カテゴリ:Television( 35 )

セクスィー部長 Sexy-bucho
オフ会ネタも消化し、お次はジェーンのライブ・レビューを、と思ったのですが、書きたくてウズウズしていたネタがあってので、先にそれを登場させちゃいます。
疎い私は最近になって、このキャラの存在を知ったのですが、有名だったのでしょうか?
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セクスィー部長こと色香恋次郎


"花形満ヘア"をなびかせ、甘い言葉と情熱的なダンスで女たちを零落させるフェロモン男、セクスィー部長。彼はオフィスの救世主。風のように現れてはその魅力でどんな難問も解決してしまう。
彼の匂いでみんなメロメロ。「あ〜れ〜」とばかりに床に崩おれる女たち。
まずは、彼の華麗なパフォーマンスをごゆっくりお楽しみ下さい。

セクスィー部長 # 1

セクスィー部長 #3

セクスィー部長 #14

セクスィー部長  #15

『セクスィー部長』はNHK制作のコメディ・プログラム「サラリーマンNEO」のコント。「サラリーマンNEO」は半年クールで第2シーズンが終了しているのですが、11月23日、BS hiで完全アンコール放送として朝の8時から19時半まで長時間オンエアされていました。
このセクスィー部長、顔黒もさることながら、頬紅とか目力メークが凄すぎ。色香恋次郎を演じているのは誰???と思っていたのですが、HPでチェックしたら、俳優の沢村一樹さんでした。
彼はレギュラー出演者でコント『がんばれ川上くん』でも主演しているのに、全く気づきませんでした。超2枚目俳優の沢村さんが、コメディでこれほどはまるとは!
本当は下ネタを口にするようなキャラだったのに、正統派イケメン路線が売りだったため、事務所から固く禁じられていたのだとか。今は解禁されたのかある意味、芸風に幅が出ましたね。
色香恋次郎、このまま突っ走って欲しいです!
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サラリーマンNEO

NYAON 5月号 「特集 色香恋次郎」
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by marikzio | 2007-11-29 21:35 | Television | Comments(0)

水曜どうでしょう
『水曜どうでしょう』
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これ、青森朝日では毎週火曜、深夜1時にオンエアされてます。
風呂上がりに髪乾かしながらテレビをつけると、"水どう"がちょうど始まって、「あ〜、また1週間が経っちゃったんだなぁ」と時間の流れの早さを感じてしまうというか。(しかし、私も夜更かしだな)
謎の男たち(失礼)がレンタカーで、ヨーロッパや国内を旅するというリアリティー番組。旅番組のわりには名所や有名レストランの紹介があまりなくて(一応は出て来る)、ひたすら車の中でガハガハ笑ったり、「今日は泊まれないかも〜」と大騒ぎする珍道中、といった趣でしょうか。
旅をしているのは男性4人組なのですが、顔を出しているのはそのうちの2人だけで、カメラ係、ディレクターと思しき残りのメンバーは声だけで出演、時にコスプレあり、という極めてシンプルな演出。
「何じゃいな、これ」とずっと前から思ってました。
しかし、風呂上がりの髪を乾かしたり、ネットをしながらチラ見、という程度にしか視聴してなかったので、あまり気に止めてなかったんですね。
しかし、何度か見ているうちに彼らの一見どうしようもないやりとりが絶妙に可笑しくて、一緒にゲラゲラ笑っている自分がいました。居酒屋で下らないお喋りを延々と続けているかのようなユルめの感じが気持ちいいです。
ローソンで「水曜どうでしょう」シリーズDVDのポスターが貼られてあるのを目撃して、かなり人気があることを認識しました。

Wikipediaなんかで調べて見ると、北海道テレビが制作しているローカル番組だったことがわかりました。放送が始まったのは1996年10月9日。出演しているのは企画担当者でもある鈴井 貴之(通称:ミスター)と大泉 洋。彼らはローカル・タレントというか役者さんらしい。
そしてロケ同行者として、藤村 忠寿ディレクター、嬉野 雅道ディレクターが加わり、男4人が、日本中、世界中を気まま、わがままに旅する姿を映し出すという独自のスタイルが口コミやネットを通して評判となります。地元、北海道にとどまらず南は沖縄まで放送され、日本中に"水どう"マニアが出現、隠れた社会現象を生みました。

「水曜どうでしょう」 Official website

非公式ファンサイト -どうでしょう リミックス

水曜どうでしょう Wikipedia

以前、「清流ワンダフル」を当ブログで取り上げ、ほどなくして番組が終了してしまい(しくしく)、これもすぐ終わっちゃったらどうしようと思ったのですが、レギュラー放送は2002年にすでに終了していて、現在日本中で放映されているのは再放送なのだそうです。それ以降は単発企画モノとして不定期に新作を制作。
もともとこの番組はヴァラエティー番組でコントやインタビューなどいろんな企画があったのですが、諸事情により、今の再放送は旅モノ限定のようです。しかし、今年7月の鳥取ロケで自然公園法で禁じられていることを知らずに、砂丘の砂を採取したことが問題になりました。
今、青森朝日では、「欧州リベンジ 〜美しき国々の人間破壊〜 」放送中でパリの凱旋門を出発し、ドイツ入りするはずが方向を間違えて、大幅にロスしてしまい、初日で野宿する羽目に陥ってました。ちょっと有名なレストランでディナーしたものの、着席してから1時間半経ってもフルコースの前菜すら来なかったりして、宿を取り損なったような。
ディレクター組の二人はキャンプ用のテントと寝袋を持参していましたが、鈴井さんと大泉さんは野宿を想定していなかったようで車中泊。しかし、車の鍵をディレクターさんが持ってテントに入ってしまったため、車中泊組は夜中ヒーターをつけることもできず、そのうえ窓が開いていたのに、鍵がないため閉めることも出来ず、鈴井さんと大泉さんは凍死の危険と闘いながら寝ずの晩を過ごしました。これ、シャレになってないんですけどね。

You Tubeで検索してみたら、いろいろヒットしました。(謝謝)
「水どう」見たことない人、削除されないうちに見てみてください。このシュールな笑いがお気に召すでしょうか?

彼らが再び訪れた南仏のエクスアンプロバンス。9年前は宿が取れずに徹夜ドライブした因縁の地。しかし、2006年はセザンヌ没後100周年祭りでホテルはどこも満員。彼らの運命は...!?
You Tube 泊まれないの?車中泊!?-①
You Tube 泊まれないの?車中泊!?-②

ドラマの撮影が控えてるため、日焼けできない大泉さん。
現地で超強力日焼け止めを購入したのはいいが、これが白浮きし過ぎでバカ殿状態に...。
You Tube 白い男

ノルウェーで出会った謎の女性、ムンクさんとのうたかたの恋。
これ、名作です!!!
You Tube 「フィヨルドの恋人」完全版
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by marikzio | 2007-10-10 21:51 | Television | Comments(6)

モーガン・スパーロックの 『IMMIGRATION』
モーガン・スパーロック 『30DAYS 2シーズン』の第2話は「不法移民と30日間」。
愛するアメリカの平和と秩序を守るため、市民ボランティア団体で活動するフランク・ジョージ。キューバから合法的に移民した彼は、非合法に移民してくる人々を許さない。そんな彼が、不法入国者のメキシコ人一家と寝食を共にする30日間。
果たして彼らの間に歩み寄りは生まれるのでしょうか....? 
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フランクが7歳の時、キューバ危機の煽りを受けて、一家はアメリカに移住しました。当時は温情措置もなく、両親はこれまでの私財を放棄して、何かと苦しい思いもしましたが、正式な手続きを経たおかげで、堂々と米国市民として生きていることを誇りに思っています。
それ故に、非合法にこの国に棲み着く移住者たちに対して厳しい目を向けざるを得ない。
かつてはよそ者を積極的に受け入れて来た、人種のるつぼアメリカ。しかし、際限なく流れてくる外国人移住者達が横溢し、アメリカがアメリカでなくなって来ている。
彼と彼の妻は警備員として国境に立ち、南からやってくる異国人達に目を光らせています。不法入国者たちは、自分たちの国へ帰る権利はあっても、ここに住む権利はない、と言い切るフランク。彼が好んで着ている星条旗Tシャツや「I LOVE AMERICA」というロゴが滑稽かつ空恐ろしくもあります。キューバ系のアナタのアイデンティテイって一体...!?

