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シュバリエ -Le Chevalier D'eon-
WOWOW開局15周年記念番組として、放映中のアニメ『シュバリエ』。
18世紀のフランスを舞台に、実在の騎士、デオン・ド・ボーモンの数奇な運命を史実と虚構を織り交ぜて描いた大河ドラマ。全23話からなるこのシリーズは、8月16日からスタートし、第11話がオンエアされた今、ちょうど物語の中盤というところでしょうか。
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美貌の騎士、デオン・ド・ボーモンを始め、ルイ15世、ロシアの女帝エリザヴェータ、その後の女帝エカテリーナなど、歴史に登場する人物たちに魅力的な架空キャラクターが加わった豪華絢爛オカルト・ミステリー。これは、フランスの歴史、文化が好きな人は必見です!...っても、WOWOW契約者しか見れないのですが。
製作はミレーヌ・ファルメールのビデオ・クリップ"Peut-etre toi"を手がけたプロダクションIG。繊細なキャラクター・デザインはもちろん、華麗な衣装とか、ヴェルサイユ宮殿のリアルさとか、目を奪われる部分が多いです。特にデジタル放送で見ると、そのクオリティーの高さが映えますね。

b0069502_1943747.gif革命前夜のフランス。ある夜明け、セーヌ河を漂流していた女性の遺体。彼女の名はリア・ド・ボーモン。ちょうどその頃、パリは身分の高い女性が次々と失踪し、殺伐としていた。秘密警察に所属していた、デオン・ド・ボーモンは謎の連続失踪事件を追っていたが、自分の姉、リアもまた、その犠牲者の一人となってしまったのだ。
美しく、冒険好きだったリアは、ルイ15世の寵愛を受け、機密局の一員でもあった。彼女の背景には、一体何が?
デオンは姉の死の謎を追う決意をするが、その真実にはヨーロッパ全土を揺るがす禁断の秘密が隠されていた...。
剣の達人でもあったリアがデオンの肉体に憑依する時、デオンは別の人格となって、"デオン=リア"が出現する。リアと同等の腕前と冷酷な気性を持つこの人物にデオンは戸惑う。ルイ15世夫人と頭蓋骨ベルのもとで、リアのドレスを身にまとい、降霊術を行うが、鏡の中にリアのメッセージが浮かび上がるのを見るのだった。

"Je suis avec toi"(我は君とともにいる)

デオンはロビン、デュラン、テラゴリーとともに4銃士として、ルイ15世の命を受け、ロシアに赴きます。目的はポロンゾフが持ち逃げした「王家の詩」と呼ばれるフランスの機密書類を取り返すこと。
そこで、ロシアの女帝エリザヴェータと謁見を果たします。
宮廷で催された変わった趣向の舞踏会。男はドレスを、女は男装するというパーティで、リアに生き写しのデオンが侍女姿のロビンとともにエリザヴェータの前に参上する。リアはエリザヴェータの親友であり、"同士"であったことを知るデオン達。実はこの"性転換パーティー"もリアの提案だったのです。「男であること、女であることの枠組みを外すべきである」という主旨で。
水面下でエリザヴェータ暗殺計画が進められていることを知った4銃士たちは何とか女帝殺害を阻止しようとしますが、詩編を操る謎の騎士、マクシミリアン・ロベスピエールが登場し...。

シュバリエ=chevalier とはフランス語で騎士を意味します。本作には、いくつかのキーワードがあって、物語の謎を解く鍵となっています。
<詩編>、<革命教団>、<詩人>、<ガーゴイル>、<機密局>、etc...。
<詩編>とは物語のオカルト部分を司るキーワードで世界を変える力を持っています。《PSALMS(パルムス)》や聖書の<詩篇>を意味し、<意思を持つ記号>として大きな秘密を持つ。リアの棺の蓋にも《PSALMS》の文字が刻まれていました。
この<詩編>を操る能力のある者は<詩人>と呼ばれ、人や器物を<カーゴイル>化させることができるのです。
<カーゴイル>とは異形の怪物。人がカーゴイル化する時もあれば、野良犬達がカーゴイル化して、デオン一行に襲いかかったりもします。<詩人>は<カーゴイル>を思うがままに操り、世界を変えようとします。
デオン達の機転で、一度は暗殺を免れたエリザヴェータですが、<詩人>マクシミリアンによってカーゴイル化された仲間達に食い殺される場面が出て来ます。
そのエリザヴェータの遺志を受け継ぎ、エカテリーナが次の女帝に君臨する、というエピソードも興味深いです。

伝説の騎士、デオン・ド・ボーモンとは...
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正式な名は、シャルル・ジュヌヴィエーヴ・ルイ・オーギュスト・アンドレ・ティーモテー・デオン・ド・ボーモン(1728-1810)。
ルイ15世の時代に実在したフランス貴族。
その希有なる美貌をかわれ、極秘任務を命ぜられ、1755年、ロシアへ。その特命とは、"女性"として、ロシア宮廷に潜入し、女帝エリザヴェータに取り入って、フランス寄りにさせること。
当時ロシアはイギリスと同盟関係を結ぼうとしており、フランスには大使の駐在を拒否するほど冷たかったらしい。仇敵イギリスと同盟を結ばれるのをどうしても阻止したかったルイ15世は民間外交と見せかけた"女性特殊工作員"を思いつく。で、女装しても違和感のなさそうな美男デオンに白羽の矢が立ったというわけですが、本物の女性を使わなかった理由は、当時のフランス女性は「あまり聡明ではない」とされていたからだそう...。
そういえば、本編の中でも「これからのフランス女性はもっと教養を磨かないと。今のままではフランスがダメになる」と母国の将来を案じるポンパドゥール夫人の姿が描かれています。
で、この特殊任務は功を奏し、見事フランス大使のロシア駐在権を獲得。しかし、な・な・な・なんと、デオンは男性として、ロシア大使館付きの書記官に任命されちゃうのです。それだけならまだしも、フランス女性はその書記官の妹リアだった、ということにして、ちゃっかり二重生活を続けることになってしまったんですね。
...というわけで、デオン・ド・ボーモンは、両性具有的シンボル、脱ジェンダーの象徴として、後世にその名を語られることとなったのです。

参考にさせていただいたページ
丼ちゃん「ミレーヌ詩集」 より
"San contrefacon"訳詩 の解説その2「シュヴァリエ・デオンについて」


アニメ本編の中では、リアが降臨したデオン=リアという設定なんですが、実際のシュヴァリエ・デオンは女装者だったんですね。
「男装の麗人」という言葉はありますが、こういう場合は何というんだろう?
ともかく、後半がどのような展開になって行くのか楽しみです。

画像元
『シュバリエ』公式サイト
プロダクションIG 公式サイト
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by marikzio | 2006-10-31 19:09 | Television | Comments(9)

Najoua Belyzel の "Comme toi"
当ブログで 2回目の登場となる、Najuoa Belyzel。
Rimbeauさん によると、NRJ Music Awards2007 (フランスのラジオ局NRJ主催による音楽大賞)のフランス語圏の新人賞にノミネートされたようです。
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デビュー・アルバム"Entre Deux Mondes"からの最新シングル、"Comme toi"のヴィデオ・クリップをYou Tubeで見つけて結構良かったので、ここで紹介いたしましょう♪
実はアルバムの中でこれが一番好きです。前2作もそうでしたが、幻想的ヴィジュアルでかなり凝ってます。白のドレス姿で捕らわれの身の彼女が黒服の自分と分離する、という筋書きなのでしょうか?
彼女は本国のみならず、スイスやドイツでも大人気なのだそうです。

