「La motocyclette」のマリアンヌ・フェイスフル
まだ半分くらいしか進んでませんが、現在、A.ピエール・マンディアルグの『オートバイ』という本を読んでます。マンディアルグは結構好きで、これまでに何冊か読んでるのですが、この『オートバイ』はかなり前に図書館かどこかで手にしたことがあるものの、パラパラと何ページかめくった後で、本棚にもどしてそれっきり、かなりの年数が経ってしまいました。
「それを今になって何故?」と思われる方もいらっしゃると思いますが、当時の自分はもっと文学性の高いものを求めていたのか、「わずか19歳の新妻が、素肌の上に黒革のボディスーツに身を包み、バイクを飛ばして愛人のもとへ出かけて行く」という設定があまりにも通俗的すぎて嫌だったのだと思います。
巻末の解説を読んでも、本作はマンディアルグにとって、初の大衆向け小説だったそうで、これによってフランス文壇の中でメジャーな存在になったとか。

ちゃんと全部読んでるわけではないので、正式な(?)レビューはまた後日書かせて頂こうとは思ってますが、読了したとしても、この作品のプロットはごくごくシンプルであることには変わりないでしょう。
主人公はほんの2、3ヶ月前に結婚したばかりのレベッカ。夫は高校教師をしているレーモンで、彼はうだつがあがらず、高校生にも馬鹿にされてるような退屈で凡庸な男。
<<レーモンのそばでは、あたしの暮らしは石みたいだ>> と考えるレベッカは、早朝、そっとベットから抜け出し、抜き足差し足で黒革のレーサー服に体を滑り込ませる。そして大型のハーレーダビッドソンに跨り、国境の向こうのハイデルベルグへと向かう。そこには、彼女にとっての肉体とバイクの教授、ダニエルが待っている。レーモンよりも更に年上で、頭頂部が禿げ上がっている中年男だが、彼によって目覚めたレベッカは、結婚後も何度か会いに行っている。
本編はハーレーを操縦するヒロインが街や高速道路を疾走する場面が延々と描かれ、その随所随所に回想やダニエルとの愛の場面がコラージュのように挿入されている、と言ったところでしょうか?
今、読んでみて、「この作品、映像化したらかなりかっこいいものになるのになぁ」と思いました。

...と思いきや、とっくに映画化されてたんですね!!!

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La Motocyclette
邦題『あの胸にもういちど』
1968年
出演:アラン・ドロン、マリアンヌ・フェイスフル
 

もちろん、映画も未見なんですが、「あの胸にもういちど」ってゆー日本語タイトル、何とかならんのですか?
60年代って、そんな感じだったのでしょうかねぇ?
でも、ほらっ、なかなかエロエロでお洒落なビジュアル。これは当時の青少年(今で言う団塊の世代?)のお兄様方が心トキメキ☆したのではないかすら?
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ちなみに、アメリカでは「皮の下はハダカ」というタイトルがついてたそうな...。
なんて即物的な。
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映画の中のマリアンヌ・フェイスフルはセックス・シンボルっぽいですが、原作の中でのレベッカは、髪も刈り込まれて、男の子か女の子かわからないぐらいの中性的な容姿として描かれてます。街でバイクを飛ばしても、皮スーツが男っぽいので、一見ドライバーが女性とはわからない。
しかも、ヒロインの貞操を奪っちゃう男がハゲの脂ギッシュ親父なのに、映画の中では天下の色男、ドロン様ですよ!
わたくし、ドロンの出演作品って面白いと思ったためしがありません。もちろん、彼は絶世の美男子として日本でも人気ありましたが、その美貌ゆえに、演じる役が軽薄で安っぽく見えてしまいます。その安っぽさが魅力だったりもするでしょうが...。
話によると、ドロンもフェイスフルも、この作品に出演したことを後悔してるとかしてないとか...。作品の出来も当時としては斬新だ、とかただの駄作とか、賛美両論のようです。
そんな風に言われてると、無性に観てみたくなるんですけど。