そんな彼が、ロスにあるメキシコ人一家のアパートで30日間過ごすことになります。
ゴンザレス家は夫婦と子供が5人の大家族。7人がリビングと寝室が1つの狭いアパートでひしめき合って暮らしています。アメリカで生まれた11歳のリカルドと10歳のカリーナ以外はみんな不法滞在者。(家族、個人名ともに仮名)
ゴンザレス氏は一般アメリカ人が誰もやりたがらないような、厳しい条件の肉体労働に従事し、生計を立てています。婦人は就職することができないため、廃品回収などをして、雀の涙のような収入でも大事にして、子供達のクリスマス・プレゼントにあてようとしていました。
「不法移民はアメリカのためにならない」というフランクに対し、17歳のアルミダは反論します。
「不法滞在者の私でも、一生懸命勉強して、いい仕事に就けば、結果的にこの国に貢献することになると思うの」
アルミダは知的な美少女。向学心旺盛で高校ではトップクラスの成績。進学することを希望し、第1希望のプリンストン大学からの合否通知を待っていました。ゴルフの腕前も素晴らしく、町のコンテストで優勝するほど。
しかしフランクは、「必死で中流家庭の真似事をしている」アルミダが哀れでならない。名門プリンストンで学びたがっているのも、上流社会の娘たちと同じことをしたがっているだけだ、とコメント。
「あなただって、私たちと同じラテンアメリカ出身でしょ。だったら、理解してくれてもいいはずよ。なんで、将来に希望を抱いちゃいけないの?」こう必死に訴えるアルミダ。
彼女の高校の先生も登場して、「フランク、君の考えは間違っている。彼らの将来を潰す権利は君にはない」と指摘します。
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ゴンザレス家のドアを叩く時、フランクは彼らが懐にナイフでも隠しているのではないか、と不安に思うほどでした。何故なら、彼らにとって自分は天敵。そして、ゴンザレス・ファミリーにとっても、フランクとどれくらい解り合えるかは予測不能でした。
「ラテン系なら、きっと理解してくれる」と楽観的な母親に対し、娘達は「ラテン系だからこそ、タチが悪い、ってこともある。なんで同じ移民なのに、私たちを追い出そうとしているの?」と昂然と反論。
しかし、フランクはゴンザレス夫人の懐の暖かさ、家族愛溢れる一家に次第に心を動かされて行きます。「不法滞在は悪いことだ。しかし、心根がとてもいい人達なので複雑な気持ちになる。」

フランクは、ゴンザレス氏の母国メキシコに渡り、彼の実弟に会うことになります。アメリカに渡って10数年、彼らは一度も帰国していません。自分の国を永久に捨てるという、決意。そこに到るまでにはよほどの事情があったというわけです。
メキシコに渡ったフランクの前に突きつけられる衝撃的な事実。ゴンザレス家の狭いアパートでさえ、決して居心地がいいとは言えないのに、メキシコの弟の家は泊まるのが憚られるような有様でした。何もかもが古くて、どんなに掃除しても払拭できないほどにこびりついた生活の垢。そして、ゴンザレス一家がかつて住んでいたという家の跡を訪れるフランク。
煉瓦を積んだだけの壁以外には天井もなく、草木も伸び放題の廃墟。ここで暮らしていたなんて。その凄まじさに言葉さえ失います。人が住まなくなってから10数年も経っているので、当時はこれほど荒んではいなかったと思うのですが、「これはもはや人間の生活とは呼べない」と絶句するほどの有様のようです。
「なんでアルミダがあれほどまでに学業にこだわるのかがわかった」と呟くフランク。
「ここにはまともな仕事もない。彼らはアメリカに渡るしかなかったんだ。」とゴンザレス氏の弟は語るのです。
その夜、ゴキブリ出放題の弟さん宅に宿泊するフランク。ロスでの狭いアパートが懐かしい?

アルミダはプリンストンへの入学が認められず落胆。「まぁ、東海岸なんて寒いだけだしね。」
彼女ほどの美貌と知性を持ち合わせていたら、何だって手に入るはずなのに残念です。しかし、結局、地元の大学に入学が決まり、ともに喜びをわかちあう彼女とフランク。
彼は今や、ゴンザレス一家を心から応援するようになっていました。最終的に、彼は自警団に残ったものの、国境に立つのはやめたそうです。
その後、アルミダは地元の大学に入学したものの、プリンストンに編入する方向で申請中なのだそうで、夢をあきらめてはいないようです。そのハングリー精神は見習いたいものです。

アメリカン・ドリームという言葉がすっかり古くさくなった昨今ですが、未だに、この国に夢を託すしかない人々がいっぱいいるというわけですね。今回はさほど意外性もなく、あっという間に終わってしまった、という感じでした。
シーズン1ではイスラム教徒と暮らした敬虔なクリスチャンやゲイと暮らしたストレートな青年がある程度の相互理解は生まれたものの、完全には自分の信条や偏見を払拭することはできなかったんですが、今回は、ほぼめでたし、めでたし、という結末でした。
しかし、ゴンザレス一家。いくら仮名とは言え、しっかり顔を公表しちゃってて大丈夫なのかなぁ。特に大学進学が決まった彼女なんかは、その後が心配です。
番組サイドはそのへんのフォローは考えてるんでしょうか。アメリカ人のそーいうところがアバウトなんですよね。

WOWOW ONLINE
モーガン・スパーロックの『30DAYS』第2シリーズ

FX Networks
30DAYS

お知らせ
明日から出張のため、今週いっぱいブログ更新できません。
しばらく留守にしますが、また来週お会いしましょう♪

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by marikzio | 2007-06-25 17:11 | Television | Comments(0)

モーガン・スパーロックの 『JAIL』
先週からWOWOWで始まった、モーガン・スパーロックの『30DAYS』第2シリーズ。
初日の「刑務所で30日間」は、スパーロック自らが入所して服役生活を体験するという、これまた究極の30日間なのです。
麻薬取り締まりが強化され、表面的には治安が向上したアメリカ。しかし、投獄者が激増したことにより、刑務所はどこも超満員。我々が映画の中でしか知らない塀の中の世界とはいかに!?
禁断の扉が今、開かれようとしています。(笑)
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一度だけ留置所に入れられた、という前科を持つスパーロック。しかし、彼にとって、それだけでも充分恐怖の体験でした。それが今度は極道者どもがすし詰め状態になっている刑務所、と言えばなおさらビビります。
「襲われるかも知れない」というジョークとも弱音ともつかない発言に、「こんな企画はやめて」と哀願する婚約者(今は妻ですが)のアレックス。
しかし、スパーロックはNYを離れ、ヴァージニア州はリッチモンドへ飛び立ちます。刑務所名は伏せられていますが、地名が公表されてる以上、地元の人であれば、何という刑務所なのかはすぐわかってしまいますよね。(^_^;)

b0069502_17315490.jpg現地に到着して、いざ入所手続きへ。そして、彼に渡される1枚のマットレス。
監房棟は中央が大きなホールがあり、その周りを監房室のドアがいくつもあって、ぐるりと囲んでいるような感じでしょうか。入所者は自分の部屋を出ると階段を下りて、中央ホールに集まるのです。で、しょっぱなから衝撃的だったのは、自分が寝る部屋は自分で探すこと。
すでに定員オーバーなので、部屋とベッドが間に合うはずがなく、新入りはマットレスを抱えながら、部屋を一軒一軒廻って、受け入れてもらえそうな部屋を探すのです。こんなアバウトでいいのかなぁ、とカルチャーショックを受けるワタクシ。
左の写真でスパーロックは上段ベッドに横たわっていますが、実際は床の上で寝てました。
トイレ(鉄製!)はどの部屋にもあって、いつでも使えますが、便器は何の囲いもないので、同室者の前で用事を足すことになります。ホールにも個室トイレがあるんですが、使用中に誰かに突然ドアを開けられたりしないよう、使用中と書いたメモを挟んで置かなくてはいけません。
シャワーもありますが、カーテンを閉めたとしても、2階にいる利用者からはすべてがお見通し。ここにはプライバシーなんてものは存在しないのです。

