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アリゼちゃんのTV出演
今日から、コメント制限を解除してみたいと思います。どうぞ、ご自由に書き込みくださいませ。スパムはもちろんお断りですが。

パリ滞在中、宿泊していたのはマレ〜バスティーユ地区にある小さなホテル。
格安料金というだけあって、狭い部屋でお風呂もシャワーだけ、というのがトホホでしたが一番いただけなかったのはルーム・ナンバーが"44"だったということ。
誕生日が4月8日のせいか昔から何かと4とか8に縁がある自分でしたが、さすがにこれには苦笑いでした。だって"44"って"死死"ですよ!日本じゃ数字の"4"とか"9"とか縁起悪い、ということでその数字のつく部屋ってなかったりするじゃないですか。とは言ってもこの間、出張先で泊まった宿泊施設の部屋が"204"だった...。
う〜ん、私ってやっぱり呪われてる?

って、そんな話はさておき本題に入りましょう。
その44号室でテレビ(チャンネルはTF1)を見ていたら、あちらのトーク番組で何と我らがAlizée が登場。ミレーヌ&ブトナとの決裂や結婚、出産を経て23歳で復帰したアリゼ。その第1段"Psychédélices"を引っさげての登場。
ちょうど風呂あがったばかりでぼーっとしてたのですが、「これはいいお土産になるわい」とばかりにカメラを構えました。
テレビ画面を直接デジカメで録画したので画質、音質は最悪です。You Tube やDaily motionではもっとクリアなものが見られますが、ここは皆さんもパリのホテルでまったりテレビを見ているような気分でご覧くださいませ♪



テレビの画面をよ〜くご覧になるとわかりますが、部屋の後ろのバスルームの明かりとカメラを構える私の姿が移ってます。ルーム44だからと言って幽霊が写ってるわけではありませんよ。
この動画には入ってませんが、アリゼちゃんはこの司会のオッさんに紹介された時、挨拶代わりにこのオヤジの口にチュッとしてました。いくら欧米社会でキスは挨拶がわりと言っても、アリゼちゃんだってほんとはやりたくなかったと思います。力関係なのでしょうか?フランスの芸能界もいろいろと辛いのですね。
このトークショーには本国フランスでブレイク中の新人YELLEも出演していて、動画にもチラッと出て来ます。
アリゼちゃんの後で彼女のインタビューがあったのですが、ワタクシ、彼女のことを最初一般のお嬢さんだと思ってました。まだ芸能界のアカに染まりきってない純朴な感じを受けました。
ちなみにYELLEちゃんのことは ワンダー獅子狗さん がフィーチャーしてます。

話はアリゼちゃんに戻りますが、アリゼちゃんと言えば、やはりミレーヌ・ファルメール。フランス語だったので良くわかりませんが、かつての恩師のことをいろいろ突っ込まれていたようで、それでもソツなく受け答えしてました。
そうしているうちに変な太ったおじさんが赤毛のカツラを被り人形みたいな白塗り化粧で出て来ました。西川きよし師匠のようにギョロっと目を剥き出し、おかしな奇声を張り上げて歌い始めました。どうやらミレーヌをパロってるらしいです。その調子っぱずれな歌声にアリゼちゃん大ウケしてましたね。なんか大物の余裕です。これも撮れば良かったかしら?
最後にまた、この司会のエロ親父の奴、「背中に例の妖精はいるの?」と聞いて(アルバムのブックレットに背中が大きく開いた大胆なショットがあって、彼女の背中に有名なキャラクターが描かれていた)、アリゼちゃんは客席に背中を向けて、タンクトップを少しずらして大サービス。妖精さんを背中にしょってました。

そしてお次は第何期かわからないけど、フランス版スター誕生の『Star Academy』。
だいぶ前にドル箱番組だ、と聞いてましたが依然として大人気なのでしょうか?現地でリアルタイムに見るのは初めてです。
参加者が毎週、視聴者投票によって振り落とされて最後に残った覇者が大手レーベルでデビュー出来るんですね。ミレーヌのコンサートでもキーボード弾いていた Yvan Cassar(あの葉加瀬太郎みたいな風貌の人)がコメンテーターとして何か喋ってました。
そのスタアカでは参加者なんだかすでにデビュー果たしてる人なんだかわかりませんが、有名な歌手をゲストに迎えて一緒に歌わせるのが見物の一つになっています。
この彼と一緒に歌うのはあの有名な歌姫です。その歌姫というのはお隣国のお方です。
さて、そのイタリエンヌとは?



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by marikzio | 2008-01-28 22:57 | 小さな目で見たParis | Comments(6)

Château de Versailles
4度目のパリにして、実はまだヴェルサイユ宮殿に行ったことがありませんでした。
団体ツアーなら必ずと言っていいほど組まれている定番中の定番スポットなのですが、私はツアーを利用しないでパリ旅行してたので、パリ郊外まで行くのは億劫でなかなか足が向きませんでした。
でも、やっぱりフランスを語るのにヴェルサイユ宮殿は外せないでしょう。
アニメ『シュバリエ』でもヴェルサイユ宮殿が登場するし、ソフィア・コッポラの『マリー・アントワネット』はオール宮廷でのロケ。
よし、今度こそヴェルサイユ訪問をキメよう。

ところが自分の足で現地に行くというのが思ったより困難なようなのです。
一般にはパリ郊外を走るRERのC5号線で30分程度で行けることになっていますが、このRERというのがストや工事で止まってしまうことがよくあると言う。しかも雰囲気的にあまり良くなくてトラブルもあるとか。
そのうえ超有名スポットのヴェルサイユのこと、無事に現地に着いても、ピーク時にはチケット売り場で2時間待ちというのも珍しくないらしい...。
現地でモン・サン・ミッシェル行きが決まった時点でヴェルサイユはまた今度にしよう、と思い直しました。あちこち見て廻るのも有意義だけど、大好きなパリを満喫する時間も削りたくない。
ところが、モン・サン・ミッシェル観光のガイドさんの一言で私の心は揺らぎます。
「今、ヴェルサイユに行った方が絶対お得ですよ。鏡の回廊の修復工事も終わったし、純銀製の家具も展示されてるんです。」
これを聞いて、私は「よし、明日ヴェルサイユに行って来よう」と決めたわけです。

ヴェルサイユ観光のポイントは...
「アクセス・ルートを2つ以上押さえておいて、何かあっても臨機応変に対応出来るようにしておく」
「入場チケットは現地に行く前に入手しておく。往復切符+入場チケットがセットになったコンビ券フォルフェ・ヴェルサイユが便利」
「団体ツアーの関係で混雑し始めるのが9時半頃なので、9時頃には着いておきたい」
「宮殿や歴史的背景について予習をして行く。何の予備知識もないと見ても何が何だかわからない」
「各言語対応のオーディオ・ガイドを有料で貸し出している」
etc...


参考ページ : [フランス・ツーリズム旅行情報局]
ヴェルサイユ宮殿基本ナビ

私はコンビ券どころが入場チケットも入手していませんでしたが、とりあえず早めに行けばなんとかなるだろう、ということで8時にホテルを出ました。
心配していたストも工事もなく、RER線であっさりヴェルサイユに到着してしまいました。宮殿はヴェルサイユ・リヴ・ゴーシュ駅からあるいて10分程度。
「感動の記念撮影を」と思いましたが、前庭は工事中でど真ん中に大きなクレーン車が居座ってたので写真は撮りませんでした。
並ばずにチケットを購入し、エントランスへ。日本語のオーディオ・ガイドを6ユーロで借りました。
宮殿内に入ったら、あちこち写真を撮ってやろうと思ってましたが、特別展示は撮影禁止のようでした。
ガイドさんが言っていた純銀製の椅子や机は素晴らしく、まさに一見ならぬ二見、三見の価値がありました。なんでこんな高価な貴金属で大きな調度品を作ったのかというと、宮殿内を飾り立てて、自分の権力の大きさをひけらかす目的のほかに、財政困難になった時に溶かしてお金に換えられる、という用途があったからと言われています。
事実、玉座など多くの銀細工が溶かされていたそうだし、今ここで私たちが拝ませてもらっているのは、その憂き目を逃れて生き残ったものなのだそうです。フランス革命から220余年、数世紀を経て錆び付きもせず、今もなお我々の前で輝くその姿は感動的です。
オーディオ・ガイドに導かれるままに「豊穣の間」、「ヴィーナスの間」、「戦争の間」など進んで行きましたが、ついに"あの場所"へ到達!
この宮殿のハイライトとでも言うべき「鏡の回廊」です。ここではみんな自由に記念撮影してました。
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お約束の動画です♪
鏡の中に私の姿がちょこっとだけ登場してます。