YOU TUBEより
Comme Toi
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画像元はオフィシャル・サイトから。
写真はもちろん、ヴィデオ・クリップもたっぷりご覧になれます。
どうぞ、Najouaの世界をじっくりご堪能くださいな。

Najoua Belyzen site officiel

前回の記事
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by marikzio | 2006-10-29 19:53 | French Music | Comments(2)

心狂わせる巴里
「花の都パリの実態に失望したあまり、精神治療にかかる日本人旅行者がいる。」

b0069502_2325338.jpgRimbeauさんのブログで、そんな ショッキングな記事 が紹介されていました。
「留学生の中には、パリを理想化し過ぎたあまり、現実生活とのギャップに精神的ダメージを負ってしまう」という話はなんかの本で読んだことがありますが、短期間しか滞在しない旅行者にもパリ症候群が出ている、という話は驚きでした。

私は以前書いた記事、「そうだ、パリへ行こう」で、友人から散々パリの悪評を吹き込まれて、現地に行くのを何年もためらっていたのですが、ついに一大決心をしてパリに初めて向かった時のことを語っています。
「汚い。ホームレス多い。地元の人はツンケンしていて、絶対に英語を話さない。ジプシーやスリが多くて、一人で歩くなんて危険。」
でも、実際のパリは英語を話す人も多くて、気さくに話しかけて来る人もいました。確かにホームレスは多かったけれど、盗難に遭うこともなく、いろんなエリアを自在にジグザグした私。パリはやっぱり自分が頭の中で思い描いて来たパリそのものだったのです。
初パリする3年前、渡仏を諦めてイタリア周遊ツアーに参加したのですが、ミラノの人々がみんなお洒落で、美男美女揃いなのにビックリし、「イタリアってなんて素晴らしいところなの!」と発言した時に、同じツアーに参加していたおば様が「でもね、パリはもっと素敵よ。」と言われ、ああ、やっぱりパリに行ってみたいなぁ、と思ったものです。
あれから数年後、ハネムーンでイタリア周遊してきた友達が「何もかも素敵だった!」と言った時、自分はこう口にしてしまいました。「パリはもっと素敵だもんね。」

自分は事前にパリの嫌な部分を聞かされて行ったので、激しく失望させられることもなかったのだと思います。でも、パリ処女で、いきなり モンマルトルの黒人サギ集団に遭遇 したら、印象は大きく変わっていたかも知れません。
実は、2度目のパリで、あるトラブルにも遭っているのですが、そのことがショックで、1ヶ月近くは凹んでしまいました。でも、それは自分が旅行者としての心構えが未熟だったからであって、パリは悪くない。その後、見事に復活を遂げ(笑)、ベルシー会場で、憧れのミレーヌ様を拝むこともできました。
自分はこれからも、状況が許す限りはフランスに行きたいと思っています。

b0069502_23254132.jpgそれにしても、何故、日本人は、こうまでパリ、またはフランスを理想家してしまうのでしょうか?
言うまでもなく、テレビや雑誌(特に女性向けファッション誌)での偏った取り上げ方に起因していると思います。
「男と女」、「大人はわかってくれない」などのヌーヴェル・バーグな映画、官能的な響きの言語、フランソワーズ・アルディのような元祖フレンチ・ポップス、ゲンズブール&バーキンのアヴァンギャルドなカップル、ファッションの聖地、パリジェンヌの自然体な生き方、etc...。当時、女子大生だった私は、キュートなフレンチ・ポップスに魅せられ、イメージ先行型のおしゃれ情報に徐々に毒されて行きました。
でも、これはこれで嘘ではないんですよね。確かにフランスという国、文化を大いに特徴づける部分でもあるし、日本人はそこを強調しがちなだけ。

実は、「フランス大好きです!」って宣言することに抵抗があるのです。フランスって、特に日本ではきれいなイメージで語られることが多いから、『フランスが好き』ということは『私は夢見る夢子ちゃんです』って、公言しているみたいで、気恥ずかしさを覚える。女子大生ならまだしも、いいトシこいた自分は「へっ、年甲斐もなく、そのご面相でおフランスかよっ。」と相手に鼻で笑われてるようで、落ち着かなかったりするのです。これが台湾大好き!とかモンゴル命!とかだったら、逆に堂々としてたのかも知れませんが。
リアル世界で(実際の知り合いという意味)、私のブログを読んだ人たちに「テレビでフランス映画をやっているのを見ると、marikzioさんのブログを思い出す」とか、「あなたって、フランスが好きなのね」とか言われると、背中がむず痒いような感覚を覚えます。その人はほめ言葉として言ってくれたと思うんですけど、「自分がめざしてるのはそういうのとちょっと違うんだよなぁ。」という感じといいましょうか。「フランス映画」っていうとキレイ過ぎるイメージがあるじゃないですか。
あ、ひょっとしたら、私のブログが意外と変態ちっくで、コメントに困ってしまい、当たり障りのない"フランス"という言葉に逃げざるを得なかったのかも知れません。
自分がフランスに惹かれるのは、映画や音楽などの芸術表現に日本やアメリカにはない暗さがあるから、かな。人間の明るい面だけでなく、時にダーク、時にグロテスクな部分にもスポットライトを当て、でも、ちゃんとカタルシスとして浄化している文化性に大きな魅力を感じます。

しかしながら、おフランスに過剰に憧れるのは日本人だけではないと思います。
韓国とか中国などのアジア圏はもちろん、アメリカ人だって、ロシア人だって、みんなフランスに憧れているのです。初めてパリに行った時、あらゆる国のツーリストの顔が輝いて見えました。「だって、ここはパリなんだぜ!!!」と全身で叫んでるのが伝わってくるというか。
映画「恋人までの距離」で、ジュリー・デルピー扮するパリ娘がアメリカ男のイーサン・ホークに「フランス女と一夜を供にすることが、アメリカ男性の夢なんでしょう?」と言い放つシーンがありますよね。
もう、いいじゃないか、夢見る夢子ちゃんで。
オバサンだろうが、不美人だろうが、パリにいる時は、そこにいる時の喜びを素直に思いっきり噛みしめたいと思います。もちろん、浮かれ過ぎて、トラブルに見舞われないように充分心して。

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結局、何が言いたいのかわからないような投稿になってしまいました。
こんな戯れ言に、最後までお付き合いくださった方、ありがとうございます♪
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by marikzio | 2006-10-26 22:57 | 小さな目で見たParis | Comments(9)

-Gorge Michael : A DIFFERENT STORY- by Southan Morris
輝かしき80年代英米ポップ・シーンの中で、熱狂的な人気を誇った伝説的ユニット、WHAM!
'86年解散の翌年、リード・ボーカルのジョージ・マイケルは"Faith"でソロデビューを果たし、その成功は社会現象まで引き起こす。
以来、抜群の音楽センスと、スキャンダラスなイメージで王者の地位に君臨し続けた彼が、カメラの前で全てをさらけ出したドキュメンタリー・フィルム。
Wham!時代のエピソードやソニー・ミュージックとの訴訟問題、長年、同性愛者であることを隠し続けて来たが、ロスのトイレ逮捕事件をきっかけにカミングアウトを決意した経緯などを赤裸々に語っています。
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邦題 『ジョージ・マイケル 〜素顔の告白〜』
出演  ジョージ・マイケル、アンドリュー・リッジリー、エルトン・ジョン、ボーイ・ジョージ、マライア・キャリー、etc...
監督  サザン・モリス
2005年 イギリス