それから、更に驚かされた刑務所の実態は、入所者が延々と放っておかれること。24時間、何の使役も与えられず、虚しく時間を過ごすだけの日々。何もしないで、孤独や退屈と戦うこともまた、彼らに科せられた罰なのです。当然、時間潰しの娯楽なんて、あるはずがないし。彼らを更生して社会復帰させるための施設のはずが、何のケアもされず放置されっぱなし、という驚くべき実態が明らかにされます。
中には労働に就く者もいます。これはある意味、特権的なことなのだそうですが、これはこれで拷問。作業内容と言えば、入所達の食事の準備、シーツや囚人服のクリーニング、と言ったところなのですが、入所者数事態が膨大なだけに、準備する食事や洗濯の量が並ではありません。働けど働けど、仕事はなくならない。下手をすれば、延々72時間休みなしで労働するわけで、すでに人間の体力の限界を超えてしまっているわけです。
入所者のほとんどが前科者で出戻り。しかも、統合失調症などの精神疾患者が多い。実際、全米中で心の病に患っているのは医療施設より、刑務所で過ごしている人の方が圧倒的に多いのだそうです。服薬治療を受けている入所者は、毎時間、看護士からガラス窓ごしに呼ばれて、薬を受け取ります。

途中でスパーロックは独房に移ることになります。
独房に入るのは、重度で危険度の高い利用者。一人部屋だから、いいんじゃないかと思ってましたが、とんでもなかったです。相部屋も狭かったけど、独房はさらに小さくて、そこに閉じこめられているだけでも発狂しそうになります。ドアにはほんの小さい窓があって、囚人はそこからしか外の世界を見ることができない。誰とも口をきかず、一歩も部屋を出られず、自分が生きていることさえ、世界中から忘れられてしまったかのような閉塞感を味あわされるのです。
ようやく独房から出ることが出来た日、見慣れたはずのホールの広さに別世界を見るような錯覚すら彼は覚えてしまいます。

入所期間中、面会が許されたのは2回。
1回目の面会は両親。取材のために牢獄体験しているとわかっていても、ガラスの向こうにいる囚人服姿の息子に両親は戸惑いを隠せません。
「面会の直後ほど、深い孤独を感じることはない、と言われたけれど、本当だった」とスパーロックは語っていましたが、その辺は果たしてほんとかなぁ、と苦笑しちゃいました。
2回目はもちろん、愛するアレックス。映画でよく見るように、ガラス越しに手を重ねる二人。涙をこぼすアレックス。スパーロックって、かっこいいけど、彼の妻でいるには相当の忍耐力が必要なのではないでしょうか?
「私ったら、なんで、もっと普通の男性を好きにならなかったんだろう」と考えたことはないのでしょうか。  
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スパーロックと同室していたのは50代の黒人男性と25歳の白人青年。いずれも出たり入ったりして、人生の大半を獄中で過ごしています。
特に青年は少年の頃から麻薬中毒者で、真夜中でも禁断症状に襲われ、あまりの症状の激しさに息の根が止まるのではないかと、スパーロックはヒヤヒヤ。これほどの状態なのに、ここの施設では放っておかれるんですね。
青年は育った環境が恵まれておらず、もっと身近の人間か彼を支えてくれたら、彼の人生はもっと違うものになったはず、とスパーロックは言います。
青年は麻薬中毒者専用の施設に移ることになったから、彼はもっと人間的な生活ができるようになるだろうとスパーロックは期待します。そして、50代の黒人男性も刑期を満了して、娑婆に出られる日がやって来ました。「ここを出たら、絶対真人間になってやる。」とスパーロックに誓った男性。スパーロックは自分が出所したら、どこかで飲もうと約束します。

スパーロックにも刑務所を移る日がやって来ました。
移転先は薬中青年が移って行ったのと同じ刑務所。しかし、ここは薬物中毒者を更正させるための特別プログラムが組まれており、一日のスケジュールがしっかり詰まっていました。月に何度か、外部ゲストの講演があり、その講演者は薬物地獄から見事脱出することができた人とか、ちゃんと社会復帰できた人の体験話だったりして、入所者に希望を与えるものです。グループ・カウンセリングまであって、前者の施設とは何もかもが対照的。スパーロックは元同室者に再会しますが、以前の彼とは別人のように明るくなった笑顔を見ることができました。
しかし、青年は保釈金を積んでもらって、その刑期を全うせずに出所してしまう。スパーロックは懸念します。「ここでの更正プログラムを最後まできちんとやり終えてから出所するべきだった。このままではまた、犯罪を犯してしまうような気がする。」
更正プログラムを最後までやり終えた者の中で、再び犯罪を犯すことがなくなった者は全体の数パーセントにしか過ぎないと言うが、それでも人数にするとかなりの数になるになるそうなので、社会的には大きな貢献になるわけです。
自分の家族にまで見放されていた彼が保釈金を出してもらったのがちょっと矛盾するというか、不思議だったのですが、スパーロックの予想どおり、青年は2週間も経たないうちに逮捕されます。そして、前の刑務所で一緒だった黒人男性も再び逮捕・投獄。スパーロックと娑婆で飲もうという約束は果たされなかったのです。
スパーロックは27日目に釈放。ここの国の規則で、刑期の8割を全うすると、出所できることになっているそうです。

自分は刑務所というものについて偏見を持っていたと思います。
国によって、アメリカと日本では施設のあり方というものが違うとは思いますが、刑務所というものは本来、罪を犯した人間が反省し、社会に適応するために学び直す場所。自分は危険な犯罪者を野放しにしないで隔離しておく場所だと漠然と認識していました。
事実、犯した犯罪があまりにも重篤で、再び繰り返す危険性が高いケースもあるので、そういう見方も仕方ないと思うのですが。
スパーロックが最初に入所した施設は、自分が思い描いていた刑務所とほぼ近いと思います。って言うか、自分が想像していたよりも酷い。後に移転した施設は、まさに目からウロコ、でした。刑務所の概念を大きく裏切るものがあったというか。ムショと言えど、どこでも同じ、というわけではないんですね。
犯罪者であろうとも、我々と同じ人間。人間性を尊重し、自分を肯定できるように導くことが、再び犯罪に走ることなく、社会の一員として復活できる近道なのかも知れません。

今後の『30DAYS 第2シリーズ』

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第2話 「不法移民と30日間」
6月23日(土)

第3話 「アウトソーシングを30日間」
6月30日(土)

第4話 「人工中絶論争を30日間」
7月7日(土)

第5話 「無神論者と30日間」
7月14日(土)

第6話 「ニュー・エイジ体験を30日間」
7月21日(土)




これは、スパーロックと妻アレックスのBaby。
ご本人のブログ(放置プレイ状態)で公表されていました。すでにパパ譲りのおヒゲがあるところがコワイ。
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WOWOW ONLINE
モーガン・スパーロックの『30DAYS』第2シリーズ

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モーガン・スパーロックのブログ
30Days Archives
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by marikzio | 2007-06-20 17:30 | Television | Comments(2)

関口知宏の中国鉄道大紀行
最近、ゆっくり記事を書く時間が持てなくて週1ブログになりかけてるn'importe quoi!です。もうしばらくしたら、仕事の方も余裕が出てくるので、更新ペースを上げて行きたいと思います。
さて、今日はとっても濃ゆ〜い映画のレビューを書こうと思ってたのですが、また風邪を引いてしまい、頭痛・鼻水でどよ〜んな状態なので、さくっと行きたいと思います。

最近、BSハイビジョンでこんな番組がオンエアされてます。
『関口知宏の中国鉄道大紀行』 〜最長片道ルート36,000kmをゆく〜
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俳優の関口知宏さんが、鉄道に乗って中国大陸を旅する軌跡を現地で中継しながら辿って行くというリアルタイムな旅番組。
何と言っても中国は巨大大陸。移動時間が半端じゃない!寝台列車で移動時間48時間なんてザラ。いつも超満員状態の中国鉄道。座席に座れず、床でしゃがんでいる人々をまたぎながら、関口さんとカメラは進んで行きます。もちろん寝台で旅する旅客もいるけれど、普通の座席の下に潜り込んで横になっている人がいっぱいいるのにも驚きました。
こういう光景って、かつての日本にも珍しくなかったかも知れませんね。