回廊の奥は玉座でござい〜♪
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このオブジェ、本物ではございません。写真というか絵でした...。
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「国王の寝室」
フラッシュをたけなかったので、あまり綺麗に撮れませんでした。「鏡の回廊」以外に撮影したのはここだけです。
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「王妃の寝室」は豪華ながらもモダンでどこか可愛らしい。マリー・アントワネットは派手で浪費好きだったと伝えられていますが趣味は洗練されてて素敵な女性だったと思います。フランスの貴族女がエレガントでお洒落になったのもオーストリア出身の彼女の功績が大きかったのではないでしょうか。隠しドアがちょっとだけ開かれてあって、革命が勃発した時はここから逃げようとしたのでしょうね。
王と王妃が食事をした「大膳式の間」は思ったより小さくて意外でした。
ほとんど駆け足気味のヴェルサイユ見学でしたが、今度フランスに来た時は一日がかりでゆっくり見て行きたいですね。
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ブリュージュ、モン・サン・ミッシェル、そしてヴェルサイユ宮殿と今回のおバカンス紀行のハイライト部分はこれでおしまいです。
この後はパリの残り汁的記事が少し続きます。"残り汁的"と言っても、いいダシ出てるものもあります。(←なんじゃそりゃ???)
もうしばらく、私の旅話にお付き合いくださいませ。
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by marikzio | 2008-01-24 19:37 | Parisからのエクスカーション | Comments(2)

Mont-Saint-Michel (その2)
西のテラスからまず入るのは修道院付属の教会。祭壇側が修復工事中で、あまりきれいに撮れなかったので写真は小さく貼りました。
教会建築は11世紀に始まりましたが数世紀の間に再建されたりしているのでロマネスク様式とゴシック様式が混在しており、一つの空間の中に時代の流れを感じることが出来ます。尖塔の上には黄金の聖ミカエル像が輝き、礼拝堂の中にもミカエル像がいます。
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修道院部分は教会の北側にあります。
修道院の棟に入って一番最初に出てくるのがここ、列柱廊。自分はイスラム風の回廊みたいだと思いました。
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ここは僧侶たちが祈りを捧げたり、瞑想にふけったりした神聖な場所であり、俗人は立ち入ることが出来なかったそうです。天上の精神世界、とも言うべきでしょうか。
中庭は天国を象徴。しかし、ここで栽培されていたのは野菜とか薬草という実用的なもの。当時の教会ではどこでも薬草が作られていて、体調を崩した巡礼者たちを癒していたそうです。
「花が咲き乱れ、鳥がチュンチュン鳴いて、裸の女性の彫刻があるお庭はもっと後の時代です」
増築の予定があったのが、ドアも壁もなくガラス張りになっている部分がありました。
ガラスの向こうはほぼ絶壁状態で修道院の壁とか海とか丸見えになってて怖いです。
「安全のためガラス張りになってます。ここから落ちたら天国に行ってしまいますからね」
列柱と天井の間の梁のような部分にはほとんど風化してしまったレリーフが。
「柱がボロボロになって来てますね。そろそろ、ここも修復工事に入るでしょう。」
修復工事に入る前にここを見ることが出来て良かったと思いました。

動画もどーぞ♪


列柱廊のお隣は食堂です。
食堂は3つあって、最上層の食堂は聖職者専用の間。この食堂の真下には貴族など上級の来賓を迎える「迎賓の間」があり、もう一つは巡礼者に簡単な食事を施す部屋がありました。この食堂には暖炉などありません。当時、暖房は贅沢なものとされていました。
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これが迎賓の間。大事なお客が来ると豪華な食事でおもてなししたそうです。
今は何の調度品もなくがら〜んとしてますが、記録によるとこのうえもなく典雅なお部屋だったのだとか。しかし、フランス革命によりここにも暴徒たちが押し寄せ、美しいものや高価なものは持ち逃げされたり破壊されてしまいました。
それでも、空間としては実にエレガント。細めの柱とか、細長い窓の形、アーチ型の天井、上のストイックな食堂とは明らかに趣向が違いますね。
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b0069502_21212868.jpgこの間には暖炉が2つあります。
左(←)の写真は暖炉の下から煙突を覗いてみたところ。
この修道院には必要に応じて暖炉がある場所がありました。それは厨房、この迎賓の間、そして「騎士の間」です。
「騎士の間」とは修道士たちが写本などの作業をしていた部屋。印刷技術がなくすべて手書きで書き写していた書物はとても貴重なもの。気温が低すぎると本が傷むということで、品質管理のために「騎士の間」には暖炉が設置されていました。

オベール司教を啓発する大天使ミカエル。
オベール司教の額に穴を開け、自分のお告げを伝えたミカエルですが、モン・サン・ミッシェル周辺で頭部に穴の開いた頭蓋骨が発見されて大騒ぎとなりました。専門家がいろいろ調べてみた結果、「骸骨は石器時代の人のもの」と発表されました。
「ミカエル伝説の証拠」が立証できなくてみんながっかり。
ミカエルはガブリエル、ラファエルと並んで3大大天使の一人とされ、守護神的存在としてヨーロッパの到るところで崇拝されています。
ミカエルと言えば、神に逆らい堕天使となったルシファー(サタン)を倒したエピソードが有名ですが、そのルシファーとミカエルは双子の兄弟でもあると言われています。
天使の軍団長ミカエル様、自分的には恰幅のいい将軍様のようなイメージでしたが結構若くて格好良く描かれてます。
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b0069502_2122634.jpgテレビでも見かけたことありませんか?
「モン・サン・ミッシェルの車輪」
下界と自由に行き来出来なかった修道士たちはこれを使って、水とか食料とかその他の物資を持ち上げていました。この車輪も当然、"人力"で、数人の修道士が車輪を回していました。
それ以外にも天井に穴が開けられていて、その穴から紐を垂らして下の階の部屋から物資のやり取りをするという工夫もされていたそうな。

途中から写真を撮るのをやめてしまいましたが、各礼拝堂や「修道僧の遊歩道」そして「騎士の間」など他にも見所はいっぱいです。
モン・サン・ミッシェルの修道院は花崗岩の岩山を包み込むように建てられています。傾斜した岩の形を考慮した設計、天井の重量を少なくするために天井は木製でボートの底をひっくり返したような形にするなど他の教会や修道院には見られない独特なスタイル。当時の技術の高さには感服いたしますね。

修道院見学を終えて外の世界に出て来ました。
手前に見える民家っぽい建物はレストランだったでしょうか?この島全体が中世時代にタイムスリップしたかのよう。
実はツアーには日帰りコースとホテル確約お泊まりコースの2パターンあるのです。宿泊客はライトアップされた修道院をバックにこの古い街並みを散策し、早朝は満ち潮が見られるのだそうです。自分は時間とお金が勿体ないので日帰りで精一杯でしたが、宿泊する人も結構いらっしゃいました。
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母をがっかりさせたグラン・リュ。
でもこうして見るとなかなか味があって悪くありません。
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集合時間までつかの間の自由時間。
絵はがきを買い、郵便局で母と友人に宛てて書いてるうちに時間がなくなってしまいました。長距離ドライブなのにトイレにさえ行ってません。
「はっ、サン・ピエール教会をまだ観てないっ!」
サン・ピエール教会は岩山を掘って洞窟内に作った珍しい教会。観光の穴場、と"るるぶ"に書かれていたので、是非観ておこうと思ってたのです。
そう言えば、坂道の途中にあったような。
大慌てで降りてきた坂道を駆け上る。小さなサン・ピエール教会もまた修復工事中のようで、入り口のところに白いシートがかかっていてためらいましたが、中には入れるようでした。このシートのせいで入り口横にあるジャンヌ・ダルクの像に気づきませんでした。(涙)
ジャンヌ・ダルク嬢もまた大天使ミカエルに導かれたそうな。