典型的労働者階級の家に生まれ育ったジョージ・マイケルが「ミュージシャンになる」と誓ったのは11歳の時。「自分は音楽家として身を立てるため、進学しない」と両親に表明したのです。
彼は小学校に入学した時から、自分の人生に関わる大きな出会いをしていました。一つ年上のデビッド・オースティン。音楽的素養に優れた彼は15の時からジョージとバンド活動をし、共作もしています。幼なじみにして、親友。
そして、ジョージは12歳の時にアンドリューと同級生になり、意気投合。外向的で、皆の人気者だったアンドリューにとって、ジョージは「うわ、だっせぇ奴」だったみたいです。これは、昔、音楽雑誌で読んだのですが、ジョージは昔、おデブちゃんで、眉毛がカモメみたいにつながった風貌の、外見コンプレックスに悩む内向的な少年だったみたいです。でも、その頃からポップ・ミュージックに激しく傾倒し、容姿が悪くても人気のあるエルトン・ジョンが憧れの存在だったそうです。(←失礼な)
映画の中でも「41歳の今になって、ようやく自分の容姿に納得できるようになった」と言ってるし。アンドリューと組んでワム!としてデビューした直後はジョージは太ってたので、アンドリューの方が人気があったとか。自分的には、初期のワム!時代でも、ルックス的にはジョージの方がいいと思うんですが...。
映画の中でボーイ・ジョージが「ジョージ・マイケルはアンドリューに恋していた」と発言する場面があって、それに対してジョージは「アンドリューと寝るなんて考えられない」と反論しています。「アンドリューは自分のタイプじゃない。かわい過ぎる。」
イギリス人にとって、アンドリューのルックスはキュートに見えるんでしょうか。

ある音楽番組で、ある出演予定者の降板で、ピンチ・ヒッターとして出演したことが、その後の人生を変えるきっかけとなりました。
その時歌った "WHAM! RAP" はヒット・チャートを一気に駆け登り、まさに、文字通りの大ブレイク。 本編の中で、当時のヴィデオ・クリップがメドレーのように次々流れます。ファッションは時代を感じさせるものの、サウンド的には全く古くない。20歳そこそこで、こんな音楽を作ってしまう彼らは確かに天才的だと思います。
アイドルとしての人気絶頂期に、ジョージは当時のアンドリューの彼女であり、スタッフの一員でもあった、シャーリーにある告白をしていました。
彼の打ち明け話に頭が混乱するシャーリー。「彼を好きな女の子もいるし、彼も女の子が好き。そうよ、彼はただ"経験"しただけ。」
「アンドリューには自分から話す」とジョージが言ったのに、秘密を守れないシャーリーはさっそくアンドリューに暴露してしまうのです。
「両親にも話そうかと思ったけれど、その時はやめておいて良かったよ。」当時を振り返るジョージとアンドリュー。「あの時話していたら、芸能界には留まれなかっただろう。」

そのスーパー・ユニット時代も4年間で幕を閉じることになります。
めきめきと才覚を伸ばしていくジョージに対して、アンドリューは日陰の存在になってしまい、外部からは「おんぶに抱っこ状態」と言われました。しかし、実際の二人の人間関係は当事者にしかわからない部分も多いみたいです。
アンドリューはカー・レーサーを目指しますが、ほどなくして挫折。その後、音楽活動も再開しますが、結局うまく行かなかったようです。
その後のジョージ・マイケルの活躍ぶりは説明不要ですね。'87年にリリースしたソロ・デビュー作"FAITH"は世界中で大ヒットし、各誌で絶賛の嵐。
日本では「FAITH 〜ジョージ・マイケルのセクシー・ナイト〜」というキャッチ・フレーズで紹介されたそうです。グラサン、革ジャン、無精髭。しかも、ローライズのジーンズで毛むくじゃらの腹部を露出した写真が出回るなど、タガが外れたように危ない路線を突き進むジョージ。"I WANT YOUR SEX"のヴィデオ・クリップが放送禁止になるなど、もはや、ワム時代のさわやかイメージは欠片もありません。
しかし、アーチストとしての株は上がり、今やマドンナやエルトン・ジョン、マイケル・ジャクソンと並ぶ大スターとして名を馳せるのです。

b0069502_20595260.jpgところが突然、彼は「プロモーション活動はもうやりたくない」とソニー・ミュージックに契約破棄を申し立て、訴訟問題にまで発展してしまいます。
「さんざん稼がせてやったのに、その期に及んで何を言い出すんだ」というのがレーベル側の言い分でしょうが、芸術家肌のジョージとしては、「自分が音楽家として生きていくためには売れる音楽ではなく、やりたい音楽を書きたい。」という気持ちだったようです。「作家だって、自分が書きたい本を好きなように書いてるのに、ミュージシャンには、それができないんだ。」

そういうゴタゴタもありましたが、ブラジルで運命の出会いも経験していました。
ロック・イン・リオに出演していた時、ステージで見つけた一人の青年、アンセルモ。心から愛せる相手だと直感したのに、彼がHIVに感染していたことが発覚します。
'92年にクイーンのフレディ・マーキュリーがエイズであることを公表し、その24時間後に他界。彼の追悼ライブでトリを務めるジョージ。でも、胸中は自分も死にたい気分。当時のゲイ・ピープルにとって、80年代後半から'90年代始めはまさに暗黒時代に近いものだったらしい。
そして、エイズを発症したアンセルモは4年後に死去。ジョージはずっと彼に寄り添い残された時間をともに過ごしました。

最愛の人を失い、1曲も書けないような状態が続きましたが、'95年に"OLDER"で軌跡の大復活。その影には新しい恋人、ケニー・ゴスの存在が大きかったようです。
二人の出会いはとあるスパ。「でも、ゲイの溜まり場じゃないよ。」とケニーさんは語っています。ジョージは勇気を振るってゴスを食事に誘いますが、相手はジョージをヘテロだと思っていたそうです。でも、2回目のデートで、ジョージは、ケニーがゲイであると確信したのだとか。
で、情熱的な交際が始まったものの、ジョージは自分が同性愛者であることはひた隠しに隠して来ました。アンダーグランドでは、そういう噂も囁かれていたようですが。しかし、その事実も、ついに白日の下にさらされる日がやって来ました。
'98年、ロス。自宅近くのトイレで猥褻行為を行ったとして、現行犯で逮捕。映画の中で彼は、「おとり捜査官がトイレの中で張り込んでいることはわかっていた。自分の中の声が『行くな』と警告していたけれど、トイレに入ってしまった。」と語っています。ここのところが、自分にとっては意味不明。日頃から利用していたスポット、ってことでしょうか?で、私服警官がいるのはわかってたけど、その日も我慢できなかった、と言うことなのでしょうか。でもさー、ケニーさんと付き合ってるんでしょう?これって、恋人に対する裏切りじゃないのかなぁ????
ウブな私にとっては未知の世界です。
でも、このスキャンダルをきっかけに、「自分はゲイである」とことを公表し、ヴィデオ・クリップ"OUTSIDE"では紳士がトイレで警官に捕まり、ジョージは警官姿で踊りまくる場面があります。ロッカールームで筋肉自慢をする二人の男、最後の警官同士のキスシーンも謎です。醜聞を逆手にとるこの図太さ。でもトイレでのシーンはかなり顰蹙ものだったみたいです。