この大紀行の出発点はチベット地方にあるラサ。標高が富士山より高くて、下車すると高山病になる人もいるとか。関口さんやスタッフはまさに体力勝負の旅なんですね。軟弱ものの私にはとうてい無理です...。
この航空写真の中で関口さんの顔写真があるところが、現在地の石門県です。
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関口さんは、これまでにもイギリス紀行などの旅番組に出演していて、英語が堪能。しかし、中国語に関しては全く初心者ということで、旅を続けながら中国語を覚えて行きたいと言っていたのですが、すでに簡単な会話はできるようで、列車の中で現地の人々にも「上手だね」なんて言われてました。最新式の(?)電子辞書(手書きパネルで入力できるやつ)を持参して、発音までチェック。こんなことを現地人の前で恥ずかしがらず、ふつーにやっちやうところがお茶目というか。
途中下車した場所では老若男女の様々な人々に話しかけては、その家にお邪魔しちゃったり。いつぞやは、ある家族のお墓参りにまでついて行ったりしてました。中国のお墓参りというのは、鶏を持っていって、その場で鶏の頭を先祖代々が眠る墓石にくっつけたりするんですね。鶏というのは、子孫繁栄とかを意味したり、縁起物にあたるらしいです。通訳の女性に「ちょっと図々しかったかも」なんて言われてましたが、彼には憎めないところがありますね。

関口さんの飾り気のないキャラに私は惚れ込んでしまいました。
「うわ、こりゃ派手だな〜」とか「あ〜、味噌汁飲みてぇ〜」などど思ったことをそのまま口にしてしまう、しかしその口調に嫌みなところがなくて親しみが持てます。視聴者の方だったか「仕事で旅行ができてうらやましいですね。」と言ったのに対し、「じゃあ、乗ってみなさいよ〜(列車のこと)。ほんときついんですから!」とそのまんま喋っちゃうところも芸能人っぽくなくていいですね。
番組がスタートした日、通訳の女性が挨拶したのですが、一言二言で終わってしまったことに、びっくりして「ええ〜、もう終わり!?打ち合わせではあれもこれも話すことになってたじゃん!」と口走ってしまうところも面白い人だな、とは思ってたのですが。
あと、どこだか忘れちゃいましたが、あるおばあさんが古い建物に向かって祈りを捧げる場面があって、そのお祈りの仕方というのが、立ち上がったかと思えば、地面に這い蹲ったり、これを何度も繰り返して、数時間も続けていくのですが、これを関口さんが一緒にやるハメになるんですね。お気の毒ながら笑ってしまいました。
今日は路上でおばさん二人が民族的舞踏を披露していて、「これを踊れば疲れが取れるそうです。だから私たちも踊りましょう」と通訳の女性に言われて、見よう見真似で奇妙なダンシングしてました。

この旅の最終地は西安。
番組終了は6月10日ということで、それまで彼を見守って行きたいと思います。

関口知宏の中国鉄道大紀行
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by marikzio | 2007-05-13 17:18 | Television | Comments(0)

エロスに生きた男 -池田満寿夫-
版画家、画家、そして芥川賞作家とマルチな才能を発揮した故池田満寿夫。
徹底したエロスの追及、4人の女性との結婚生活など、生き様そのものがドラマチックだった彼が急逝してはや10年。最後の妻、佐藤陽子の証言を通して、池田の人物像、そして二人の愛情関係を浮き彫りにする、という趣向のドキュメンタリー番組を見ました。
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NHK BS ハイビジョン特集 
シリーズ恋物語 「エロスに生きた男 最後の恋」
2月28日(水) 午後8:00~午後9:50 放送


熱海の海が見える部屋。まぶしい陽光の差し込むフロアで、飼い犬の名を呼ぶ佐藤陽子。二人が夫婦生活を送ったこの部屋で、今も彼女は犬達と一緒に住んでいます。
「とにかく、愛いっぱいの人だったの。」
とびきり大きな瞳を見開いて、ヴァイオリニストの彼女は語る。出会いから、突然の別れまで18年間。45歳と29歳。お互い、結婚している身でありながら、激しい恋愛関係に落ちた二人。陽子は池田に言った。
「自分のこれまでの波乱万丈の人生も成功も、すべてあなたに会うためにあったのね。」

池田満寿夫は1934年、満州生まれ。終戦後、一家は郷里の長野に引き揚げることになります。学生の頃から油絵を描いていた彼は、高校生の頃、自分で描いた裸婦像を学校の廊下に貼り出して、問題になります。
「これは猥褻ではなく、エロスだ。」学校側にこう抗議した、とかで当時、彼につけられた名前は"エロス"。そのあだ名にふさわしく、彼は生涯にわたって、エロティシズムを、とりわけ欲情に悶える女性の姿をモチーフに創作活動を続けることになるのです。陶酔する女の姿を自分は覗き見する存在でありたい。その欲求が彼の創作エネルギー源であり、カタルシスとして浄化されて行ったのです。
しかし、若くして彼は挫折に直面しています。画家、彫刻家をめざして、東京芸術大学を受験するも三度に渡って失敗。受験生時代、ある家庭に下宿していましたが、21歳で、その下宿屋の娘、自分より10歳も年上の大島麗子と結婚してしまうのです。
その結婚にまでこぎつけた経緯というのが非常に奇妙。恋愛関係ですらなかった二人が一線を越えてしまったのが、麗子の母親が死んだ通夜。亡き骸が眠る隣の部屋で、麗子に欲情する池田。「あなたの子宮が見たい」
「結婚してくれるなら、見せてもいいわ」引攣った笑顔で答える麗子。
ま、マジですかい?子宮って、そう簡単に見れるものなんでしょうか?それとも、開腹するってこと?ぎゃ〜、猟奇的!!!
後に池田は「子宮とは人体の中で、唯一、指で触れることのできる臓器。だから、覗き見ることだってできるはずなのである。」とエッセイで語っています。
そして、二人は肉体関係を持ち、池田は約束どおり結婚。しかし、進学はおろか、仕事にも就かない若き夫。麗子は親が残した財産で、生計をたて、池田のためにアトリエを新築しています。しかし、これが逆に、彼を精神的に追いつめていく結果となったようです。
これって、後に池田が書いた短編小説、「テーブルの下の婚礼」の下敷きになっていたのですね。この小説に登場する青年は芸術家をめざしつつも、受験に失敗し続け、デッサン研究所へも足が遠のいてしまった。下宿には行き遅れのあまり魅力的とは言えないサキコがいたが、この女性と寝てしまってからは、毎日のように愛欲をむさぼるだけの怠惰な日々にどんどん堕ちて行くのです。あまりの自堕落ぶりに、読んでいて嫌悪感をもよおすほどだったのですが、抽象的だが背筋がゾッとするようなラストで突然終ります。
大島麗子は職業を持たず、家に引き篭もっているような女性だったらしいので、池田は次第に彼女とのタコ壺の中のような結婚生活に息詰まって行ったのかも知れません。若気の至りとはいえ、「子宮が見たい」というだけで、結婚してしまうなんて、一生の不覚。彼はその後、3人の女性と婚姻関係になるのですが、大島麗子は離婚に応じなかったので、 正式に結婚はできなかった、ということです。しかし、池田と同じ下宿に住んでいた友人によれば、麗子は池田の作品を褒めてくれた最初の女性だったそうで、「愛するより、愛されたい要求の方が強い。自分は常に作品を横で評価してくれる女性の存在がなければならない」という池田の気持ちが、麗子に傾いたのも仕方がない、と言われればそうだったのかも知れません。