そ、それにしても、マリアンヌ・フェイスフル、こんなにも愛らしく、キュートで、妖艶で蠱惑的だったのに、晩年の彼女と来たら、すっかり見る影もない...。(涙)
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いえね、私は、どちらかというとふくよかでドスの効いた後期マリアンヌさんの方を先に知ったので、彼女が若い頃はロンドンで1番のモテ子ちゃんだったとか、清純派シンガーだったとか、ミックジャガーやその他大物達と浮き名を流した、って聞いてもピンと来なかったのですが、過去の画像や動画を観て、「こんな可愛らしかった人が、なんであんな姿に???」と逆の意味で絶句しました。(失礼)

でもでも、ドラックにのめり込み過ぎて、全裸で倒れているところを警察に発見され大スキャンダルになったり、ミック・ジャガーでさえ手に余ってしまい、彼女から離れて行ったりと、いろいろ大変な時代を経験したみたい。人として、女として美しさなんて、もはや何の意味もない、なんて思ったかも知れませんね。
今は、ちゃんとミュージシャンとして、女優として復活を遂げ(映画『マリー・アントワネット』でマリア・テレジア役で出てました)、活動しているわけなのだから、やはり凄い人であることに変わりはないでしょう。

オフィシャル・サイト、公式MySPACE もちゃんとあります。
さっき、「昔に比べたら見る影もない」などと、散々なことを言いましたが(汗)、今の写真、なかなか綺麗です。
やっぱ素敵かも。なかなかクールなおばちゃまよ♪ 049.gif

The official website of MARIANNE FAITHFULL

The Official Marianne Faithfull MySpace
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by marikzio | 2010-02-17 15:52 | Movie | Comments(2)

Tiziano Ferro "Alla Mia Età Live in Rome"
入手してから、もう2ヶ月以上経ってしまいましたが...、レビューを書かせて頂きたいと思います。
Tiziano Ferro、初のリリースDVD "Alla Mia Età Live in Rome"。
昨年9月、ローマ、Stadio Olimpicoでのライブ模様を収録。巨大アリーナで数万人のファンを前に堂々たるパフォーマンス。早くも大物アーチストの風格を見せつけてくれてます。

b0069502_0143626.jpgTRACKLIST:
“La tua vita non passerà”
“Stop dimentica”
“Olimpiade”
“La paura non esiste”
“Imbranato”
“Indietro”
“Rosso relativo”
“Ed ero contentissimo”
“Ti voglio bene”
“La traversata dell'estate”
“Xdono”
“Il re di chi ama troppo”
(feat. Fiorella Mannoia)
“Sere nere”
“E fuori è buio”
“E' assurdo pensare”
“Per un po' sparirò”
“Il tempo stesso”
“Non ti scordar mai di me”
“Xverso”
“Raffaella è mia”
“Scivoli di nuovo”
“Ti scatterò una foto”
“Il sole esiste per tutti”
“Il regalo più grande”
“Alla mia età”
“Non me lo so spiegare”
“Tanto pe' cantà”

EXTRA BACKSTAGE LIVE IN ROME 2009

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全27タイトルという、かなりのボリューム。途中、Fiorella Mannoiaをゲストに迎えたり、カバー曲あり、お着替えシーンありでサービス精神満点。1stから最新アルバムまでの美味しいところをバランス良く構成されていて、まさに集大成的なステージ。照明、演出、アレンジ、カメラワーク、どれもダイナミックで目が離せません。歌唱にもふんだんにフェイクが入って見せ方をわかっているというか。彼のMC、すんごい早口ですね。この巻き舌がいかにもイタリアン。

で、私がTizi以上に気になってしまったのが、二人の男性ダンサーの存在。
バックダンサーって言うと、お揃いの衣装を身にまとって、綿密に振り付けされたダンスをまるで軍隊のように踊るイメージが強いですが、彼らは個性も服装もバラバラ。しかもTiziの横で好きなように暴れてる、って感じでしょうか。でも、これがまたアクロバティックで迫力あるんですよね。ほとんど主役を喰っちゃうぐらいの存在感。
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着替えの時間の場つなぎとして披露されたBreakers。見応えあります。



これも決戦型のパフォーマンスが見物。
まさに肉体で語ってます。




やっぱり気になってしまって、彼らのこと調べてしまいました。
私の中で、ジョン・ボンジョビとちょい被る爆発系黒髪の彼は、CICOことMauro Peruzzi 、25歳。スレンダーながらも鍛え抜かれたボディはダンサーというより表現者?

