L.v.S=マゾッホ 『魂を漁る女』
2007年 02月 07日
(Leopold Ritter von Sacher Masoch)
1836-95年。オーストリアの東端、帝室領ガリツィア生まれの作家。
知っている人も多いと思いますが、性心理学方面において、ある性的嗜好の語源となっている方ですね。
代表作『毛皮を来たヴィーナス』では苦悩を快楽とする性愛世界が繰り広げられ、マゾッホの自伝的要素が強いとされています。
映画『作家マゾッホ愛の日々』(1980 伊)は彼の半生を描いたもの。
このように、西欧や日本では、ひたすら「マルキ・ド・サドの姉妹品」みたいなイメージだけが先行している彼ですが、実はスケールの大きな多産作家で故郷ガリツィアや東欧を舞台にした歴史小説など多岐にわたる著作を残しているようです。
中澤氏「マゾッホの未知の顔」によりますと、マゾッホには3つの顔があって、第一の顔は、皆が知っているマゾヒストの顔、第二の顔は歴史小説家・フォークロア作家、そして第三の顔はユダヤ世界の作家。彼はユダヤ系ではないのですが、オーストリア帝国は他民族国家であり、いたる所にユダヤ人が多く住んでいたということもあり、ユダヤ教者にかかわるようになったみたいです。
参考ページ
マゾ(マゾッホ)とは?
ザッハー=マゾッホの未知の顔
ザッフェル・マゾッホの存在は高校生の頃から知っていましたが、さすがに手を出すのは憚られて、今まで読んだことはありませんでした。
しかし、つい先日、『魂を漁る女』をamazonで購入。
魂を漁る女
レオポルド・フォン・ザッハー=マゾッホ / / 中央公論新社
ISBN : 4122045207
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キエフを舞台に繰り広げられる壮大な恋愛官能小説、というところなのでしょうか?
異端信仰に身を捧げるドラゴミラに心奪われる青年。その青年を愛する美少女の三角関係。そして続発する謎の殺人事件、とエンターティメント性たっぷりです。
字面がぎっしりで、しかも分厚い文庫本なので、読むのが大変そうですが、そのうちレビューを書きたいと思います。
やっぱり、こんなお耽美な場面もあるのかしら?