妻帯者である池田は知人の紹介で、新進気鋭の詩人、富岡多恵子と出会います。麗子と違って才能に恵まれた多恵子は交友関係も華やで、自分がこれまで知らなかった世界というものが一気に開かれて行きます。多恵子は色彩銅版画に着手した池田の助手を献身的に務め、彼の才能を一気に開花させて行きます。麗子は離婚を承諾してくれなかったので、25歳の時に駆け落ち、という形で事実上の結婚生活に別れを告げます。
1956年、画家・瑛九(えいきゅう)のすすめで色彩銅版画をはじめます。1957年、第1回東京国際版画ビエンナーレ展に入選。そして、1965年、ニューヨークの近代美術館で日本人初の個展を開催。多恵子とともにニューヨークを渡り、以来、1979年まで日米往復生活を続けることになります。池田の関係者の証言によると、多恵子は男に仕事をさせる力のあるすごい女ということで、彼女の存在がなかったら、その後の池田はなかった、と言われるほど。今も元気に活動されているはずなのですが、この番組には登場していません。それがちょっと残念でした。
現地での通訳に作品製作の助手、というふうに夫の黒子役をして来た多恵子ですが、彼女自身もまた、非常に才能あふれる詩人だったので、そろそろ自分の創作活動にだって力を注ぎたい。次第に二人の心にすれ違いが生じ、溝が深まって行くのです。
「あなたは、私がいなければ何もできない、何も知らない坊やだった」遠距離電話で、延々と自分の不満や小言を池田にぶつけ続ける多恵子。
これって、池田が芥川賞を受賞した「エーゲ海に捧ぐ」のシチュエーションそのものですよね。「テーブルの下の婚礼」も「エーゲ海に捧ぐ」も池田の実体験が材料になっていたのですね。

過去記事 「エーゲ海に捧ぐ」と「テーブルの下の婚礼」 池田満寿夫

多恵子は去って行きましたが、未知なる世界に踏み入れてしまった池田が後戻りすることはありません。そして、異国の地、アメリカで彼は三人目の伴侶を見つけることになるのです。
中国系アメリカ人、リラン・ジー。ニューヨーク出身の彼女は画家。池田の銅版画に魅せられて近づいて来た彼女と池田は新しい生活を始めることになり、作風まで変わってしまいます。
しかし、海外生活が長くなるにつれ、次第に故郷に対する渇望がつのって行った彼は、自国の言語で小説を書き始めることになります。
そして処女作品の思いがけない成功。しかし、画家であるはずの彼がペンと原稿用紙で小説を書いている姿に妻リランは当惑し、不信感を抱いてしまう。そして、今度はこの小説を原作に映画を創るため、自らメガホンを取るという。それが、ますますリランの懐疑的心情に拍車をかける結果になるのです。イタリアのロケ現場から、いつしかリランの姿が消えていました。

映画「エーゲ海に捧ぐ」は原作とは大幅に内容が違っています。(私は未見ですが)
簡単な筋書きだけがあって、池田のその日のひらめきによって、撮影内容とか展開が決まる、という即興的なものだったらしいです。番組では、撮影にかかわった現地スタッフや主人公の青年役を演じた俳優が登場(ただのオッサンになってた)。当時を回想してのインタビュー。
この映画の最後で主人公の青年は命を落とすのですが、これはおそらく池田本人がこれまでの生活に決別し、新しい人生を切り開こうとしている暗示だろうと映画関係者が語っていたのが印象に残りました。
この映画撮影はリランとの離別と同時に新たな運命の出会いをもたらしました。日本人女性でいながら、世界的ヴァイオリニストであった佐藤陽子。当時29歳の目鼻立ちのはっきりした美女は、テレビ番組のリポーターとして、ローマにやって来ていました。撮影中の池田氏を取材するため、ホテルの一室で打ち合わせをしに行ったことがその後の人生を大きく変えてしまいます。
3歳よりヴァイオリン教育を受ける。わずか9歳で音楽留学のため、母親と一緒にモスクワに渡り、21歳までロシア(旧ソビエト?)で過ごします。恋多き激しい人生だったらしい。24歳の時、パリで日本の外交官と結婚。しかし、池田と出会った当時は、夫がいる身でありながら、妻子ある男性と不倫関係にあったというから、池田が誠実な人に思えて来ます。
これまで、クラシックにはまるで興味がなかった池田でしたが、初対面の陽子とは話も弾み、時間はどんどん過ぎて、酒瓶は次々空になって行きました。しかし、赤ワインをグラスに注ごうとして、陽子のスカートにかけてしまう。月経のように前の部分が赤くなってしまったので、スカートを洗濯し、乾かしている間、陽子はシーツに身を包む、という格好に。しかし、彼女は自分のそんな姿に恥ずかしがるふうもなく、無邪気に笑ってはしゃいで見せたので、それに胸を打たれてしまった池田は、彼女を抱きかかえて、寝室に突進してしまいました。それが満寿夫&陽子、激しく深い愛の劇場はじまり、はじまり。

最初に惚れたのは池田さんの側。陽子さんにとって、彼は好みのタイプではなかったそうで、人畜無害な人で、下心のない人だと思ったそうです。
「ほんとに下心はなかったかも知れませんね。」とテレビのリポーター。
「私だって、経験があったんだから、下心があるかどうかなんてわかるもの。」とあっけらかんと答える佐藤陽子。カメラの前ではけばけばし過ぎる舞台風メイクとド派手な衣装。ただでさえ大きな目がよけい大きく見えます。彼女の野太い声、話す調子、ボキャブラリーなど、どれも表現力豊かで、圧倒的な存在感があります。
佐藤陽子は池田の妻となって、彼の活動を支えるために、自らの音楽活動を制限する結果となってしまったそうです。彼と出会ってなかったら、陽子さんの人生もまた違ったものになっていただろうね、と言う人もいましたが、彼女にとっては、池田と過ごした時間の方がはるかに価値あるものだったと思います。過去にやりとりした手紙の数々を持ち出しては、少女のようにはしゃぐ佐藤陽子。彼らは今流行りの言葉で言うならば、"ソウルメイト"だったんでしょうね。
池田は自分の子孫を残すことを考えなかったのでしょうか?二人の遺伝子を受け継いだ子なら、天下無敵のベビーが産まれたはず。
離婚問題が片づかず、結婚式も挙げられなかった夫妻。夫婦で海外レポートに出かけて、現地の仕来りで結婚式を挙げた時のビデオを見て、涙ぐむ彼女の姿にちょっと目頭が熱くなりました。

「あの人はね、そんなエロエロ〜!って感じじゃなかったのよ。」という陽子夫人の発言もあれば、「彼は自分に常にセクシャルな存在であることを求めた。彼にとって理想のオンナとは、母であり聖女であり、娼婦であり、官能的であること」とかなんとか仰ってもいました。
男友達は「結局、あの人は母親的なものを求めていた。」と振り返ります。
親戚の方も登場して、「満寿夫の絵が海外で認められたのはうれしいけれど、もうちょっと普通に家に飾れる絵を描いて欲しかったわよねぇ。」と苦笑いしていました。そのことを本人に言ったら、『エロスというものがわかっていない』と言われたとか。あと、池田満寿夫が自分の従兄弟とか親戚だとかは、ちょっと恥ずかしくて言いたくなかった、と打ち明けています。映画のイタリア人スタッフが「彼は日本人の枠にはまらない考え方をしていたが、それが周りから理解されないことに、反抗していたと思う。」と言う発言をそのまま裏付けるエピソードですね。
最後に映画の中で使われていた、エンリコ・モリコーネのあの曲を佐藤陽子がヴァイオリンで演奏。映画自体は「芸術か猥褻か?」といろいろ物議を醸し出しましたが、あの曲は、誰が聴いても名曲です。

まだお子ちゃまだった頃、彼のことをやたらイヤらしい作品を創るヘンなおじさん、そのくせ版画とか彫刻とか小説とか、何をやっても器用で成功してしまうのはズルイ、と反感すら感じてました。しかも、何人もの女性をコマしてるというのも、私の嫌悪感をよけい駆り立てました。だから、敢えて映画も見ませんでした。
複雑な乙女心だったのですね。

参考ページ
池田満寿夫 年譜
池田満寿夫 プロフィール
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by marikzio | 2007-03-05 21:33 | Television | Comments(1)

Grey's Anatomy の美男美女たち
前回、"小さい目に秘められた魅力"を語っておきながら、今日はゴージャスな美男美女を登場させちゃいます。親しみのあるキャラも好きですが、それはそれ、これはこれ、ということで。