この動画は出発直前に教会内に駆け込んだ私が急いで撮影したものです。
よっぽど慌てていたのか、焦点がちゃんと絞られてないというか何を撮りたいのかよくわからないような出来でした。でも、魅惑のミカエル様はちゃんと写りこんでます。



帰国してから数日後、モン・サン・ミッシェルから便りを出した友人からメールが来ました。

「絵はがき届いたよ。きゃーっ、モン・サン・ミッシェル行ったんだ!私も一度は行ってみたいと思ってたの。モン・サン・ミッシェルって神秘的でロマンチックでとにかく素敵なところだよねっ!」

ほら、ここにもモン・サン・ミッシェルに恋い焦がれる女がいたのである。

Mont-Saint-Michel(その1)
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by marikzio | 2008-01-22 21:22 | Parisからのエクスカーション | Comments(0)

Mont-Saint-Michel (その1)
- もん・さん・みっしぇる -
海に囲まれた岩山に屹立する中世の修道院。
その神秘的な奇景を初めて見たのは某旅行会社のパンフレットの中にある1枚の写真。
まるで童話や絵本の中の世界からそのまま抜け出して来たような完璧な姿に衝撃を受けました。
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画像元 世界遺産旅行ガイド モン・サン・ミッシェル

「一度でいいから行ってみたい」と思っているものの、いざフランスにやってくると、パリ観光だけで一杯一杯。とてもモン・サン・ミッシェルまでは手が廻らない。
モン・サン行きの日帰りコースは早朝に出発して往復10時間弱のバス移動という強行ツアー。代金も結構なお値段なので、ついつい二の足を踏んでしまいます。
「いつか自分の足で行ってやる」とは思っていたものの、一体いつになることやら。
「それなら、今回行ってやろう!」現地に来て不意に思いついたモンサン行き。ツアーは苦手だったけど、何の下準備もして来なかったんだから仕方がない。パリ滞在2日目、オペラ座近くのマイバス社カウンターで「モン・サン・ミッシェル1日観光」を申し込んでしまいました。

「現地滞在より移動時間の方がはるかに長いツアーに参加するような物好きはmarikzioぐらいのものねっ!ひょっとしたら参加者は4、5人程度で小さなバスで行くんじゃないだろうか?」
そう思いながら、マイバス社のオフィスについたのは7時前。受付の女性には出発時刻の15分前には来て下さい。つまり7時15分ですね」と言われていましたが、マイバス社はまだ閉まっていました。オフィス前には同じツアーの参加者と思われる2組のカップルがウロウロ。そうしているうちに、マイバス社のシャッターが上がり、それから続々と参加者が集まって来ました。「7時15分までには」と言われてたのに、時間ギリギリになって駆け込んで来る人もいました。
総勢30名だったので大型バス。ガイドさんはベテラン風の女性。まだパリは薄暗い中、運転手が2人乗り込み、ガイドさんの元気のいい挨拶で出発!
バスはコンコルド広場を通り、シャンゼリゼ大通りを抜け、凱旋門をくぐって有名人しか住めないような超高級住宅地区を走って行きます。
ガイドさんは滑舌のいい軽快なトークでコンコルド広場にある像やオベリスク、凱旋門についていろいろ細かく語ってくれるので興味深かったです。たまにはガイド付きのツアーもいいかも。
30名だなんて参加者が思ったより多いな、と思ったのですが、年末年始の時はなんと30人乗りのバスが6台出たそうです。(うぎゃー)
「幸い私はその時期、行かなかったんですけど。100人以上の参加者抱えて、レストランの席取りとかトイレとかのことを考えると考えただけで気が遠くなっちゃう。現地のスタッフはお口あんぐりよ。日本人はどれだけモン・サン・ミッシェル好きなんだ。ロワール地方の古城だってあるのに、何故にモン・サン・ミッシェルなんでしょうね。」
「テレビのCMでモン・サン・ミッシェルが出て来るんですよ」一人のマダムが発言しました。
「ふうん、そうなの。10年くらい前にもね、車のCMにモン・サン・ミッシェルが使われて、それから日本人観光客が急激に増えたんですね。車のメーカーがどこだったのかはみんな忘れてしまったけれど、モン・サン・ミッシェルだけは強烈に覚えられてる」
私の中でモン・サン・ミッシェルはマイナーな観光地だったのですが(旅行会社のパンフレットに載ってる時点でマイナーではない)、母が「モン・サン・ミッシェルってどんなところなんだろうね」と言い出したのでビックリしたものです。どうやらテレビの紀行番組などでよく取り上げられているらしい。「行って見たい世界遺産ランキング」でベスト3に入った、とも聞いた。ちなみに1位はペルーのマチュ・ピチュ。
そう言えば、アニメの中でモン・サン・ミッシェルが登場したのを見たことがあるし、数年前に土曜ワイド劇場でフランスロケをした回があって、中村江里子さんや高島礼子さんが出演していました。その時の舞台がパリとモン・サン・ミッシェルだったのです。そういえばモン・サン・ミッシェルはジブリの『天空の城ラピュタ』のお城のモデルでもあるそうな。
「日本ではモン・サン・ミッシェル売れ売れなんですね」とガイドさんがコメントした通り、モン・サン・ミッシェルに憧れる日本人は実に多かったのです。
だから「1度でいいからモン・サン・ミッシェルに行ってみたい」と思っていたのはmarikzioだけではなかったのである。今更、という感じですが。
「あっ、あれはライバル社のバスだわ」
我々を追い越して走って行くバスを指してガイドさんが言いました。「あの方々もモン・サン・ミッシェルに行くのね」
「こっちより乗ってるじゃん」と誰かが言ってはいけないことを言いました。
ちなみに母はあまりにも頻繁にテレビに出て来るので、モン・サン・ミッシェルにさほど神通力を感じなくなってしまいました。その上、島の中にお土産屋さんが立ち並ぶいかにも観光化した通りを見てしまった時、「なぁ〜んだ」と興醒めしてしまったそうです。確かに似たような思いを自分も感じたことはあります。城壁と海に囲まれたモン・サン・ミッシェルは俗世間とはかけ離れた孤高の聖地、というイメージが強かったので、狭い坂道にホテルやレストランでひしめいている様を見た時は自分の思い込みがいかに強かったかを悟ったものです。

バスはパリ郊外を抜け、高速道路に入りました。移動中はひたすら寝てればいいと思っていたのですがこのガイドさん喋る喋る。あちこちで見かける宿り木についてのお話やフランスで社会問題になっていること、「ナントカ地方に二泊三日で出かけるツアーとか結構メニューてんこ盛りだったのに参加者が少なくてみんな企画が蒸発してしまった。やっぱりフランスに来る人はパリ観光で精一杯なんですね。のんびり田舎になんか行ってられない」などいろんなエピソードを話してくれました。
「さて、今日はこれから到着する前にモン・サン・ミッシェルの歴史的背景とか百年戦争とかいろいろお話がありますからね」
おお、それは大変!寝てなんかいられません。
出発してから2時間後にドライブインでトイレ休憩。その後、不覚にも少しウトウトしてしまいましたが、ガイドさんによる大天使ミカエルの降臨とかベネディクト派修道会とか、百年戦争とかジャンヌ・ダルクとか第2次世界大戦中のノルマンディー上陸作戦のお話、百年戦争にからむ人物の離婚・再婚問題からサルコジ大統領とカルラ・ブルーニの色恋沙汰に話題が飛びながらも、ついに憧れのモン・サン・ミッシェルに到着。
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写真だけでは飽きたらず動画まで撮ってしまいました。到着時は引き潮でしたが、海水でヒタヒタになった部分を歩かないように、と注意されました。底なし沼のように足が沈んでしまい、靴がベトベトになってしまうそうです。その足で車内を歩かれるのが運転手さんは一番嫌いなそうです。


