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「おしりのしっぽ」 竹内海南江

さて、ここでクエスチョンです。

『世界ふしぎ発見!』のミステリー・ハンターとして、すっかりお馴染の人。当番組は1,000回を越えましたが、レポーターとして一番登場回数の多い人なのではないでしょうか?
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一年の半分は海外ロケ、という彼女が休日の過ごし方やロケの裏話なんかについて軽快な文体で綴ったエッセイ本。クリクリの大きなオメメと三つ編みが年齢不詳の彼女はモデル出身。本文の他にヴェネチアやエジプト、南アフリカなど、異国で撮影されたショットが盛沢山で、ビジュアル的にも楽しめます。

訪問した国は90ヶ国を越え、世界一周なんてこともやった彼女の生活は旅好きにとっては、かなりうらやましい。しかし、時差ボケとの戦いや世事に疎くなる(頻繁に日本を離れるので)など、それなりに悩み多きものらしい。
「目覚めた時は、すぐにベットから起きず、ここが自宅かどうか確認をする」という習慣も、移動の多い生活の中で身についた自衛策。例えば、朝食をミラノで食べて、ベルリンで昼食、そして夕食はパリで食べたりとか、28日間のアメリカのロケ中は30回飛行機に乗ったりなど、そんなことを繰り返しているうちに、朝目覚めた時、自分がどこにいるのか、把握しきれなくなってしまうそうです。飛行機の中なのに、自宅のベットだと勘違いして、思いっきり寝返りをうって、隣の席の人にパンチを食らわしてしまったり、ホテルなのに、自分の家だと思って目覚めたら、「ここはどこ!?」と一瞬パニックになったり。逆に自分の家で寝ている時に、夜中に電話が鳴って、目覚ましの音だと勘違いして、「さあ、仕事だ」とばかりに起き出し、いざお風呂場へ。シャワーを浴びながら、今はロケ中じゃないことに初めて気づいた。ホテルにいると勘違いして、部屋のトイレに向かっているつもりが、逆方向に歩いて行って、自宅のベランダへと通じる窓に激突!するなど、傍目には面白いけど、本人にとっては踏んだり蹴ったりのエピソードの数々...。
よくインタビューなんかで「オフの時はどこへ行かれるんですか?」とよく質問を受けるそうなんですが、「なんで自分は、人からプライベートでも寸暇を惜しんで旅してると思われてるんだろう?不思議でならない」と書かれています。そして、「もし、本当にそうしてたとしたら、ゾッとする。」
カメラの前ではいつも元気ハツラツな竹内さんにとっても、海外ロケは相当激務。特に飛行機での長時間移動は体に負担がかかることは、一般の旅行者でも実感していることですが、この十数年のうちに、飛行機に乗った回数はゆうに千回を越える竹内さんにとって、それはまさにサバイバルな日々。機内は乾燥してるので、喉を痛めやすいし、長時間座りっぱなしの姿勢で骨盤が歪んでしまったり。エコノミー症候群だって心配になるし、ようやくロケを終了して、数週間ぶりに帰宅すると、もう次のロケの資料が届いていたりするのです。その上、休暇で海外なんかいったら、体が持たないではないかっ!
なるほど、ごもっとも。グルメ・レポーターの仕事が、実は精神的にも身体的にも苦しいものなんだ、というお話は聞いたことがありますが、旅レポーターにも、それは充分当てはまっているんですね。
彼女は執筆のお仕事もされているので、海外ロケ中でも空き時間を見つけては書き物をしている、というところにもビックリさせられました。撮影って、打ち合わせがあったり、コメント暗記しなきゃならないので、自分だったら、とても原稿なんて書けましぇん。それでも旅先にまで、原稿締め切りのお知らせメールが容赦なく追いかけて来て、ウフィツイ美術館の『受胎告知』の前で、アカデミア美術館の『ダビデ像』の前で、バチカンにあるミケランジェロの『ピエタ』の前でせっせと原稿書きをするのです。ちなみに美術館での撮影は、休館日に貸し切り状態で行われるそうです。がらーんとした大型美術館で、傑作の真ん前で執筆活動をするなんて、贅沢過ぎ!!!