MySpace CICO
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CICOさんと比べて、ひじょーに若く見えたストリート系な彼、同じ25歳だそうです。
Ismael君。顔があまりイタリア人っぽくないとは思いましたが、実はフランス人。
CICOさんは顔とか雰囲気全体が濃ゆ過ぎるので、私的にはIsmael君の方が好みです。フランス人の彼がどういう経緯でTiziと仕事をすることになったのかも気になります。
しかし、タンクトップ姿の彼はCICOさんよりはるかにゴツくてマッチョでした。066.gif

MySpace IsmaeL dancer Hip Hop ( Tiziano ferro tour 2009 )
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ステージの上でのTiziは黒いシャツにTシャツ、タキシード姿になるも、スニーカーのままだったりして、相変わらずあっさりした装い。でも、ドルチェ&ガッパーナなんですよね。伊達男らしくスタイリッシュなスーツ姿でキメて欲しいけど、もともと落ち着き過ぎてるので年相応に見えなくなっちゃいます。Tシャツ姿が一番ほっとするかな?
デビュー当時からずっとスレンダーで王子様みたいだったのに、最近貫禄がついて来た?がっしりしてるほうが歌手っぽいんだけど、もうちょっとスッキリしてもらいたいところ。お腹と背中まわりが少し...(涙)。
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ビデオクリップのイメージらしく、ユニフォーム的なTシャツ。これはよく似合ってます。思わず彼の胸元に目が行ってしまいました。
イタリアのアスリートのユニフォームって、筋肉の美しさを強調してくれるデザインが多いような気がしますね。さすがルネッサンスの国。
そして、Tizianoという、芸術品のような歌うたいを産んでくれてありがとう!伊太利亜053.gif


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by marikzio | 2010-02-10 00:16 | Italian Music | Comments(6)

すっかりご無沙汰してました f(^ー^;
気がついたら、新年明けのNajoua Belyzelの記事以来、1ヶ月以上も放置しておりました...。こんなに間を空けたのは、ブログ人生始まって以来初ではないでしょうか?ブログを開いてくださった皆様、お元気でしたか?

私、実は南極行ってました。

...って言う、一部の人にしか通じない冗談はなしにして(笑)、単に怠慢だっただけです。本読んだり、映画観たり、マイペースに過ごしておりました。いつもどおり元気にやっております。
ブログ・サボタージュ中の一番のビックニュースと言えば、Ryan Molloyの『ライブDVDリリース』&『Jersy Boys続投』情報でしょうか。(Kotoさん、ありがとです)
DVDは、昨年11月、ロンドンのキャバレーで行われたライブ本編とバックステージを収録したものになるようです。
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実はこれ、私にとってはまさにミラクルなお知らせでした。
「手帳に、願望をで書くと、願いが叶う」というおまじないにしたがって、「Ryan MolloyのライブDVDがリリース!」と書いてあったのが、まさに現実になったのです。
ついでに、「ロンドンでRyan Molloyのステージを観る」とも書いておいたので、JB続投が決定した今、不可能ではないかも知れまっせん。

b0069502_18283816.jpgRyanの公式サイト によるとリリース日程はまだ決定しておらず、Shopのページも工事中になってるのですが、近々詳細情報がアナウンスされるのではないでしょうか?
きゃー、楽しみ053.gif