母親をメラノーマで失い、またしても近親者の死を経験し、創作活動がストップしてしまった時期もありましたが、2004年に"PATIENCE"を発表。そして、翌年、このドキュメンタリー・フィルムの製作と相成ったわけですが、80年代〜90年代の彼のヒット作が次々流れて、MTVのように楽しみながら見れます。でも、数奇な運命を生き抜く、一人の人間の記録として、ちゃんと味のある作品になってると思います。
才能もあるけれど、かなり完璧主義な人みたい。ヴィデオ・クリップも凝りに凝ってるし、やる時は徹底してやる、という雰囲気がうかがえます。正直、G・マイケルという歌手にあまり興味を持ったことがないのですが、このフィルムの中の彼は人間的魅力に溢れていて、CDを聴いてみたい、という気分になりました。
昨年末、エルトン・ジョンに続いて、ケニー・ゴスとの婚約発表をしたジョージ、映画の中でも「そろそろ、スキャンダル・ネタはロビー・ウィリアムズにすべて引き受けてもらいたい。その為には、ロビーには、まず、男と寝てもらわないと」と語るシーンが自分には大受けでした。しかし、今年2月に大麻事件で逮捕され、またまたスキャンダル。やっぱり、そっち方面でも現役のようです。

日本語公式サイト GEORGE MICHAEL A DIFFERENT STORY

映画の中では、もうライブをやらないことになっていますが、彼の公式サイトを見たら、芸能生活25周年記念のツアー中らしいです。
ヴィデオ・クリップも見れます。例の"OUTSIDE"は必見!!

GEORGE MICHAEL THE OFFICIAL SITE
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by marikzio | 2006-10-22 20:12 | Movie | Comments(3)

あ〜遅かった?
Avant Que L'Ombre... A Bercy コレクターズBOXのリストを見つけました。
でも、すでにオーダー不可。遅かったみたいです。

でも万が一、復活!ということもあるので一応リンク貼っておきましょうか。

Avant que l'ombre... A Bercy - Edition limitée
Coffret collector - Inclus 2 DVD et 2CD livret de 32 pages


定価は175.16ユーロ(26,274円相当)なんですね。高過ぎ!!!
やっぱり、いらないかも...。
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Music videos IV 10月30日発売

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by marikzio | 2006-10-17 20:43 | Mylene Farmer | Comments(2)

予約受付開始!
最近、忙しくなってまして、ブログの方は、やや小休止モード。
ここしばらくは、あまり頻繁に投稿できませんが、映画「Gマイケル~素顔の告白~」のレビューや池田満寿夫特集(小説)を予定しておりますので、見捨てないで待っててくださいな。

※ この記事は10月16日に、いくつか訂正されています。

さて、久しぶりの投稿はミレーヌ・ネタです。
「年末には出る出る」と言われていたMylene Farmerのヴィデオ・クリップ集(DVD)とライヴ盤(CD、DVD)が、ついにFnac.comでリストアップされました。
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上の画像はcalendier2007


Fnac.com より

2006/10/30 発売
Music vidéos IV  

2006/12/04 発売

Avant Que L'Ombre... A Bercy Edition Limitee CD

Avant Que L'ombre...A Bercy Edition Limitee DVD

"Avant Que L'ombre...A Bercy"の限定盤はCD、DVDとも2枚組。
OPTIMISTIQUE.COM によると4つのヴァージョンが用意されているようです。

- Double Album CD - Edition limitée et personnalisée (env. 30€)
- Quadruple 33 tours - Edition limitée (env. 25€)
- Coffret collector limité 2 CD, 2 DVD et 1 livret (env. 175€)
- Double DVD - Edition limitée et personnalisée (30 €)

"Quadruple 33 tours - Edition limitée"というのが、何なのかは、いまいちわかりません。
コレクターズ向けらしい、CD+DVD4枚、豪華本付きのコフレが他のアイテムより5倍以上の値がついています。(あくまでも予価ですが)

M...IN fFRANCEさんでも、予約受付開始してました。
なんと限定版BOXは、予価33,800円!!!

Avant Que L'ombre... A BERCY CD
Avant Que L'ombre... A BERCY、 Music videos IV DVD

公演は1月だったのに、わざわざクリスマス・シーズンにぶつける、という抜け目ない戦略は相変わらずですね。「一番大きなネブタは、一番最後のお楽しみ」、ということで中途半端な時期に出さないところが、大物の証、というところでしょうか。
フランスのファンにとっても、その他の国のファンにとっても、素敵なクリスマスになりそうだ〜♪ということで、焦らず楽しみに待ちましょうよ。(急にオネエ言葉)


b0069502_22213517.jpgところで、右の人物は、ミレーヌとコラボするという噂でファンの一部の間で話題になったアメリー・モラン。
80年代前半に、新世代的ゴシック・ロリータ歌手として旋風を巻き起こすが、ミレーヌのデビュー、ブレイクと同時にフランスの音楽シーンから姿を消して行ったという伝説的存在の人。
ミレーヌと同じカナダ生まれ。テクノロジー・サウンドにのせたロリータ・ボイスは初期のミレーヌの作品にも少なからず影響を与えていたと思われ、現に、ミレーヌ自身からアメリーへの賛辞発言があったことも明らかにされています。
何と『キャンディ・キャンディ』や『魔法使いサリー』などの日本製アニメのヒロインの声優としても活躍した人なんだそうで、'84年には「ボンジュールって言わせて」という邦題で日本盤のLPも出ているそうです。
その彼女が80年代に活動していた時代の作品を集めた集大成とも言える、2枚組ベストアルバム"Double Echo"が今年9月末に発売されています。

情報元
YTT ツシマさん 「キャンディ・キャンディの伝説」

しかし、ミレーヌとのデュエットがお流れ?になったせいもあるのか、業界ではほとんど話題にならず、FNACなどでもほとんど扱われていないみたいです。ミレーヌが参加していれば、全然、事情が違っていたんでしょうけれど。
そんな激レアものは日本の大手レコード店でも扱うはずがなく、辛うじて M...in Franceさん でお取り寄せしてもらえる程度のようです。
というわけで、早くも入手困難となりつつある、この悲劇の"どぅぶる・えこー"はYTTさん のe-boutiqueで視聴・購入できます。

Double Echo [Amélie Morin]

3曲視聴しましたが、ミレーヌの"Plus grandir"を彷彿とさせるような世界を感じさせますね。
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by marikzio | 2006-10-15 22:21 | Mylene Farmer | Comments(5)

elfy "Lisa sans etoire"
渋谷の M...in Franceさん で「Mylene Farmer好きにウケのいい音楽」ということで Najuoa Belyzel と一緒にお勧めしてもらった1枚。購入してから、すでに2ヶ月近くたってしまったのですが、ここで紹介したいと思います。

elfy
"Lisa sans son etoire"
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特に目的の物があった、というわけでもないけれど、東京に行った時に何となく足が向いたM...in France。前回は見当違いの方向に行ってしまい、時間を大幅にロスしてしまったので、今度はあんな失敗はするまい、と心に誓ってJR渋谷駅で降りました。
「線路沿いの道をめざす」という前回の教訓を活かして、今回はほとんど迷わずに到着!