アメリカ、シアトルの一流病院を舞台にした『グレイズ・アナトミー』。
医療最前線の現場でともに戦う医師と研修医達の青春群像、というところでしょうか。大人気ドラマ、というだけあって、キャストが魅力的。前回紹介した、一重瞼の女王、サンドラ・オーもレギュラー出演していますね。

このドラマの主人公は若きインターン、メレディス・グレイ(エレン・ポンピオ)。
著名な外科医を母親に持つ、メレディス。家柄も美貌も知性も兼ね備えた、完璧なはずの女性なのに、唯一(?)の欠点が"アバズレ"であること。
酒場で知り合ったばかりの男性をベッドに連れ込むことなんて、日常茶飯事なのです。
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研修先のグレース病院に赴任した直後、彼女はいつもの癖である男性と一夜をともにしてしまう。しかし、そのゆきずりの相手と思いがけなく再会してしまうメレディス。
彼はグレース病院に勤務の医師デレク・シェパード(パトリック・デンプシー)。
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シェパードはセクシーで有能な外科医師。二人はズルズルと関係を続けることになりますが、デレクには謎めいたところがあって、メレディスは彼のことについて何も知らないままでいることに不安を抱くようになります。彼はなぜ、わざわざニューヨークを離れ、シアトルでトレーラー暮らしをしているのかもわからない。何も教えてくれない。
しかし、彼に惹かれている自分に気づき、二人の仲は次第に距離を縮めて行く。このまま順調に発展していくのかと思いきや、彼はメレディスに重大な秘密を隠していたのです。
何と、彼は結婚していた!
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旦那に浮気される妻というのは、たいてい傲慢でヒステリックなオンナというのが相場と決まっているのに、このミセス・シェパードというのが、もう、アナタ、イザベラ・ロッセリーニばりの妖艶な美女!

b0069502_12282297.jpgアリソン・シェパード(ケイト・ウォルシュ)もまた、有能な外科医。
その腕の良さゆえに、外科部長リチャードがニューヨークから呼び寄せたのです。
もちろん、アリソンがグレース病院にやってきた理由には夫との関係を修復したい、という思いもあります。メレディスの存在はニューヨークにも風の便りで知れ渡っていました。
シェパードが妻から逃げるようにシアトルにやって来たのは、彼が裏切り者だったからではありません。シェパードは裏切られたのです。
シェパードには親友で、これまた外科医のマークがいて、妻と3人で仲良くやっていましたが、ある日、最愛の妻と親友がベットの中にいる場面に遭遇してしまったのです。
黒いニット姿のアリソンの体の線の美しさも溜め息ものですが、ピンクの白衣に身を包んだ彼女の色香には、もうクラクラ。自分の過ちを悔い、やっぱりあなたを愛していると訴える妻。まだまだ青臭さの残るメレディスに、とても勝ち目なんてありません。
妻を取るのか、自分を取るのか、シェパードに詰め寄るメレディス。自分を裏切ったとは言え、アリソンは長年、家族として時間を共有してきた相手。そうそう簡単に絶ち切れるようなものではない。優柔不断だったシェパードは、結局、妻を選んでしまいます。

「上司に捨てられた不倫女」として、後ろ指をさされながらも、メレディスは目標に向かって、日々奮闘します。
しかし、グレース病院に、また波乱の予感。なんと、アリソンの情事のお相手がやってきたのです。
「シェパードのセクシーなインターンと言うのは君か?」唐突に話しかけられるメレディス。
「親友と僕は女の好みがカブるもんでね。」
この男はアリソンを追いかけて、二人が勤務するグレース病院へ乗り込んできたのです。まさに大胆不敵。
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マーク・スローンは腕のいい形成外科医。
「あれがシェパード先生の...」
「彼なら、よろめくのも無理ないかもね。」
「そう、まさにフェロモン男!」
口々に噂するインターン達。

「君達の結婚生活はすでに破綻している。君には僕が必要だ。」
アリソンに言い寄るマーク。
メレディス、デレク、アリソンの三角関係の中に投じられたマークの存在。今後の彼らの関係はいかに!?

ところで、マーク役のERIC DANEについて検索してみたら、こんな画像を発見!!!
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画像元 Seriously Grey's -People cast

このドラマの中で描かれる男女関係って、かなりオーソドックス、というか陳腐です。エリート医師で、しかも、みんなセクシーな美男美女、っていうのが過剰演出という感じで胡散臭さが否めません。でも、なんだかんだ言っても、眺めのいい男女というのは、右脳を刺激するものなので、ついつい楽しみにしてしまいます。
もちろん、このドラマの魅力は、やたら美男美女ばっかりが登場するところ、というわけでなく、最前線の医療現場の空気が伝わるスピード感とか、「へぇ〜っ、こんな症例があるの!?」というオドロキや、日本人には考えられないドライな感覚、とか、いろいろ新鮮な発見があるところだと思います。
例えば、列車の事故で、二人の見知らぬ男女の体に鉄棒が刺さって、抱き合ったままの状態で搬送されたエピソード。若い白人女性と黒人のおじさんだったのですが、二人とも助けられる可能性は低い、とくに女性側のダメージは大きく、助けられる見込みはほとんどない。黒人のおじさんの方が助けられる可能性が残っているので、彼を優先的に助ける方法をとらない限り、どちらも共倒れになってしまう、ということがわかって、その旨を二人に告知する場面は衝撃的でした。こんなエピソードは日本のドラマでは登場しそうにありませんよね。
あと、シェパードのことでヤケを起こしたメレディスが、また別の男性とゆきずりの関係を持って、その彼が患者として、グレース病院に現れます。なんと、彼の大事なところがエレクトしたままになってしまい、もとに戻らなくなってしまったのです。
「メレディス、あんたすごいオンナね!」なかばあきれ顔で大声をあげるクリスティーナ。実は、前立腺だったか、そのへんのところに腫瘍が出来ていたことがあとで判明するのですが、こんなきわどいお色気系のネタが採用されるのもアメリカ的だと思います。

WOWOWオンライン グレイズ・アナトミー 恋の解剖学
ABC.com Grey's Anatomy
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by marikzio | 2007-03-03 12:42 | Television | Comments(0)

犬好きにはたまらない『清流ワンダフル紀行』
ここ最近、一番ハマってる番組かも知れません。
NHK BS ハイビジョン、BS2の「にっぽん清流ワンダフル紀行」。
毎週違う俳優やタレントがカヌーに乗って、日本のあらゆる渓流を旅するアウトドア番組。そして毎回、出演者をサポートするのが、カヌー犬と言われるワンちゃんなのです。
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旅先案内犬はゴールデン・レトリーバーのロッピー(7才♂)、小太郎(3才♂)、ココ(3才)。
「カヌーに犬なんて必要あるの?」とは思いましたが、コレは犬好きにとっては見逃せません。もう、彼らの愛くるしさといったら!

特に水遊び大好きなロッピー。出発する前から、川に飛び込んでバシャバシャ。急な川でも恐れず、船頭で仁王立ちする勇姿が頼もしい。だけど、すぐ水に飛び込みたがるのが玉にキズ。何度もボートから降りては出演者やスタッフたちを慌てさせます。ほんとに泳ぐのが好きなんですね。犬なのに平気で潜ってるし。
川の底を覗き込み、お気に入りの石をくわえて戻ってくるとこなんて、見ていて顔がゆるんじゃいます。
ゴールに到達した時に、ある俳優がロッピーに発した言葉。
「お前、もうちょっと水に入るの我慢してくれたらなぁ」
カヌー犬になるようなイヌって、みんなそうなのかと思ったら、ロッピーは特別だったようです。小太郎もココもやたらと川に飛び込んだりしないし、飽きてくれば出演者の膝でうたた寝なんかしているのです。
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番組収録は一日か2日かけて川を下ったものを20分程度に編集しているのですが、途中でボートを降りて、近くに住んでいる人を訪ねたりします。時には船が転覆して、出演者や犬が川に放り出されるハプニングも。
先週、俳優の照英さんが出演し、途中お腹が空いたということで、案内人の方が持って来たおにぎりをボートの上で食べようとしたのですが、同乗していたココが「ワタシにもちょーだい!」と激しく迫って、半分くらい取られてしまいました。
撮影中はお天気で気持ち良さそうな時もあれば、雨や風で見るからに寒そうな時もあります。
大自然の中で、人間や犬がまったりと時間を過ごし、トークが自然体なのがいいですね。あまり行動派ではない自分だけど、こんなワンちゃんと一緒なら、旅してみたいワン。

b0069502_2183450.jpg「ニッポン清流ワンダフル紀行」
BS hi 毎週土曜日  19:20〜19:45
BS 2 毎週土曜日  0:00〜00:25 (再放送)