現地についたらまず食事。島の中にあるオーベルジュ・サン・ピエールというホテルも兼ねてるレストランで名物シードル付きのお食事。ちなみにメニューはオムレツではありません。ツアー参加者がまだほんの数人だった頃はオムレツを出してもらっていたそうですが、今の状況でオムレツを出すのは無理と判断されたそうです。
何しろモン・サン・ミッシェル風のオムレツは卵3個をメレンゲのようにふわーっと泡立てて焼いた超特大オムレツ。これは作り置きが出来ないものなので、短時間で大人数分のオムレツを用意することになるのだから出来は保証できません。
ちなみに、そのオムレツで有名なラ・メール・プラールは島に入ってすぐ。名物メニューは何と30ユーロ(4,800円相当)。このモン・サン式オムレツは、はるばる遠方から、それも命がけでやって来た巡礼者たちの空腹を満たすために風船のように膨らませて作ったのが始まり。でも、実際に食べた人によると薄味過ぎて必ずしも美味しいというわけでもないようです。
「ここのオムレツが有名なのは美味しいから、というより珍しいからですよ」
オーベルジュ・サンピエールのレストランの天井ではどこから入ってくるのか雀が巣を作って飛び回っていてびっくり。食事はシードル酒(アルコールがダメな人はりんごジュース)、スープ、魚のメインディッシュとリンゴのタルトでした。可もなく不可もなくという感じでしたが、バスの中でサンドイッチを軽く食べただけだったのでペロリと平らげてしまいました。

b0069502_16181387.jpgお土産屋さんがひしめくグラン・リュは "大きな通りという意味" に反して、車も通れないような狭い坂道。やっぱり日本人の団体客の姿が目立ちます。
その坂道を登って行くと、大階段という長い長い石の階段をひたすら登ります。この階段がまた心臓破りのハードなもの。しかし、モン・サン・ミッシェルが最も混雑する夏のピーク時にはこの階段にも人がずらっと並んで思うように進めないらしい。

発祥から現在に至るまで、このモン・サン・ミッシェルの歴史は数奇で複雑な運命に彩られています。
フランスの司教オベールの夢の中に大天使ミカエルが現れ、「ノルマンディー地方にある岩山に教会を建てよ」とお告げを下します。それ以来、ミカエルは何度となくオベール司教の夢枕に現れましたが、オベール自身は「これはただの夢だ」と思いこんでいました。そんなオベールに業を煮やした大天使ミカエルは「これでもわからぬか!」とオベールの額に指を置き、そこに穴を開けてしまいました。目覚めたオベールは自分のおでこに穴が開いてるのを発見。ようやく夢に出て来たミカエルのお告げが本物だと確信し、708年、大天使を奉る聖堂がトンブ山に建設されました。
トンブ山に建設された教会は大規模な巡礼地となり、ベネディクト派の修道僧達が居を構える修道院へと発展します。そして14世紀に英国との百年戦争が始まり、このモン・サン・ミッシェルは難攻不落の要塞として軍事的役割を担うことになりました。
富と権力で肥えたベネディクト派の僧侶が華美に着飾った時代もありましたが、フランス革命の勃発により散会。その後、この修道院は長きに渡って監獄として使われることとなりました。入所者第1号は僧侶だったとか。輝かしき栄華を誇ったモン・サン・ミッシェルは暗黒の牢獄として、退廃の一途を辿り、もはや修道院の中はボロボロ。
しかし、大作家のビクトル・ユーゴーが「モン・サン・ミッシェルはまさしくフランスのピラミッド。これほど歴史的価値のある場所を牢獄として使っているなんて、実に勿体ないことだ!」と直訴し、これをきっかけに監獄としての歴史も終わります。1874年、歴史建造物に指定され、大がかりな修復工事が始められ現在に至ります。そして、1979年、ユネスコの世界遺産に指定されました。

b0069502_1618268.jpg「私の知り合いのフランス人一家が、モン・サン・ミッシェルでも見学しようと入場券を買い、堂内に入って行きました。ところが中を見てビックリ。な〜んにもない。石の壁と暗くてがらんとした空間があるだけ。なんなんだこりゃ、と文句ブーブー。それを聞いて、私、思いました。モン・サン・ミッシェルに来るからにはもうちょっとお勉強して来るべきね」とガイドさん。
「中世時代のお城というのは要塞なのよ。豪華絢爛な宮廷文化が栄えるのはもっと後になってから。時代が違うのです。」
それを聞いて初めて私も納得しました。お城というと華やかな衣装に身を包んだ貴族達が贅沢三昧に暮らすというイメージがある一方で、モン・サン・ミッシェルのように牢獄として使われるお城もある。この落差は何なんだろう?という漠然とした疑問があったのですが、なるほどそういうことだったのか。
このモン・サン・ミッシェルが堅牢な城壁に囲まれているのも、狭くて曲がりくねった階段があるのも、侵入された時に敵の兵隊が責めづらいように計算されていたからです。まさに世は戦国時代だったのですね。
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尖塔には大天使ミカエル像。
神に刃向かって天使から悪魔に堕落したルシファー(サタン)を打ち倒したと旧約聖書外典や新訳聖書に書かれています。ミカエルが悪魔の象徴である蛇や竜を踏みつけている像をよく見かけます。キリスト教世界のヒーロー的存在?
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大階段を上りきったところに広がる西のテラス。ここから湾の眺望が望めます。
「ここは写真スポットよ!」ということで、私も他の参加者に写真を撮ってもらいましたが、とても風の強い日だったので髪は空中に舞ってるし、「吹き飛ばされないように必死で踏ん張ってます」感ありありの足もと、正直言って記念写真を撮るのに適したところとは思えません。(涙)
ノルマンディーは年間を通して曇り空。このどんよりしたお天気が地元民の気質にも反映されるのか、何を聞かれても白黒はっきりしないような曖昧な答え方をする人をフランス人は「ノルマンディー的答え方」と揶揄するそうです。
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修道院時代、陸から岩山に向かう途中、満ち潮に呑まれて命を落とす巡礼者達が大勢いました。「モン・サン・ミッシェル行くなら遺書を書いて行け」と言われるほど。
現在は陸と山との間に道路が出来て危険を冒すようなことはなくなりましたが、この道路が潮の流れを堰き止め、砂が堆積しやすくなったため、あの神秘的な外観が損なわれるようになって来ました。
しかし怪我の功名というか、この辺りは滋味豊かなムール貝が採れるし、砂浜に生えるミネラルたっぷりの草をハミハミして育った羊ちゃんのお肉が、調味料がいらないほど塩気があって絶品なのだとか。そんな塩分の高い肉なんて、あんまり体に良くないのでは?という気もしますけどね。
この道路は将来的に取り払われ、変わりに陸と山をつなぐ橋が架けられることが計画されているそうです。
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さて、次回はいよいよ修道院の中に突入しまーす♪

Mont-Saint-Michel(その2)
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by marikzio | 2008-01-21 16:25 | Parisからのエクスカーション | Comments(0)

ブリュッセルのグラン・プラス(その2)
私が「ブリュッセルに行こう」と思ったのは、この方のブログの記事を読んだのがきっかけかも知れません。
パリで活躍している日本人ユニット Les Romanesques のロマネスク宮前さんが書かれている公式ブログ『ボンズール・ブログ/小粋にシルブプレ』より

ベルギー王国その1

ベルギー王国その2

b0069502_20173091.jpg「パリから1時間30足らずで行ける」という地理的条件に加え、「ビールがうまい」、「魚介類がうまい」という言葉に心を動かされた私。もちろん、それ以外にも「自分の好きな作家アメリ・ノトンさんの出身地」、「オードリー・ヘップバーンの出身地」、「フラワー・カーペットで有名なグラン・プラス広場」などそれ以外にも興味惹かれる要素はありました。あと、ブリュッセルはリオ&エレナ姉妹がポルトガルからベルギーに移住した少女時代を過ごしたところでもあるそうです。
左←の写真は「ベルギーの食い倒れ横町」ことイロ・サクレ地区。お昼前だったせいか、人通りはまだそんなに多くありませんが、この通りを歩いているだけで片言の日本語で「イラッシャイマセ」、「オイシイヨ!」と呼び込みがかかりました。