私が来店した時、客は自分一人。
「アレを探そう」とか決めてきたわけではないので、棚にある商品をぶらぶら眺めていました。ミレーヌ出演の映画「Giorgino」のDVD(たぶん中古)を見つけましたが、1万2千円くらいだったので、慌てて棚に戻してしまいました。
「何をお探しですか?」と店長の吉原さんに聞かれ、「あっ、いえ、あの...、なんか良さそうな感じのを探してるところです。」としどろもどろに答えました。
大手のレコードショップなら、これといった目的もなくフロアをブラブラして、そのうち自分の好みに合いそうなジャケットのCDを引っ張り出す、という行動も気楽にできるんですが、マンションの1室を借りた小じんまりとした場所で、お店の人と二人きりとなると「はっ、早く何か見つけなきゃ。」なんて、妙に焦ってしまいます。
「う〜ん、貴方がどういう物を聴くのかがわかれば、こちらもおすすめできるんですけどね。」
"どういうモノを聴くか"
これが咄嗟に口をついて出て来ないんですよねぇ。私はこのブログでもいろんなフレンチ・アーティストのことを取り上げていますが、いざ「何を聴くの?」と聴かれると、パッとひらめきません。その時の気分にもよるしねえ。
結局、自分はこう答えていました。「う〜ん、Mylene Farmerですね。」
「あ〜!!」こりゃダメだ、とでも言うように野太い声を上げる吉原さん。「ミレーヌ・ファルメールが好きな人は、他に聴けるものなんてほとんどないんだよ。」
そ、そんな、馬鹿な...。ミレーヌに触れたことがきっかけで、フレンチ・ミュージックの扉を開いて行った人も結構いると思うんですけど。それとも、おフレンチ・ミュージック好きな人とミレーヌ聴く人はちょっと違うカテゴリーにある、と言いたいのでしょうか?確かに、ミレーヌのサウンドは日本にファンの多いフランソワーズ・アルディやジェーン・バーキンのソレとはかなり違います。

「う〜ん、強いてミレーヌ好きな人が好みそうなものと言えば、これかな?」と棚から取り出して見せてくれたのが、elfy、そしてNajoua Belyzelでした。
「ミレーヌよりちょっと軽めだけれど、あれに近い雰囲気がありますよ。これはね、廃盤になってしまったので、今やどこに行っても手に入らないんですよ。レコード会社と契約上のトラブルがあって、発売してからすぐに解消されてしまった、といういわくつきの作品です。」
「へぇ、視聴できますか?」
「もちろん」
「面白い音ですね。」
「そう、サウンド的には全く問題ない。」

CDジャケットを見ると、2002年にMusic Franceからリリースされています。公式サイトのアドレスも記載されていますが、現在は閉鎖。
ブックレットの中身はこんな感じです。↓
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MyleneやRobertのような重さはないものの、ややダークで幻想的なエレクトリック・ミュージック。歌唱はヴァネッサ・パラディの高くて甘ったるい声をちょっとクールにした感じといいましょうか。プロデュースはJAY ALANSKI。
全14曲収録からなる本作品はなかなかの力作です。音といい、写真の質といい、期待の新人扱いではなかったのでしょうか?
デビュー直後に破談になるなんて、「悲劇の人」としかいいようがありません。大スターとまでいかなくても、着実に固定層を掴んで行くような力量はあったと思います。

音楽界からほとんど抹消されてしまったような人なので、ネットで検索しても、画像もほとんどヒットしない状態なのですが、辛うじてamazon.frで視聴できます。
Lisa Dans son etoire
あと、M...in Franceさんで 1点だけ在庫があります。(2006.10.9現在)

amazon.frでは"Lisa Dans son Etoire"(リサは星の中に?)になってるんですね。文法的には、こっちの方がしっくりくるように思えるのですが。
"Lisa sans son Etoire"(星なしのリサ)って、どーいうこと?と思っていました。それとも、フランス語的にはどっちも成り立つんでしょうか???
フランス語に強い方、教えてくださいな。

吉原さんが「ミレーヌ・ファルメールを聴く人は他に聴くものが見つかりにくい」という理由は、「彼女のようなきれいな声をしている人はなかなかいないから」らしいです。
これまでにも、ミレーヌの世界を真似たような多くの新人が現れましたが、「似て非なるもの」に終ってしまうケースが多いため、結局、消えてしまうんですよね。
最近では、ミレーヌよりも先行して80年代に活動し、"ゴシック・ロリータ"と言われた アメリー・ラモン のベスト盤が発売されましたが、これについては別件で記事にしたいと思います。

elfyはミレーヌのバッタもん、というわけではなく、独自の音楽世界を持っていたので、どこかで音楽活動を続けているのではないか、という気がしています。
現在のelfyの活動状況について、どなたか知ってる方がいらっしゃいましたら、情報よろしくお願いします。<(_ _)>
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by marikzio | 2006-10-09 21:12 | French Music | Comments(4)

"Binge Drinking Mom"
『モーガン・スパーロックの30Days』、第6話は「酒浸りで30日間」。
大学生になったばかりの娘が毎日のように大酒を飲んで、乱痴気騒ぎしているのを見兼ねた母親が、それを改心させたい一心で自ら酒浸りの30日間を実践。
さて、健康を損ねる危険も顧みず、体を張った30日間は娘の心にどこまで響くのでしょうか?
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美人奥様のミッチェルは43歳。大学1年生の長女、夫の連れ子で高3の長男、そして小学生の次男のママ。健康に気をつかう彼女は日々エクササイズに精進し、お酒は滅多に口にしない。
彼女が今、一番頭を悩ませているのは、アラバマ州立大に進学して半年の娘のこと。週の大半は出かけて酔っぱらうというパーティ・ガールなのだ。
「飲むなら、とことん酔わなくちゃ」というのが彼女の言い分。「ママは知らないのよ。あの雰囲気は経験した者でないとわからない。」
彼女は相当の酒豪らしく、「女の子の間では私が一番かも」と豪語しています。
「アナタはもう普通の体じゃないんじゃない?」とミッチェル。「ひょっとしたらすでにアル中なのかも。」
お酒がどんなに心や体に悪影響を及ばすかを娘にわかって欲しくて、ミッチェルは酒浸りな30日間生活を夫の反対を押し切ってスタートさせるのでした。

条件はビールならジョッキ4杯、蒸留酒ならショットグラス1杯、ワイン1瓶分のお酒を週に4日以上たしなむ、というもの。これは現役大学生の日常的な飲酒量なのです。
まずは、検査機関でメディカルチェック。血液検査など、主に代謝系の機能をチェックします。
「こんな実験はやめなさい、と私は言いたいわ。」と検査員の女性。「実はアル中だったことがあって、もう20年以上、飲酒していないの。大学生の頃の私はお酒が好きと言うより、とにかく酔っぱらって楽しみたいと思っていた。でも、自分でもヤバイと思った時はもう遅いのよ。」
それを聞いて、表情をさっと曇らせるミッチェル。彼女の脳裏に浮かぶのは、酒をあおってばか騒ぎする娘の姿であることは言うまでもありません。
メディカルチェックのあとは、旦那さんと一緒に、お酒のスーパーへ。お酒を飲む習慣がほとんどなかった彼女はまずは口当たりがよくて飲みやすいとオススメされた白ワインを購入。これを今夜のうちにグラスで4杯平らげないといけないのです。ちなみに自分はワインならグラス2杯が限界なので、このノルマは果たせそうにありません。
娘や息子達が見守る中でやっとの思いでグラス4杯を開けるミッチェル。足元はフラついてるものの、なかなかいい調子。しかし、その夜何度もトイレに駆け込んで眠れなかったようです。2日酔いになってしまい、毎日しているジョギングにも行けませんでした。結局、昼近くまで、ベッドから出られなかったのです。
「これを30日間やるなんて!」