画像元 水遊びでPure Smile
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by marikzio | 2007-02-21 21:19 | Television | Comments(2)

『ライン・オブ・ビューティー 愛と欲望の境界線』
狂乱の80年代。サッチャー政権全盛期のイギリス。
議員の家庭に居候することになった青年が目にした英国上流社会の享楽的でカオスな日々。
ブッカー賞を受賞した文芸作品を原作にBBCがテレビシリーズとして製作。脚本は「ブリジッド・ジョーンズの日記」を手がけたアンドリュー・デイヴィス。
2月11日にWOWOWで全3話を一挙放映されました。録画して後日ゆっくり見ようと思ってたのに、思いのほか面白くて、結局リアルタイムで見てしまいました。
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このドラマの魅力は、何と言っても映像美。昔好きだったイギリス映画特有の気品が溢れていて素敵です。そして主人公のちょっと奔放なセクシュアル・ライフが描かれているところでしょうか。この青年はホモ・セクシュアルで、自分の性向をカミング・アウトしている設定なのです。

b0069502_20472357.jpgオックス・フォード大学の学生、ニック(ダン・スティーヴンス)は友人トビーの家に居候することになります。
トビーは保守党のジェラルド・フェデン議員の息子で、ロンドンのノッティング・ヒルにあるすごい豪邸に住んでいました。フェデン家は4人家族で、ニックは最初、ベテラン家政婦のエレナをフェデン夫人と勘違いして挨拶してしまいます。
ディナーの席で、ニックはフェデン夫妻はエレナを伴いヴァカンスに、トビーは海外出張のため、不在になることを告げられ、いきなりトビーの妹のキャスリンと留守番をすることになります。キャスリンは実は心に問題を抱えていて、精神安定剤を飲んでいるのです。
この何とも言えない展開に戸惑う私。いくら親友だからと言って、赤の他人を自宅に住まわせるのも、かなり不自然なのに、ヴァカンスの間、自分の娘と二人っきりにする感覚が馴染めません。いくらニックがゲイだからと言って、一つ屋根の下に年頃の男女が一緒って...。しかも、キャスリンは爆弾を抱えてるんでしょ?呑気に夫婦旅行なんかしてる場合なのでしょうか???
このドラマは他にも飛躍しているような部分が随所に見受けられます。例えば、ロンドン郊外の親戚の家にニックを連れて行って、そこのお屋敷には政界で重要な人々がわんさか集まってパーティなんかが催されちゃったりするわけです。で、ニック君も連れて来られたからには、その会合に出席してたりする。身内でも何でもないのに、そんなトコに居ていいんでしょうか。ま、ニックはオックスフォード大に通ってるし、中産階級者なんだから、別にその場にそぐわないわけではないんですけどね。
そして、海外で仕事をするトビーと入れ替わるようにニックはフェデン家の一員として、数年間を過ごすことになります。
この家って、どこかズレていると私は思うのですが。

好奇心旺盛なキャスリンはニックの性生活に興味津々。自分の兄に欲望を感じるか、とか、もしかして寝たのか、とかかなりストレートな質問をぶつけて来るのです。
それに対して、これはプライバシーな話題だ、と怒りもあらわに諌めるニック。実はトビーのキュートな"キュ"(お尻)に見とれたりもしているのですが。
「最近はどうなの?」とキャスリンの追及に、「ここのところはサッパリ...」と打ち明けるニック。
「そんなの勿体ないわ」
「僕もそう思う。」
「じゃ、何とかしなくちゃね!」
ある日、キャスリンは新聞の恋人募集広告の中から、一人の男性を見つけます。
「20代後半、黒人。ルックス非常に良し。これがいいんじゃない?」
え〜、マジ!?だって、ニックは白人だし、エリート学生なんですよ!違う人種で労働者階級風の人とは合うはずがない、と自分は思ったのですが、ニックはマンザラでもない様子。後で知ったのですが、どーやら、それが彼の好みだったようです...。
その個人広告の男性はレオ。二人はパブで落ち合い、閉店まで過ごしますが、その後、どこへ行こうか?という話になります。
「君の家がいい」と希望するニックに対して、レオは「母親と同居しているから」と退けます。おいおい、会ったばかりなのに、いきなり部屋に行こうなんて、何をしようと言うんでしょう?キケン過ぎます。(笑)
で、ニックはフェデン家が所有している庭園に行こうと提案。真夜中にオトコ二人がお庭に行くなんて、ニックお坊っちゃまって大胆!しかも、友人の家の所有地で野外プレイ...。(赤面)

場面は変わって、セレブ一家に混じって、大邸宅でパーティに出席するのですが、そのパーティにはお金持ちの御子息、御令嬢もいっぱい来てました。その中で一際注目を浴びる一組のカップル。ワニー・オラジとそのフィアンセ。ワニーは億万長者。大富豪は結婚を決意したというだけで、いろんな意味で話題を独占してしまうものなのです。
そんな中で、ホモ仲間から「ほら、いい男がいるぜ」と一人のボーイの存在を教えてもらったニック。黒人青年レオと関係をもったばかりなのに、その色男に、ニックはすーっと近づいて行って、いとも簡単にランデブーを獲得。「午前3時、玄関先で」
しかし、ニックはその逢引を実現することはできませんでした。不覚にもソファでうたた寝したまま朝を迎えてしまったのです。婚約したばかりのワニーの隣に座り、ワニーが「マリファナを取りに行って来る」と言った所までは起きていたのに...。

ロンドンに帰り、レオと再会するニック。再び愛を確かめ合い、初めて二人で朝を迎えたと言うのに、レオはいきなりニックに別れを切り出したのです。骨董商をしている元恋人の体調が思わしくなく、放っておけないと思うようになったらしい。
「君は綺麗だから大丈夫。すぐに相手が見つかるよ」
あっけない恋の結末。最初、一話完結のオムニバス形式のシリーズだと勘違いしていたので、この話って、一体何なの???と思ってしまいました。
でも、ちゃんと続きがあったのです。
3年後、ニックの新しい恋人はなんとワニー。骨董品に目が利くニックはワニーと雑誌の創刊や映画制作のための活動を始めます。ニックはワニーを連れて、男性だけのスポットに出かけたり、そこで出会った男性を交えて、コカイン・パーティをしたりしますが、ワニーは同性愛者であることをひた隠しにします。ゲイであることが知れたら、自分は上流社会で生きて行くことができない。結婚だってカモフラージュのためだったのです。

劇中、頻繁にお偉い議員さんたちの口に上るのがマーガレット・サッチャーの名前。当時、彼女の力は絶大なもので、政治家たちはこぞって彼女に取り入ろうとしています。サッチャー女史がついに登場し、ニックがダンスに誘う場面まで出て来て笑えます。
退廃した特権社会を冷静に見つめる主人公の視線がいいです。かと言って決して聖人君子というわけでなく、好みの男性に熱い視線を送ったり、コカインに陶酔したり、快楽と現実の狭間で苦悩したりする。主演のダン・スティーヴンスが複雑かつ人間味あふれる人物を魅力的に演じていると思います。「女は一生愛さない」の名台詞で知られる『アナザー・カントリー』や『モーリス』に登場するような英国式美青年の伝統を受け継ぐ高貴なお顔だち。"ヒュー様"と呼ばれていた頃のヒュー・グラント系統の顔だ、と思ったのは私だけでしょうか?