そんな彼女の休日の過ごし方は、ひたすらボーッとすることが何よりの贅沢であるらしい。ロケ中に撮った写真の整理とか、エッセイや小説の原稿とか、いろいろやらなければならないことはあるんだけど、あえて何もしないのが幸せ。だって、やらなきゃいけない時は何が何でもやらざるを得ないのだから、ボケーッとしたい時は思いきりボケーッとするのが竹内流。
そして、食べ物。特に梅干しとか、日本茶とか、一般に素朴と思われているものに、並々ならぬこだわりがあって、お気に入りの梅干しは取り寄せてまで入手しているそうです。で、大のお酒好き。禁煙しようとしたこともあったけれど、原稿が一行も書けなくなったので、タバコをやめることをやめたそうです。
また、彼女は卵かけご飯が死ぬほど好きなのに、海外では生卵を食べる習慣がないので、ロケ中は口にすることがない。しかも、彼女は生卵を食べると、必ずと言っていいほど、お腹をやられるので、国内でも仕事のある時は、食してはならない。だから、何の予定もないオフの日に、糸寒天入りの五穀米を炊き、お気に入りの具がたくさん入ったお味噌汁と一緒に食べる卵かけご飯は、まさに格別の味なのだそうです。そして、その30分後、お腹がキュルキュル鳴り始めることになっても、やっぱり卵かけご飯を嫌いになれない、と結んでいます。

「おしりのしっぽ」 竹内海南江_b0069502_22335887.jpg「ふしぎ発見」のロケ隊は多くて5人。それに地元のコーディネーターさん。この存在がなければ、ほとんど仕事にならないほど、頼りにしてるのだとか。そして、レポーターさんが着ている服もすべて自前。事前調査して行っても、お天気は予測不能な時があるので、どんな状況にも対応できるような準備をして行くんだそうですよ。
今週は放送1,000回記念スペシャル、ということで3時間の特番。どんなレポートをしてくれるのか楽しみです。最近の彼女のレポートで印象に残ってるのは、マリー・アントワネット。目鼻立ちがしっかりしたお顔だちなので、ドレスと大きなカツラもサマになってたのですが、こうして写真で見ると、妙にコミカルですね。
公式サイトで「無断転載を禁じます」と書かれていたのですが、警告を破って載せちゃいました。ごめんちゃい。

タイトルを"おしりのしっぽ"にした由縁は彼女が人から「あの人はお尻にしっぽがついている」言われているところからなんだそうです。要は「みんなと違う、普通じゃない」ということらしいのですが、そこが彼女はちょっと気に入らないらしい。
「それは自分だけじゃない。誰だって、人と違うところがあるのであって、アナタにだって、オリジナルなシッポがついてますよ。」と言いたいところから、このタイトルになったようです。
そう言えば、ホラ、あなたのお尻にも...!?


旅行記や竹内さんのひとりごとなど、豊富なコンテンツで構成。
竹内海南江 オフィシャル・サイト 「かなな共和国」
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Commented by ●ん at 2007-03-19 00:10 x
おひさしぶりです!
彼女、こんな本をだしてたんですね!
旅行ボケ?はなかなか切実な問題ですね・・・私も長めの旅行をする時は、目覚めた時にどこの寝床にいるかを一番に考えてました・・・(最近部屋を模様替えしたのですが、目覚まし時計のなってる位置がとっさにわかんない感じが似てるかしら??)
あの番組のなかでは、私の中での竹内さんの高感度は、とっても高いですよ!明るくって、男性並に体力モノもこなして逞しいし、ひょうきんなところもあるし、きどらないし。お友達にいたら嬉しくなりそう。
不思議な人ですね~!
Commented by marikzio at 2007-03-19 13:33
●んさん、お久しぶりぶりっ!
いつのまにか、●が黒抜きになってますね。
うちの母が「ふしぎ発見!」のファンで、「レポーターの中ではかなえちゃんが一番!」と言ってました。

本はいろいろ出してるみたいですよ。講演会もやってるみたいなので、一度行ってみたいです。
by marikzio | 2007-03-14 21:55 | Book | Comments(2)

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