飲み続けるうちに、ミッチェルはお酒に強くなって行くのですが、それに反比例してライフスタイルはみるみる崩壊。毎日続けていた運動もやる気が起きなくなり、掃除や洗濯、料理にさえ手がまわらない。家はどんどん片づかなくなって、つまり主婦としての務めを果たせなくなったのです。変化は食べ物の好みにも影響を現れます。野菜中心のヘルシー指向だったのに、高カロリーのピザやジャンク・フードが無性に食べたくなり...。正直、ここまで影響するとは知りませんでした。
お酒を飲むのは家だけではなく、大学生が行くようなクラブにまで赴き、しこたま飲んで午前様。家の前まで来たのはいいが、カギが見つからなくて中に入れない。携帯で夫に助けを求めたのに無視され、地面でへたりこんで大泣きする...。
全米中の目があると言うのにこの醜態。ここまで人を変えてしまうとは、お酒って恐ろしい!

b0069502_13345844.jpgそれにしても、娘にこんな姿を見せたからって、彼女の意識を変えることができるのでしょうか???番組を見る前から疑問には思っていました。
お酒が体に及ぼす影響なんて、20歳前後と40代では全然違うのだから、娘本人には実感出来ないと思います。親が乱れる姿を目の当たりにしたって、自分は毎晩同じようなことをしてるのだから、啓示となるかどうか...。
案の定、娘は母親にこう宣告します。「自分は目先の光景だけで考え方を変えてしまうほど、子供ではない。弟はどうかわからないけれど。」
「何でもいいから自分は酔いたいの。酔っぱらわないと楽しい気分になれない。」
カメラの前で母親は涙ぐみます。「あんなに綺麗で未来のある子なのに、酔っぱらわなきゃいけないなんて、どういうこと?何が問題なの?」

スパーロックが言うには、この親子には今までコミュニケーションが足りなかったのだそうです。あまり娘と対峙して来なかったので、この実験がきっかけで、母娘は何度か話し合いを持つ機会を持つこととなった。学生生活真っ只中にある娘は自分のライフスタイルを改めることはなかったけれど、母とのつながりという点では大きな進歩があったはず、と語っています。
娘の無反応に対し、息子たちの敏感さが印象に残りました。嫌悪感があからさまなティーンエイジャーの義理の息子、「もう、こんなことやめて」と泣き出してしまった末っ子君。男の子の方が、母親のそんな姿は見たくない、という気持ちが強いのかも知れませんね。
「娘の方はそれほどでもなかったけれど、下の弟への影響は絶大だった。彼はこのことを胸に刻んで、教訓にすると思う。」と自己評価したミッチェル。
第一の目的を果たせなかったのは残念だったけど、末っ子の将来には役立った、と言うことでしょうか。
今回のテーマは、ちょっと失敗かな?と思ったんですが、スパーロックは自分が学生時代から大学生の飲酒が気になってて、いつかは取り上げなくちゃ、と思っていたそうです。

このエピソードを見て、自分が学生だった頃を思い出してしまいました。
友人の中で一番お酒が弱かった自分にちょっと劣等感を抱いたのを覚えています。今思うと、別にコンプレックスになるようなことじゃないじゃないか、と思うんですけど、ホラ、学生の飲み会って、いっぱい飲んだもん勝ち、騒いだもん勝ち、ってとこあるじゃないですか。
あと、ビールのつぎ足し、って妙に腹が立ちませんでしたか?
自分の中では「ああ、やっとこれで終わり」って思ってんのに、上からドバッとやられて、「何すんのよぉ!」って感じ。こんなの自分だけでしょうか?
あと、今でも思い出すのがサークルで夜桜をした時のこと。
弘前公園の桜の下で宴会をしたのはいいが、お酒にめっちゃ強いK子先輩が日本酒の瓶片手に「marikzioちゃん、早く早くぅ〜!!」。私の紙コップにはまだビールが入ってるのに...。
「ぅるさぃなぁ」と思いつつ、あんまりせかされるので、ビールを地に流すわけに行かず、それに日本酒をついでもらいました。ビールwith日本酒は美味しいはずがなく、公園の公衆便所に駆け込む羽目になりました...。
その後の二次会も復活できず、真っ青な顔で過ごしたわたくし。
花見の時期になると、そのことを思い出します。軽く根に持ってるのかも!?

「モーガン・スパーロックの30Days Season One 」の全6話の予告編が見れるページ。
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by marikzio | 2006-10-06 22:03 | Television | Comments(0)

-5×2- by FRANCOIS OZON
あるカップルが経由する5つの場面。
『離婚』から『出会い』へと逆行するうちに、夫婦の間に横たわる謎が解かれていく、という恋愛ミステリー。オゾン映画と言えば、"同性愛"がお家ゲイ(Rimbeauさんから拝借)なんですが、今回のテーマはヘテロ愛。
...と思いきや、奥さんの後ろにまわされた旦那さんの手。この"お尻"に対する執着がカギだったんですね。
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邦題 『ふたりの5つの分かれ路』
出演  ヴァレリア・ブルーニ・テデスキ、ステファン・フレイス
監督・脚本 フランソワ・オゾン
2004年 フランス

注意! 激ネタばれ!!!


30代のカップル、ジル(ステファン・フレイス)とマリオン(ヴァレリア・ブルーニ・テデスキ)。
物語は二人の離婚調停場面から始まります。一人息子がいるが、すでに別居状態の二人。無事に(?)離婚成立した後で、なぜか二人は同じ部屋の中にいました。
「カーテンを閉めようか」と訊ねるジルに対して、「いいえ」と答えるマリオン。
ジルはジャケットを脱ぎ始め、マリオンは少しの間ためらいますが、彼に続きます。
えっ、離婚したばかりの二人がベッドイン???
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マリオンはすぐにやめようとするんですね。「やっぱり、ついて来なければ良かった。」
しかし、それを遮って行為を無理矢理続行するジル。あまりの苦痛に悲鳴を上げるマリオン。彼女の目には涙が...。どうやら、女性としてされたくないことを元夫にやられてしまったようです。
やっぱり変態オゾン様。今回は男女の愛だと油断してたのに、しょっぱなからカマしてくれます。
その後、バスルームから出てきたマリオンは、ベッドにはジルの姿はなく、部屋の窓が開けっぱなしになっているのにギョッとします。
「自殺したと思ったんだろ?」彼は部屋の片隅に身を潜めていました。
「裸でセックスできて満足だろ?」と謎めいた台詞を吐く元夫。
「君の勝ちだ」
「勝ち負けじゃない。終ったのよ。」
「いつも君が正しい。おわりだ。」