このドラマのもう一人の主人公はヘイリー・アトウェル演じるキャスリンでしょう。自分に無関心な両親に反発する攻撃性を持っている反面、何度も手首を切るほど情緒不安定。彼女だけが非常にシビアに物事を見ていて、まっとうな意見を言ってるのに、父親は相手にしてないんですね。私が冒頭で感じた漠然とした違和感は、歪んだ家庭像を暗示していたのですね。そのひずみが最後に取り返しのつかない方向へ向けられ、一気に家庭崩壊へと突き進んで行きます。
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デュラン・デュランやスパンダー・バレエなど、80年代にヒットした英米ポップスがたくさん流れるのも見所の一つ。当時はまだ治療薬がなかったエイズ問題も出て来ます。
長編小説をたった3時間程度のドラマにまとめてあるので、かなり端よっているのでしょうか、構成として無理があるというか不自然な部分が目につきました。でも、次はどうなるんだろう?というドキドキ感があって最後まで惹きつけられました。完璧ではないけれど、味のある脚本だと思います。いかにもハリウッド的な出来すぎハッピーエンドとは対極の、ちょっと後味の悪い皮肉な結末がとてもイギリス的。
「ニックは一気に何もかも失っちゃってどうするんだろう?」というモヤモヤ感は残るんですが、彼ならきっと大丈夫!そんな風に思わせてくれるドラマでした。

WOWOWオンライン 「ライン・オブ・ザ・ビューティー」
BBC Drama The Line Of The Beauty
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by marikzio | 2007-02-15 21:34 | Television | Comments(0)

シュバリエ -Le Chevalier D'eon-
WOWOW開局15周年記念番組として、放映中のアニメ『シュバリエ』。
18世紀のフランスを舞台に、実在の騎士、デオン・ド・ボーモンの数奇な運命を史実と虚構を織り交ぜて描いた大河ドラマ。全23話からなるこのシリーズは、8月16日からスタートし、第11話がオンエアされた今、ちょうど物語の中盤というところでしょうか。
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美貌の騎士、デオン・ド・ボーモンを始め、ルイ15世、ロシアの女帝エリザヴェータ、その後の女帝エカテリーナなど、歴史に登場する人物たちに魅力的な架空キャラクターが加わった豪華絢爛オカルト・ミステリー。これは、フランスの歴史、文化が好きな人は必見です!...っても、WOWOW契約者しか見れないのですが。
製作はミレーヌ・ファルメールのビデオ・クリップ"Peut-etre toi"を手がけたプロダクションIG。繊細なキャラクター・デザインはもちろん、華麗な衣装とか、ヴェルサイユ宮殿のリアルさとか、目を奪われる部分が多いです。特にデジタル放送で見ると、そのクオリティーの高さが映えますね。

b0069502_1943747.gif革命前夜のフランス。ある夜明け、セーヌ河を漂流していた女性の遺体。彼女の名はリア・ド・ボーモン。ちょうどその頃、パリは身分の高い女性が次々と失踪し、殺伐としていた。秘密警察に所属していた、デオン・ド・ボーモンは謎の連続失踪事件を追っていたが、自分の姉、リアもまた、その犠牲者の一人となってしまったのだ。
美しく、冒険好きだったリアは、ルイ15世の寵愛を受け、機密局の一員でもあった。彼女の背景には、一体何が?
デオンは姉の死の謎を追う決意をするが、その真実にはヨーロッパ全土を揺るがす禁断の秘密が隠されていた...。
剣の達人でもあったリアがデオンの肉体に憑依する時、デオンは別の人格となって、"デオン=リア"が出現する。リアと同等の腕前と冷酷な気性を持つこの人物にデオンは戸惑う。ルイ15世夫人と頭蓋骨ベルのもとで、リアのドレスを身にまとい、降霊術を行うが、鏡の中にリアのメッセージが浮かび上がるのを見るのだった。

"Je suis avec toi"(我は君とともにいる)

デオンはロビン、デュラン、テラゴリーとともに4銃士として、ルイ15世の命を受け、ロシアに赴きます。目的はポロンゾフが持ち逃げした「王家の詩」と呼ばれるフランスの機密書類を取り返すこと。
そこで、ロシアの女帝エリザヴェータと謁見を果たします。
宮廷で催された変わった趣向の舞踏会。男はドレスを、女は男装するというパーティで、リアに生き写しのデオンが侍女姿のロビンとともにエリザヴェータの前に参上する。リアはエリザヴェータの親友であり、"同士"であったことを知るデオン達。実はこの"性転換パーティー"もリアの提案だったのです。「男であること、女であることの枠組みを外すべきである」という主旨で。
水面下でエリザヴェータ暗殺計画が進められていることを知った4銃士たちは何とか女帝殺害を阻止しようとしますが、詩編を操る謎の騎士、マクシミリアン・ロベスピエールが登場し...。

シュバリエ=chevalier とはフランス語で騎士を意味します。本作には、いくつかのキーワードがあって、物語の謎を解く鍵となっています。
<詩編>、<革命教団>、<詩人>、<ガーゴイル>、<機密局>、etc...。
<詩編>とは物語のオカルト部分を司るキーワードで世界を変える力を持っています。《PSALMS(パルムス)》や聖書の<詩篇>を意味し、<意思を持つ記号>として大きな秘密を持つ。リアの棺の蓋にも《PSALMS》の文字が刻まれていました。
この<詩編>を操る能力のある者は<詩人>と呼ばれ、人や器物を<カーゴイル>化させることができるのです。
<カーゴイル>とは異形の怪物。人がカーゴイル化する時もあれば、野良犬達がカーゴイル化して、デオン一行に襲いかかったりもします。<詩人>は<カーゴイル>を思うがままに操り、世界を変えようとします。
デオン達の機転で、一度は暗殺を免れたエリザヴェータですが、<詩人>マクシミリアンによってカーゴイル化された仲間達に食い殺される場面が出て来ます。
そのエリザヴェータの遺志を受け継ぎ、エカテリーナが次の女帝に君臨する、というエピソードも興味深いです。

伝説の騎士、デオン・ド・ボーモンとは...
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正式な名は、シャルル・ジュヌヴィエーヴ・ルイ・オーギュスト・アンドレ・ティーモテー・デオン・ド・ボーモン(1728-1810)。
ルイ15世の時代に実在したフランス貴族。
その希有なる美貌をかわれ、極秘任務を命ぜられ、1755年、ロシアへ。その特命とは、"女性"として、ロシア宮廷に潜入し、女帝エリザヴェータに取り入って、フランス寄りにさせること。
当時ロシアはイギリスと同盟関係を結ぼうとしており、フランスには大使の駐在を拒否するほど冷たかったらしい。仇敵イギリスと同盟を結ばれるのをどうしても阻止したかったルイ15世は民間外交と見せかけた"女性特殊工作員"を思いつく。で、女装しても違和感のなさそうな美男デオンに白羽の矢が立ったというわけですが、本物の女性を使わなかった理由は、当時のフランス女性は「あまり聡明ではない」とされていたからだそう...。
そういえば、本編の中でも「これからのフランス女性はもっと教養を磨かないと。今のままではフランスがダメになる」と母国の将来を案じるポンパドゥール夫人の姿が描かれています。
で、この特殊任務は功を奏し、見事フランス大使のロシア駐在権を獲得。しかし、な・な・な・なんと、デオンは男性として、ロシア大使館付きの書記官に任命されちゃうのです。それだけならまだしも、フランス女性はその書記官の妹リアだった、ということにして、ちゃっかり二重生活を続けることになってしまったんですね。
...というわけで、デオン・ド・ボーモンは、両性具有的シンボル、脱ジェンダーの象徴として、後世にその名を語られることとなったのです。

参考にさせていただいたページ
丼ちゃん「ミレーヌ詩集」 より
"San contrefacon"訳詩 の解説その2「シュヴァリエ・デオンについて」


アニメ本編の中では、リアが降臨したデオン=リアという設定なんですが、実際のシュヴァリエ・デオンは女装者だったんですね。
「男装の麗人」という言葉はありますが、こういう場合は何というんだろう?
ともかく、後半がどのような展開になって行くのか楽しみです。

画像元
『シュバリエ』公式サイト
プロダクションIG 公式サイト
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by marikzio | 2006-10-31 19:09 | Television | Comments(9)


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