*********************

今年に入ってから、何冊か本を読んでるのですが、最近の中で一番強烈だったのが、桐野夏生さんの『グロテスク』<上・下>ですね。
これ、2003年に出版され、当時話題になったものなので「今更?」と感じる人もいるかも知れませんね。私もこの作品の存在を知らなかったわけではありませんが、「閉鎖的な女子高を舞台に、平凡な姉と美しい妹の愛憎関係を描く」というコンセプトがいかにも陳腐な感じがして敬遠しておりました。それでも何となくは気になってたので、今回手にとってみることにしました。
中身は本当に救いようのない物語というか。自分は救いようのないストーリーの中にも美学というかある種のカタルシスを感じさせてくれるものが好みなんですが、このお話はひたすら底なしの孤独というか、前向きな気持ちを根こそぎ削ぎ落としてしまうような内容だったので、レビューは書きません。ただ、作家のストーリーテラーぶりはなかなかのものでグイグイ読ませます。
この本、古本で1円からだったので、取り寄せてみたのですが、下巻だと思ってた本がカバーの下は上巻になってて(!)、送り直してもらうことになり、早く続きが読みたいのに、何日もお預けをくらったりしてイライラしてしまいました (`ヘ´)

それでもやはり、大まかな筋をば。
ヒロイン達は日本人の母とスイス人の父の間に生まれた二人の姉妹。ハーフでありながらも、地味な容姿の姉と怪物的な美貌で周囲を凌駕し続けてきた妹のユリコ。
この二人が後に、名門のお嬢様学校に進学することになりますが、その女子学園は究極の格差社会。貧乏でダサくてブスな子は容赦なく苛めの対象となります。地味な姉もその一人。そして苛められっ子仲間に、これまた冴えなくて不器用で必死になればなるほど裏目に出る和恵がいました。美貌のユリコはヒエラルキーの上位に昇ることが出来たはずですが、何故か男達の慰み物になる道を本能的に選んでしまう。そのニンフォマニアぶりに反感を覚えつつも羨望の眼差しを向ける和恵。20年後、二人は街で再会します。ユリコも和恵も格下の街娼として。

知ってる人もいらっしゃると思いますが、この作品は10年以上前に話題になった「エリートOL殺人事件」がヒントになってます。
被害者は有名な私立大学を卒業し、大企業に就職した今で言うアラフォーOL。昼は会社勤め、夜は街角に立って客をとっていた、という衝撃的な事実が明るみになり、週刊誌の広告の見出しはしばらくそればっかりだったような気がします。
著者である桐野さんは、その被害者が日本の女子高としては一番難関と言われる私立の名門女子校出身ということに着目して、「これは高校時代のつまずきが尾を引いていたに違いない」という視点で執筆を進めたとか。「この社会のあらゆる差別のすべてをこの作品で書いてやろうと思ったわけです」とご本人は語ってましたが、本編に書かれてることがどれも極端で、「これ、あなたの偏見でしょ?」と思ってしまいました。
特に、「その美しさを目の当たりにすると、いかに自分は無価値な人間であることか」と人に思わしめるほどの輝きを放ったユリコが、「自分は男に体を与えることでしか、生きている意味がない」と言う悟りのもとに行動していく展開はちょっと強引で現実味がないかなぁ、と思いましたし、この学園生活に横たわる階層社会も非常に幼稚でいかにも少女趣味、他にも突っ込みたくなる箇所はいっぱいありました。しかし、この女子学園のモデルになっているらしい実在の高校の卒業生が「あそこは、ほんっとにああだった」と語っているらしく、どうやら全くの虚構ではないようです。
発生当時、エリートOL殺人事件にそれほど関心がなかったし、名門女子校もその存在すら知りませんでしたが、ネットでいろいろ調べまくってしまいましたよ。(別に暇ってわけじゃありません。ヒマってわけじゃ...)

前半はドロドロの少女小説としてそれなりに楽しめました。妖艶なユリコが天命に導かれるようにして売春の世界に入って行く、というエピソードはなかなかエロチックです。後半は読んでて気持ち悪くなるところもあり、あまりにも生々し過ぎて、読み進めるのがつらくなりましたです。実際、いやな夢見ましたよ。でも、ひょっとしてこの世界観、ミレーヌ・ファルメールの"Appelle mon numéro"に近いもんがあるな~と途中で思い、読んでいる間、私の脳内でずっとこの曲が響いておりました。

丼ちゃんによる訳詞 「コールして私のナンバーを」

「レビューは書きません」と言っておきながら、結構長々と語ってしまいました。
以上、軽〜く近況報告でした。
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by marikzio | 2010-02-09 18:48 | Comments(2)


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