朝食も食べずにホテルを出て来たとあって、もうお腹ペコペコ。ベルギーに来たからにゃ、名物料理を頂こうとばかりにムール貝で有名な Chez Léon にいそいそと駆け込みました。
私がオーダーしたのは、レオン特製ビールと前菜、そして主役のムール貝白ワイン蒸しがセットになった定食メニュー。
この鍋一杯のムール貝すごいですね。でも口にするのは貝の身なので、実際はそれほど大変な量でもなかったのですが、前菜料理と合わせてかなり食べ応えありました。
初めて口にするベルギー・ビールはフルーティな口当たりで飲みやすかったです。ムール貝に蒸し焼きは味付けは薄かったのですが、貝も新鮮で薬味のお野菜がたっぷりだったのがうれしかったです。ムール貝にはフレンチフライ、というのが定番なようです。
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b0069502_20122050.jpgお腹がいっぱいになったところでグラン・プラス周辺の街を散策。
ありふれたお土産屋さん風のお店もあれば、「こんなモノ誰が買うんだろう?」というような、いかにも高級そうな装飾品のお店もあります。ショー・ウィンドウでお戯れな記念撮影をする観光客もいました。
グラン・プラス周辺の通りはどこも美しい。石畳とか旧市街風な佇まいとか、こういう光景って、ヨーロッパではどこでもあるものなのに、東洋人の私としてはこれに出くわす度に感激してしまうものなのです。
しかし、ひたすら歩き回っていても疲れるだけだし、喉は渇くし、ということでお茶出来るところを捜したのですが、カフェやサロン・ド・テがなかなか見つからない。自分が捜せなかっただけかも知れませんが。ビール・カフェはあったけど「ビールをもう1杯」というほどの気分でもないし。

これはヨーロッパ最古のショッピング・アーケードと言われるギャルリー・サンチュベール。ガラスのドーム天井とか、装飾の彫刻が芸術的でステキ。ここも高そうなお店ばっかりでしたわ...。
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このアーケード内にあった本屋。入店してみましたが、ちょっとエロチックな(?)写真集的書籍が多かったです。荒木義経の本もありました。古本なんでしょうか?
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b0069502_22424469.jpgギャルリー・サンチュベールの端っこにあった庶民的なカフェに入り、カシス・シャーベットとアイス・ティーをオーダー。シャーベットは巨大で激甘、アイス・ティーはなんとリプトン社の瓶入りレモンティーでした...。
渇きを癒したたかったのに、シャーベットとレモンティーで口の中がよけい甘ったるくなってしまい、エビアンを頼んでおけば良かったと後悔しました。こういう時は日本が恋しくなります。

ベルギー名物と言えば、やはりチョコレート。
こんなショーウィンドウに出会いました。チョコレートの滝というか噴水?
ベルギーのチョコと言えば、日本であまりにも有名なゴディバ。しかし、私はゴディバは高いばっかりでそれほど美味しいとは思いません。地元の人は安くて美味しいチョコを食べてるのではないでしょうか。
自分がお土産に買ったのはプラネット・チョコレート。デザインも斬新でお洒落、味も好評でした。
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帰りのタリスの出発時刻は18時過ぎ。夕方5時過ぎにもなれば、グラン・プラスはライトアップされてさぞかし美しい光景を拝めるに違いない、と思っていましたが3時過ぎぐらいでパリのホテルに帰りたくなって来ました。いくら素敵な街並みでもあてもなく彷徨っていれば時間も持て余すし、余分なお金があるわけでもないのでショッピング三昧をするわけにもいきません。
こんな時に便利なのは教会。誰でも無料で入れるし、椅子がいっぱい並んでるし、静かなので、しばらくぼーっとすることが出来ます。
って、教会をそんなことに利用してはマリア様やキリスト様に失礼なのは百も承知なのですが、どうかこの彷徨える旅人にご慈悲を。
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教会を出て、また通りを歩いていたら可愛らしいスープ屋さんを発見。先ほどの激甘シャーベットとレモンティーが不満だった私は暖かいスープで今度こそ疲れた体を癒そうとドアをくぐりました。
ちょっとスパイシーな味付けのブロッコリーのスープでようやく一息。やっと自分が求めていたものを与えられたというか。
結局グラン・プラスを後にしたのは4時。駅についたとしても1時間以上の待ち時間があったけど、さすがに体力的にも限界。こんなことなら時間配分を考えてグランプラスから徒歩20分くらいの距離にある王宮にも足を伸ばせば良かった。
でも、自分なりにブリュッセルの街を堪能出来たので満足満足。

ブリュッセルのグラン・プラス(その1)
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by marikzio | 2008-01-20 20:13 | Parisからのエクスカーション | Comments(0)

ブリュッセルのグラン・プラス(その1)
ベルギーの首都、ブリュッセルはパリ北駅からタリスで約1時間半。
「列車で国境越えしてみよう」と思った私は日帰りブリュッセルすることにしました。
タリス(Thalys)とはフランス・ベルギー・オランダ・ドイツの4カ国を結ぶ高速列車。ブリュッセル行きのタリスはパリ北駅を出発しブリュッセル南駅までノンストップで走ります。
朝7時55分発に乗るため6時半にはホテルを出た私。朝8時過ぎでもまだ薄暗い冬のパリ、深夜と早朝のメトロは人が少なくて危険と聞いていた私はタクシーで北駅まで行こうかと迷いましたが、「その時間帯は通勤ラッシュです」とRimbeauさんが教えてくれたので、思い切ってメトロを使うことにしました。
北駅についたのは7時前。「早朝だから便が少ないかも」とかいろいろ考えて早めに出たのですが、もうちょっとゆっくりしても大丈夫だったかな。
7時半頃には私が乗るタリスがホームに入って来たので、早速チケット片手に乗り込む。チケットはフランス入りしてから現地で購入しようかとも思いましたが、SNCFのサイトで片道25ユーロという格安チケットがあったので、それを購入し、パソコンの画面からバーコード付きのチケットをプリントアウトして持って行きました。
早朝タリスはビジネスマン風の客が多かったです。私の隣に座った男性もパソコンを取り出してメール・チェックとか何かしてました。
外はなかなか明るくならなくて窓から流れる景色を楽しむことが出来なかったのですが、9時半頃にブリュッセル南駅に到着。生まれて初めて訪れる南駅はパリ北駅と比較にならないぐらい大きく感じました。

b0069502_23331682.jpgそして南駅で一番最初に私を出迎えてくれたのがこいつです。←
ゼブラ柄の服に身を包んだ茶色い馬。まるで注文ととりに来た給仕のよう。彼は何者なんでしょうか?

さて、観光の中心グラン・プラスまで行くには南駅からメトロかバスで移動しなくてはいけません。ブリュッセルだけのために、『るるぶ オランダー・ベルギー』を買い、1冊まるごとバックに入れて来た私。しかし、メトロやバスの乗り方まで懇切丁寧に書かれ、メトロ路線図や主要エリアのほとんどを網羅した携帯用マップが綴じ込みでついてる「パリ編るるぶ」にくらべ、「オランダ・ベルギー編るるぶ」はそこまで至れり尽くせりではありません。
メトロ路線図が欲しくても窓口がまだ開いてないのでもらうことも出来ない。切符は販売機があり、1日乗り放題のUn jourが4ユーロだけど小銭の持ち合わせがなく、そのマシンは紙幣が使えないのでした。キオスクのお兄ちゃんに5ユーロ紙幣を見せて「シャンジェしてくれない?」と聞きましたが、お断りされました。ケチっ!
しかたないので持ち合わせのコインで1回分の切符を買い、路線図をじーっと見て、自分が乗るべき路線番号、下車駅名を紙にメモして「グラン・プラス方向」と書かれているらしいホームへ。
ホームに入るや否や目の前に止まっていた列車にエエイっと乗り込んだのですが、走り出してから自分は間違った車両に乗ってしまったと判断しました。ブリュッセルの電車にはメトロとトラムの2種類があり、自分は全く方向の違うトラムに乗ってしまったのでした...。
「lemonier」とかいうレモネードみたいな名前の駅に慌てて下車。トラムを降りるとブリュッセルの空は雨ザーザーでした。私、傘を持って来ていないのです。(涙)
ここはいったいどこなんだろう?とにかくさっきと別方向のトラムに乗り南駅に戻るしかない。南駅に戻ると今度は窓口も開いていたので、Un jourチケットを買い直しました。でも、路線図をもらうタイミングを逸しました。
とりあえず、今度はメトロに乗り路線を乗り換え、なんとかセントラル駅に到着。私、ベルギーの公用語はフランス語だとばかり思ってたのですが、駅の名前がフランス語とオランダ語の2種類で記されてるんですね。これは現地に来るまで全然知らなかったので余計混乱してしまいました。フランス語はおろか英語も怪しいのに、オランダ語なんかが来るとお手上げです。だったらこんなとこ来るなよ、って話ですが。