「やりなおせないか?」
そして、一人部屋を出て行くマリオン。

場面は変わって、家族として暮らしていた頃のアパート。
仕事から帰ってきたばかりのマリオンを待っていたのはジルと幼い一人息子。シャワーを浴びたい、と言うジルに対して、マリオンは化粧を直したいからちょっと待って、と言います。鏡の前でドレスアップしているマリオン。息子を寝かしつけたあとで、ジルはバスルームへ直行。どうやら、これから出かけるか、来客があるらしい。
ドアの呼び鈴が鳴って、ゲストを出迎えるマリオン。今夜の客はジルの兄クリストフ(アントワーヌ・シャピー)で、彼の恋人はこれから来る予定だと言う。今夜は夫婦と兄とその恋人の4人でパーティをすることになっていたのです。
クリストフの恋人はめちゃめちゃ若い美青年。おじさんのクリストフとは、誰がどう見たって不釣り合いな相手。その彼が今までいろんな相手(♂)に身をまかせてきたと、奔放な告白をし、それを笑顔で見守るクリストフ。
そんな中でふとジルが口を開きました。「浮気はホモの専売特許じゃないんだぜ。」
なんと、この場で自分の乱交体験話を披露。その現場にはマリオンも居合わせていたのですが、彼女は参加しなかったのです。そして、その時、初めて男性体験をしたと語るジル。「兄貴の気持ちがわかったような気がしたよ。」
言うまでもなく、このエピソードが二人の未来を決定するものとして、暗示されています。この時点ですでに二人はセックスレス・カップルらしい。

更にタイム・スリップして、マリオンが出産する場面。
妊婦の定期健診に来ていた彼女に、異常が見つかって、「ただちに陣痛を起こさなくては」と宣告されます。急遽、人工的に出産させられることになったマリオンは夫に連絡を。
非常事態だというのに、ジルは敢えてレストランでゆっくりランチを取り、渋滞でもないのに、車の中に居座って時間を潰します。携帯には何件もの留守電メッセージが。出産に直面している妻からのものであることは言うまでもありません。ようやく彼が病院に到着した時は、赤ん坊は生まれた後でした。
保育器の中の弱々しい未熟児が自分の息子だと、どうしても実感できない風のジル。自分が父親になってしまったことすら認めたくないように見えます。
ここで夫婦の間に溝が出来ていることが伺い知れるんですが、妻を妊娠させているんだしなぁ、いつから隙間風が吹くようになったんだろう???
と思っていたら、マリオンご懐妊の秘密は新婚式初夜に隠されていたのです!...って、私の深読みかも知れませんが。

二人の出会いはカリプソ島でのヴァカンス。
恋人ヴァレリー(ジェラルディン・ペラス)と来ていたジルは、仕事上での顔見知りだったマリオンとビーチでばったり遭遇。彼女が一人旅だと言うので、彼は3人でごはんを食べようと誘います。
マリオンはお一人様ヴァカンスだったんですね。ホテルにチェックインする時にルームナンバーが213だったのに、「あらっ!」と声をあげます。コンシェルジュが「迷信を信じます?」と聞くのに対し、「いいえ」と答えるエピソードがあるんですが、そんな迷信があるんですね。具体的な内容は知らないんですが。
ヴァレリーは美人だけれど、ちょっと高慢。お一人様で食事している女性を「ちょっと哀れね」と言ったり、マリオンにも「一人で嫌じゃない?」と露骨に聞いたりする。マリオンは失恋して4ヶ月たったばかりで、まだ新しい恋を始める気になれないのだと言う。
この旅はジルとヴァレリーにとっても分岐点となる旅でした。二人の間に不協和音が生じつつあって、そこに登場したマリオン。仕事上、顔をあわせるだけで、彼女のことはほとんど知らない...。
「魅力的な人ね。」やや皮肉な調子で評するヴァレリー。「あの子に欲情してるんでしょ?」
「そうだ、彼女に欲情している。」そう言いながら、ヴァレリーを後ろ向きにするジル。二人の間に何が起こったのかは、はっきりわかりませんが、次の朝、一人で山登りをするヴァレリーの姿が。
そして、ジルはマリオンと時間を過ごしていたのです。
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b0069502_11192784.jpgマリオン役を演じたヴァレリア・ブルーニ・テデスキは北イタリア、トリノの名門ブルーニ家の出身。
妹は元スーパー・モデルで歌手としても大成功したカルラ・ブルーニ。
映画デビューは1987年で、「君が、嘘をついた」、「愛する者よ列車に乗れ」など出演作多数。
「今まで男たちの被害者的役が多かったが、今回は初めて幸福や欲求を求める、ごく普通の女性を演じることができた」と語っていますが、この作品だって、ある意味、充分被害者なんじゃないの?と個人的に思ってしまいました。
でも、ジルとの出会いや結婚、出産、別れの決意など、自分の選択で歩んで来た道は、一人の女として生きた証なのです。一人ビーチで所在なげだったマリオン、男を後に遠ざかって行くその背中に力強さと共感を覚えます。これからも自立した女として、母として前を向いて進んで行って欲しい、とエールを送りたくなるのは、私だけではないと思います。
妹カルラのような華やかさはありませんが、雰囲気的に好きな女優さんです。それに、とっても素晴らしいプロポーション!「ぼくを葬る」でも出演しているそうなので、是非ともオゾン作品の常連の顔になって欲しいです。
夫役のステファン・フレイス、顎髭で時間の流れを出していました。離婚直後なんて、ゲイのおじさんそのものの風貌になってましたね。ちょっとヴァンサン・カッセルに似ているような気がするんですが...。インタビューの中で「ジルはとても苦しんでいるんだ。マリオンは強く、ジルは傷つきやすいけれども、彼は性の認識について、くよくよ悔やんではいない。結婚が破綻して、消えていくのにも、苦しみながら対峙しているのだから、彼は意気地無しではない。」と語っていました。

この映画を見終った時、正直、何が言いたかったのかよくわかりませんでした。
性の不一致で心が通わなくなって、離婚の道を選んだカップルの話なんて珍しくもないし、特別ドラマチックな展開があるわけではないし、時間を遡るという手法も特別斬新なものとも思わないし。
まぁ、オゾン映画には「何だったんだろう?」というモヤモヤ感がつきものであります。彼のコメントや役者のインタビューを読んで初めて、「ああ、そういうことだったんだ。」と納得することの方が多いです。
で、結局、最後には好きになっちゃった作品でした。

画像元 Francois Ozon site officiel

日本語サイト 「5×2 ふたりの5つの分かれ路」 オフィシャルサイト
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by marikzio | 2006-10-04 09:22 | Movie | Comments(2)

-Nathalie...- by Anne FONTAINE
夫の裏切りに気づいてしまった妻。
知っているようで知らなかった夫のセクシャリティー世界。秘密の会員制クラブで知り合ったプロの女に、彼女はある頼み事をする。
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邦題『恍惚』。
出演 ファニー・アルダン、エマニュエル・ベアール、ジェラール・ドパルドュー。
監督 アンヌ・フォーテーヌ。
2003年 フランス。

妻であり、産婦人科医でもあるカトリーヌ(ファニー・アルダン)。25年間連れ添っている夫のベルナールの誕生日の夜に、サプライズ・パーティを開いて彼の帰りを待っていました。しかし、出張先のスイスから帰る予定だった彼は、搭乗する便を遅らせることになり、「今夜中には帰れそうにない」との電話が入り、あえなくパーティはお流れに。
落胆してベッドに就いたカトリーヌが目覚めると、そこには朝帰りしたばかりの夫の姿が。「自分の誕生日なんて、すっかり忘れていた。」と挨拶もそこそこに勤め先に向かったベルナール。彼が忘れて行った携帯電話を見つけたカトリーヌ、好奇心に打ち勝つことができなくて、彼宛の留守電メッセージを聞いてしまいます。
「夫は別の女性と会っていた!」
妻にその事実を問い詰められたベルナールは悪びれもせず、あっけらかんとこう言い放つのです。「こんなの一人二人じゃない、それに情熱はすぐ冷めてしまう。それに僕たち、セックスレス・カップルじゃないか。」
開き直るどころか、自分達の冷め切った関係を指摘されて、動揺を隠せないカトリーヌ。自分は、夫のもうひとつの世界を何も知らなかった、と言うことにも彼女は打ちのめされてしまいます。