b0069502_2334046.jpg地上に出るとやっぱり雨でした...。
目の前にショッピングセンターがあったので雨宿り&傘の調達目的でそこに向かう。巧い具合に傘が見つかったので早速19ユーロで購入。これで一安心です。
目的のグランプラスまで5分ほど歩きます。ビルとビルの間から、宮殿や教会のような建物が見え隠れしてます。
それにしてもブリュッセルの町並みって、フランスとはまた違うヨーロッパの匂いがあります。グリム童話とか絵本の中の世界を彷彿させるというか、どこかメルヘンチック。この紳士とワンちゃんの銅像、一体何者なのか存知ませぬがグランプラスに入る直前の広場にありました。



そして、ついにグラン・プラスにゴオオオオオオオオ〜ルっ!
この広場ってフラワー・カーペットで有名なところですよね。テレビで見たことがありますが、まさにおとぎの国の世界みたいで壮観です。しかし今は建物の一部が修復中工事中でした。でも、やっぱり素敵な広場です。いつの間にか雨も上がってるし。
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この広場を一枚の絵に収めるのは難しい。
って、ことでパノラマ・ムービーです♪



触ると幸運が訪れるというセルクラースの像。
「星の館」の壁にあるのですが、この館が修復工事中でシートがかけられており、幸せの像が隠れて見えませんでした。「もしかして」と思い近寄ってみたら、運良くご対面することが出来ました。いつもは観光客に囲まれてゆっくり出来ないみたいなのですが、その"目隠し"のおかげでじっくり触れました。(^_^)b
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そしてグラン・プラスまで来たら、"彼"に会わなくてはなりません。
その"彼"とはMannekin-pisこと小便小僧。世界三大ガッカリの一つとしてあまりに有名なpis君なんですが、私は絶対に失望なんかしない。
ちなみに世界三大ガッカリの他のエントリーはなんでしょうか?
・シンガポールのマーライオン
・シドニーのオペラハウス
・コペンハーゲンの人魚姫
ありゃ?3つを超えてしまってるじゃないですか。私は、ローマのスペイン広場も三大ガッカリに数えられてると聞いたことがあります...。
坊やの像はグランプラスから歩いて徒歩5分。あまりに小さいので気づきにくいと聞いていたのですが、"MANNEKEN-PIS"の表示もあったし、観光客に囲まれていたので、見逃さずにすみました。
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確かに小さな彼ですが、なかなか重厚な構えで貫禄すら感じます。
また動画にしてみました。癒されます。
やはり私にとってブリュッセルはメルヘンの街なんですな。




タリフのチケット(Billet)はフランス国有鉄道のサイトで購入しました。

Voyages-sncf.com

チケットは自宅まで郵送、引換券のADFファイルをプリントアウトしたものをフランス国内の駅窓口で購入に使ったクレジットカードと一緒に提示して引き換えにする、チケットそのものをセルフプリントする方法が選べます。
まず自分が行きたい目的地や日時、人数、クラスを入力して検索します。価格や時間帯など自分の条件にあったチケットを選んで購入手続き。チケットをプリントアウトしたい時は自分の生年月日を入力すると、その直後メールが来てバーコード付きのADFファイルが添付されてくるので、それを開いて印刷してください。

「私の説明だけじゃイマイチ」という方はこちらをじっくりどーぞ♪

ふらつー「フランスの列車・国鉄タリス」

ブリュッセルのグラン・プラス(その2)
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by marikzio | 2008-01-17 21:10 | Parisからのエクスカーション | Comments(4)

Musée Carnavalet
マレ地区にあるカルナヴァレ博物館。
16世紀に建てられた貴族の邸宅であり、その広大な屋敷にはフランス革命にまつわる絵画をはじめ、ナポレオンやマリー・アントワネットの遺品など、歴史的重要資料が膨大に展示されています。まさにフランスの歴史そのものが詰まっているという驚くべき館。これほど充実していながら無料で入館できます。
入口の門をくぐってすぐの中庭。大き過ぎてうまくカメラに収まりましぇ〜ん。
パリの建造物ってどれもバカでかくて撮影する時苦労しませんか?
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三日月に乗ったネコとか鋏の看板とか面白いオブジェが展示されている間。
可愛いけどガイドさんがいないと何がなんだかわからない。ここで写真を撮ったら、監視のおじさんに「No,flash!」と注意されました。
「撮影はいいけど、フラッシュはたかないで」
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この部屋を通ると大理石の階段があり、天井は吹き抜けになっていました。ライトが強くてわかりにくいけど、階段の壁には大きな絵画があって、壁そのものが巨大なキャンバスという感じ。こうして見るとレプリカかな?
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ここってヴェルサイユ?と思わず錯覚してしまうようなゴージャスなお部屋。
カルナヴァルは歩いても歩いても部屋がいっぱいで、しかもこの手のお部屋があちこちにありました。ヴェルサイユ宮殿もまさにこんな感じなのかなぁ?今からこんなてんこ盛りじゃ宮殿なんか行っても感覚が麻痺しちゃってるかもなぁ、と思ったのですが、なんのなんの。実際にヴェルサイユに行ってみるとゴージャスさの桁が違い過ぎました。(◎-◎;)
お屋敷自体は非常に古くて木造の床は歩くとギシギシいってました。
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これはもう、一体何の部屋だかわかりましぇ〜ん。
とにかく愕然とするのみでございます。
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b0069502_20542861.jpgこれは王子様の寝台。産声を上げた瞬間からこんなキンキラキンのお床に入れられるなんて、いやはやすごい星の下に生まれたものです。
それにしても、あまりにも膨大な資料。「宿泊してるホテルの近くだから」、「入場料がタダだから」ということで何の予習もせず軽い気持ちで入館したことを後悔しました。洪水のように押し寄せるフランスの歴史と文化を前に何も消化出来ず、ひたすら歩き回って疲れてしまった自分。
カルナヴァル館にはフランス革命関係や貴族の遺品の他にもマルセル・プルーストなどの著名人達の寝室を再現した小部屋もいっぱいあって、半日かそこらで後にするには実に勿体ないところです。
しかし自分はここを訪れるには如何せん、いろんな意味で準備不足でした。

私がここに来てみようと思ったきっかけは、スタッド・フランセのレミー・マルタン選手が例の魅惑のカレンダー、Dieux dv Stade の2005年版でここを撮影現場に使ったということ。
yunaさん情報 Carnavalet Museum(カルナヴァル博物館)
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この写真を見た限りではよくわかりませんが、メイキング・クリップの中ではマルタンが絵画のある小部屋や大理石の階段のところでポーズをとる場面が見られます。クリップが始まって2分18秒くらいのところで彼が登場します。

You Tube Fashion TV FTV - LES DIEUX DU STADE CALENDAR MAKING OF...
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by marikzio | 2008-01-16 20:36 | 小さな目で見たParis | Comments(2)

L'Avenue des Champs-Élysées
何だかんだ言いながらも、パリと言えばやっぱり凱旋門。
凱旋門からコンコルド広場まで伸びるシャンゼリゼ大通りはお上りさん最大のメッカであり、自分が「またパリに来たんだ」と最も実感する場所であります。
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シャンゼリゼと言えば、立ち並ぶ高級ブランド店や華やかなキャバレー、LIDOを連想させます。
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でも自分が利用するのはフナックやヴァージン・メガストア、そしてコスメショップのセフォラ。どれもチェーン店だけど、やっぱりシャンゼリゼ店が一番大きくて活気があって入るとワクワクする。ミレーヌ・ファルメールの新作CDやDVDの発売日に深夜12時に大イベントをやるのもここのヴァージンだしね。
今回はフナックでニンテンドーDSのソフトとCDを1枚買いました。DSソフトはゲーム「どうぶつの森」の仏盤「Animal Crossing」。仏盤なので、当然言語はフランス語。言葉の壁を乗り越えてクリア出来ますかどうか。CDの方は後ほどレビューを書くつもりなので誰のものかはそれまでのお楽しみ、と言うことで。
支払いはカードでしようと思ったのに、レジのお姉さんに「身分証明書がないとカードは使えない」と言われました。パスポートのコピーや運転免許証を差し出しましたが、コピーはダメ、運転免許証もフランスのものではないからダメ、と却下されてしまいました。パスポートなんてなるべく持ち歩きたくないからホテルのスーツケースの中だし...。結局キャッシュで買う羽目になりました。現金は貴重なのでキツかったです。
他の所ではカードを使っても身分証明書がどうのこうの言われませんでした。

シャンゼリゼと言えば、イルミネーションも毎年話題となります。今どき観光地であればどこでも趣向を凝らした夜景が楽しめますが、やっぱり世界中、凱旋門とシャンゼリゼほどイルミネーションが似合う場所はないのではないかと私は思います。
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薄暮のシャンゼリゼを歩きながら動画を撮ってみました。
まだ暗くなりきっていない時間だったので、光の引き立ちがいまいちなんですが、あの界隈の雰囲気を感じ取って頂けたら幸いです。
シャンゼリゼに行ったことがある人もない人もどうぞお付き合いくださいませ。



シャンゼリゼを東に向かって歩いて行くと、次第に出店が少なくなって辿り着くのはコンコルド広場。ここはルイ16世やマリー・アントワネットが処刑されたところとしても有名。広場の中央にはエジプトのルクソール神殿から運ばれて来たオベリスクが立っています。なぜかは知りませんが、広場には巨大な観覧車が回っていました。これもまたきらびやかに輝いてとてもきれい。広場に向かって行くところも動画に撮ってみました。



※ ドガログはサーバーの調子等によって、クリックしてもムービーが動かない時があります。そのような時はダブルクリックしてウインドウをもう一つ開いて見るか、時間を置いて再度挑戦してみてください。

見られない時はこちらをどうぞ
L'AVENUE DES CHAMPS-ÉLYSÉES
PLACE DE LA CONCORDE
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by marikzio | 2008-01-15 22:18 | 小さな目で見たParis | Comments(0)

Alizée "Psychédélices"
"Mes Courants Électriques"から4年。
ミレーヌ・ファルメール&ローラン・ブトナの傘下を抜け、結婚・出産を経たアリゼ、満を持しての復帰作。
プロデューサーにJean Fauqueを迎えての"Psychédélices"(さいけでりっく)はこれまでのイメージを踏襲しつつも、よりポップでグラマラスな新生アリゼに出会えます。
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b0069502_2222419.jpg例の如く限定版に弱い私はDVDつきデジパックを購入。
これは開封直前のもの。アルバムジャケットはアリゼが2人椅子に座ってて、片割れがケーキに齧りついてる、という摩訶不思議な写真なのですが、限定版は"Alizée" のロゴ。

紙製ジャケを開くとこんな感じ。DVDの他には昔のLPジャケより一回り大きめのポスター付き。これは折りたたんでジャケのポケットに収めることが出来ます。紙ジャケの下にあるのはブックレットです。
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これはブックレットを開いたところ。現在23歳、相変わらず美しい顔立ちのアリゼ。ティーン・アイドルの頃とは違う大人の表情になってますね。
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"Psychédélices"に先行してリリースされたシングル"Mademoiselle Juliette" はビートの効いたエレクトリック・サウンド。エコーがかったアリゼの声、ピコピコ電子音がいかにも80年代的です。ビデオクリップではビスチェ風のミニドレス姿で小悪魔的に踊る姿が印象的でした。スリムというより健康的なナイスバディですが、それはそれで魅力的。
"Moi...Lolita"の時のような危うさはないけれど。
この1曲目に象徴されるようにアルバム全体が打ち込み主体のテクノ系であり甘美なメロディーラインなど一見、ブトナ・プロデュースを彷彿とさせます。
2曲目の"Fifty Sixty"がこれまた底抜けに明るいキャンディ・ポップ。歌詞の意味はわかりませんが、このあっけらかんさは、これまでの確執から吹っ切れたような彼女の心境みたいなものが反映されてるようで興味深いです。そこから突然、気だるいミディアム調に転じる"Mon Taxi Dreiver"。私は1曲目から3曲目の流れが特に好きです。
しかしブトナ・ブランドの楽曲に較べると、やっぱり普通っぽいし、腹に一物ありそなミレーヌのリリックがないというのはやはり寂しい。
しかしながら、ヒップポップの要素を取り入れた"Décollage"やロック的な"Lilly Town"などは今までにない趣向で結構バリエーションに富んでます。
表題作にもなってる "Psychédélices"、"Par Les Paupières" なんかも個人的には聴きやすくて好きです。
ブックレットの最後のページでアリゼは家族やアルバム制作に関わった人々に謝辞を捧げているのですが、
Merci à Myléne et Laurent sans qui le conte de fées n'aurait jamais commencé.
と記しております。やはり二人の存在なくして今の自分はなかった、ということを言いたかったのでしょうか。

さて、注目のおまけDVD。
"Spychédélices"というタイトルの6分足らずの映像でした。赤いスポーツ・カーに乗ったアリゼがひたすら髪をなびかせ疾走している、というもの。その間、男性のナレーションが延々と続くのですが、私のヒアリング力では何を言ってるのか全然わかりません。レコーディング風景やインタビューでも見られるのかと思いきや、これだけで終わってしまったので拍子抜けしてしまいました。
でもカメラワークは格好いいし、クールな表情のアリゼも新鮮ですよ。
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公式サイト Alizée Le Site Official
公式MySpace MySpace.com -Alizée
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by marikzio | 2008-01-03 22:23 | French Music | Comments(3)

-Les Fruits de la passion- by Shuji Terayama
皆様、明けましておめでとうございます。ヽ(^0^)ノ
昨年に引き続き、今年もn'importe quoi!をどうぞよろしくお願いいたします。
自分の誕生日が4月8日というせいか昔から"4"と"8"に縁がありました。受験番号しかり、車のナンバーしかり、職員番号しかり...。2008年は自分にとって少しでも飛躍出来る年となればいいと思っております。
さて、2008年一番最初の出し物は青森が生んだ奇才、寺山修司作品です。
これは2007年の締めの記事として"狂い納め"にするつもりが、新年に持ち越してしまい、"狂い初め"となってしまいました。こんなんでいいのか私の2008年...。
まあ、新年早々こんなネタで心苦しいのですが皆さんの広いお心で、どうぞ最後までず・ず・ずぃい〜とお付き合いくださいませ。

**************

1920年代の終わり、激動の上海。
娼館"春桃楼"に漂着する謎のイギリス紳士とフランス女。紳士は自分の女を娼婦にして男たちの慰み物にしようという純粋な目的のために彼女を連れてここへやって来た。それはOに課せられた残酷な実験、愛の試練。
ポーリーヌ・レアージュ「O嬢の物語」の続編「ロワッシーへ還る」を原作にアングラの帝王、寺山修司が描く至高のデカダンス。
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邦題「上海異人娼婦館 チャイナドール」(1981)
監督 寺山修司
出演 クラウス・キンスキー、イザベル・イリエ、アリエル・ドンパール、ピータ