カトリーヌの勤務先の近くにある、謎の会員制バー"SHOGUN"。
中に入らずとも、ドアから客を見送る娼婦たちの姿は何度か見かけていたので、彼女はある決意を胸に秘め、女一人で、秘密クラブの扉を開きます。
そこで、一人の若いブロンド女に目が止まります。「彼が好みそうなタイプだわ。」
彼女の名はマルレーヌ。波打つ体の線に、あざといアイメイクで縁取られた大きな目。感情を押し殺したような、どこか冷めてる雰囲気に同性でさえも魅了されてしまう。この女は夫が望んでいるものを与えてくれるに違いないと、カトリーヌはそう直感したのです。
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「あなたにお願いがあるの。」
「女の相手だってするわよ。」
「夫のことで」
「3人でプレイしたい、ってこと?」
「いいえ、夫には内緒で、彼を誘惑して欲しいの。」

ベルナールの前に登場する女はナタリー。通訳の勉強をしている女子学生、ということで、毎朝彼が顔を出すカフェに行って欲しい。そこで、煙草の火をもらうふりをして、彼に近づく...。ここまで具体的な設定を決め、夫との間に起こったことを逐一報告するように約束させるカトリーヌ。昼間のカフェで落ち合った時のマルレーヌはノーメイクでシンプルなシニョン姿。その自然体な美しさは夜の妖しさとは対称的。ナタリーはごく普通の女であって、商売女ではないから。

「彼は狙い通りに、喰いついて来たわ。」淡々と報告するマルレーヌ。「そして、部屋に行ったわ。」
「待ってよ、ナタリーは普通の女なのよ。それに、寝ろだなんて頼んだ覚えはないわ。」
「だって、誘われてしまったんだもの。どうしろと?」
嫉妬と嫌悪感で自制心を失ってしまったカトリーヌ。夫がいきなり見知らぬ女性とそんなことをするはずがない、と心のどこかで信じたい気持ちが残っている。浮気の証拠を見せつけられているにも関わらず。
「この話はこれで終わりね!」と言い捨てて、カフェから立ち去ってしまいます。

b0069502_10292360.jpgしかし、再び、秘密バーに姿を現すこととなるカトリーヌ。
ベルナールがどんな行為をしていたのかが知りたい。やっぱり、マルレーヌとの間に起こったことを聞いておかなくては、という激しい好奇心に突き動かされていたのです。
接客中のマルレーヌはカトリーヌを見つけると、アイコンタクトで2階に上がるよう指示します。
そこはホステス達の衣装部屋。客を迎え入れて、行為に及ぶこともある。
女ふたりっきりの、その赤い空間で、マルレーヌの口から語られた閨房での詳細...。それは想像を絶するほど猥雑でエロチック。胸を裂かれるような思いにかられながらも、マルレーヌの告白はカトリーヌを魅了してしまう。
「あなたは感じたの?」
「いいえ、私はいつも冷めてるわ。だってプロだもの。」

そして、二人は何度となく落ち合い、ベルナールとの情事を"共有"します。
マルレーヌの告白は回を追う毎にエスカレート。カトリーヌは彼女の話で頭がいっぱいになってしまい、家庭にいてもうわの空。こんな濃密な時間を過ごしているはずのベルナールは、妻の前では何事もなかったかのように、おくびにも出さない。
「あくまでもシラを切ってるのね。私はすべてを知ってるのに。」
マルレーヌはカトリーヌの仕事場にまで姿を現して、過激なプレイを事細かに再現。
「ベルナールはそんな男じゃないわ!」
遂に怒りが爆発。もうこれっきりにしましょう、と最後通告を突きつけてしまいます。

しかし、その後、カトリーヌは再びマルレーヌの仕事場を訪れるのです。
マルレーヌのもう一つの顔はデパートのコスメ売り場で働く美容部員。エスティシャンの資格を持つ彼女は、ゆくゆくはこの世界を捨てようと考えていたのです。
「私も男と寝たわ。」若いバーテンの男と関係を持ってしまったことを打ち明けるカトリーヌ。二人はもはや"共犯関係"。この関係を続行しようと提案するカトリーヌ。
そして、部屋を追われているマルレーヌのためにアパートを与えたりして、パトロンのような関係になっていくのです。ちょっとレズビアン的な匂いもあったりして、スリリングな展開です。
b0069502_1044059.jpg

しかし、ねぇ...。
第三者側、つまり観客側から見ると、マルレーヌの告白って、過剰過ぎて嘘っぽいんですよね。時々、辻褄が合わない、と思わせる場面もあったりする。予想どおり、マルレーヌの話はただの創作で、ベルナールとは知り合いにもなっていない、ということが判明するんですが、そのことに安堵感を覚えた私です。
「寝なくても金が稼げるオイシイ話」だと思って、作り話を聞かせたマルレーヌの気持ちはわからなくもないんですが、クライアントに「ベルナールは本気になってしまったみたい。自分のことを大切な存在にしたい、と言った。」などと言って、自分たちが抜き差しならぬ関係になりつつあると、明言までしています。厄介なオンナです。虚構の世界を語っているうちに、それが現実だと思い込むようになってしまったのかも知れません。自分達はあくまでも男たちの欲望に応えるだけの影の存在。そこには"愛"なんて存在するはずないから...。

このスーパー・エロチック映画、どんな変態おじさんが作ったのやら、と思ったら女性の作品でした。女性独特の感性で描いた、非現実的とも現実的ともとれる官能世界。夫婦の危機、なんてどこにもありそうですから。
よく男性と女性の性的相違点として、男性は写真や映像などビジュアル的なものに性的興奮を覚えやすく、女性は視覚から直接入る刺激よりも、ハーレクインなどの性的描写でセクシャルな気分になると言われていますが、この映画は、まさにそれを具現化したものだと思います。
この映画を限りなくエロいものにしているのは、ベアールの口頭による陳述。ひたすら喋るだけで、ドパルデューとの絡みなんて一切出て来ないんですよね。だから、観客は自分のイマジネーションに頼るしかない。でも、空想の世界を広げることが、極上の愉しみとなるのです。

主演のファニー・アルダン、複雑な役どころを巧く表現していたと思います。
上流家庭の知的な奥様の、夫の浮気に対する絶望感と嫉妬、そして、ふつふつと沸き起こる好奇心。確かイタリアに、浮気な夫を自分のところにつなぎとめておくために、妻が若い女(娼婦)を次々と買い与える、という小説だったか映画だったかがあったような気がしますが、こういう屈折した感情って、アメリカとかにはないような気がします。
そして、エマニュエル・ベアール、相変わらず蠱惑的でお美しい!『美しき諍い女』の頃とほとんど変わってない肌質、ボディライン、溜め息ものです。
40歳近いと思いますが、これからも、このようなセクシーな作品にどんどん出演していただきたいです。

日本語オフィシャルサイト Nathalie... "恍惚"
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by marikzio | 2006-10-03 10:07 | Movie | Comments(5)


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