O(イザベル・イリエ)がステファン卿(クラウス・キンスキー)に捧げる愛は絶対的な忠誠。それも己の精神と肉体を全面放棄し、すべて愛人のものに帰属させるという究極的なもの。例え、そこに何が待ち受けていようとも、絶対に後悔などしないという確固たる意志で愛する男とともに海を渡りました。
そんな二人を迎え撃つのはマダム黒トカゲ(ピーター)。黒トカゲは値踏みするようにOを見つめます。「こんな上物、ほんとに私たちに預けていいの?」
ステファン卿がやって来たのはここ上海でのカジノ経営という目的もありました。その滞在中に自分の女を娼館に預ける、という思考回路が何とも理解し難いのですが、ステファン卿に言わせれば、すべてそれも「我々の愛の深さ」を確かめるための実験であり、それを承知したのもO自身なのだ、と黒トカゲに告げるのです。
「本人の意思と言っても、果たしてこのお嬢ちゃんが耐えられるのかしら?」
不敵な笑みを浮かべるマダム。「ここの店のしきたりを教えてやんな」
"春桃楼"で働く女達には3つの過酷なしきたりが課せられていました。
「客をえり好みした場合は101回の鞭打ち」
「客の要望を拒んだものは101日の食事抜き」(死んじゃうって)
「なぶり者の分際で神に助けを乞うたり、宗教的な行いをしたものは、伝染病患者やアヘン中毒者たちの慰み者にしてやる」
「Jamais!」と思わず呟くO。

この館は高級売春宿と言うよりも、サーカス団の見せ物小屋という風情。小人男とか全身白塗りの座敷わらしみたいな女の子、ブランコに乗った太ったおばさんなど奇異な人物ばかり。その他にも自分が大女優だったという過去の中に生きている愛染(新高けい子)や客の要望で鞭をふるう百蘭(高橋ひとみ)、自称聾唖者のさくら(山口小夜子)などエキセントリックな面々。
そんな混沌とした"春桃楼"でOは娼婦の一人となり、化粧を施され、寒々とした陰気な部屋へと通されるのです。そこがOの仕事場。
ステファン卿はOの他にもう一人愛人ナタリー(アリエル・ドンパール)を従えていました。ステファン卿はその愛人を抱く一方で、Oが客をとっている光景を部屋の裏から愛人と二人で覗き見するのに興じ、Oを鏡に縛りつけた前で、ナタリーと愛し合ってみたりもする。苦痛でしかない男の酷い仕打ちにも自分には今、何かが試されていると信じて無言で堪え忍ぶO。Oとステファン卿を結びつけているものは一体何?
そんなOを見つめる一人の青年がいました。
"春桃楼"の裏にある飯店の息子、王学(中村研一)。窓から外を眺める悲しげなOの姿に青年は恋をします。
"春桃楼"へOに会いに行っても、マダムに「ブロンド女は高いのよ!(←Oってブロンドなんですか???)」とすげなく言われ門前払いを受ける王学。
Oに謁見する資金作りのために闇のレジスタンス活動に加わることになりますが、それがステファン卿とOの運命を大きく変えることへと繋がって行くのです...。

Oはいつも怯えた顔をして、拾い主を待っている子犬のよう。
原作小説の中のOはキャリアを積んだパリ・ジェンヌであり、恋人ルネとも対等な関係にあったのですが、謎の館ロワッシーに連れて来られた日から従属と服従の本能に目覚める、という設定でした。物語の中盤でルネより年上で影響力のあるステファン卿に出会ったことによりOはルネからステファン卿の手に渡るのですが、寺山の「上海異人娼婦館」は登場人物にヒントを得ただけの全く別物の作品だと思います。
舞台をパリ郊外ではなく上海の場末の娼婦館に設定したのがいかにも寺山流。仏語、英語、日本語、時に広東語が飛び交う。寺山は西欧とアジアが混じり合う独特の無国籍空間を創りたかったのかも知れません。そしてオープニングに流れる寂寥感あふれる音楽が何とも貧乏くさい気分にさせてくれます。それがOの人生を暗示しているようでもあり。Oは幼い頃に父親に捨てられ、その父親像をステファン卿に重ねているようなふしがあります。
You Tube で検索してみたら、Oがその幼少時代を回想する象徴的なシーンが見つかりました。↓
You Tube Scene# Les Fruits de la Passion (1981)

少年時代から『神童』と言われた寺山、青森高校時代からすでに文才を開花させ周りの人々を驚嘆させていましたが、家庭環境にはあまり恵まれなくて、心のどこかに屈折していたものを抱えていた少年だったらしい。創作活動にのめり込んだのも、「自分をもっと認められたい」という自己顕示欲からくるエネルギーだったという一説もあるので、彼はヒロインOを「鳥籠の中に閉じこめられた不安でいっぱいの女の子」に置き換え、自分の少々時代と重ね合わせたかったのかな〜と勝手に憶測したりして。
もう一つ原作にはなかったのが水面下で広がっていたゲリラ活動。ステファン卿のカジノはテロリストに破壊され、彼は金も愛人も失います。そしてOさえも青年王学に心を動かされたと思いこんだステファン卿は青年を殺害し、自分も自殺しようとしますが未遂に終わり逮捕されてしまう。そして「O、お前は自由だ」というメッセージだけを残して、Oは突然解放されてしまうのですが、さて彼女はどこへ...。ここも原作とは大きく違うところ。
これって、寺山の「お前はそんなに弱い存在ではない。自分の足で力強く生きよ」という応援歌的なものが込められてるラストではないかと私は思いました。
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それにしても、仏題の"Les Fruits de la passion"(情熱の果実たち)といい『上海異人娼婦館』といい『チャイナドール』といい、これほど内容とミスマッチなタイトルも珍しいのではないでしょうか?題名だけ聞くと、ヨーロッパのエロチック映画みたいで萌え心をくすぐられますが、異国情緒あふれるゴージャスな館に金髪碧眼の美女たちがいっぱい出てくるわけでもなければ、ミステリアスな中国娘が登場するわけでもない。
でも出演キャストの豪華さは一見の価値あり。
まずは主演のクラウス・キンスキー。知る人ぞ知るドイツのカルト俳優であり、あのナスターシャ・キンスキーの実父。彼の出演作は物議を醸し出すようなものが多いのですが、本作でも大野美雪と烈しいベットシーンを演じて話題となったようです。
そしてステファン卿のもう一人の女、ナタリーにアリエル・ドンパール。この人、現在も現役の歌手や女優として活躍されております。この可憐で小悪魔的な美しさはスクリーンの中でピカ一の華やかさでした。ヒロイン役のイザベル・イリエよりきれいな体をしていると思いました。こんな変な映画(失礼)でこんな変なクラウスおじさん(さらに失礼!)の相手役をするのがちょっと勿体なかったような。クラウス同様、どういった経緯で寺山作品に出ることになったのでしょうか?
泣き虫顔のイザベル・イリエ、なんかあまり聞いたことのない女優さんだと思ってましたが「インモラル物語」などのお色気作品を中心に出演しているみたいですね。Rimbeauさん情報によると、寺山はO役にあのジェーン・バーキンを、と考えていたようですが、諸々の事情により実現出来なかったということ。ジェーンが演じると、余計痛々しいO像になって一層寺山のツボにハマったでしょうが、正直、この映画に出てなくてホッとしたような...。
日本勢では、池畑慎之介ことピーターや日本人モデルの先駆け、山口小夜子、寺山の秘蔵っ子、高橋ひとみなどこちらも話題性充分。でも、白いピー様を最初見た時、一瞬研ナオコさんかと私思ってしまいましたワ!山口さんのストイックなチャイナドレス姿、格好良かったです。
もっと前衛的でハチャメチャな作品なのかな?と観る前はちょっと畏れ慄いていたのですが、思ったほどまとまっていたと思います。でも、もうちょっと映像が耽美的であって欲しかった。

参考ページ キネマ旬報「上海異人娼館 チャイナ・ドール」
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by marikzio | 2008-01-01 12:47 | Movie | Comments(7)


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