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謎の聖書研究会 (その2)

「marikzio、何で、もっとリラックスできないの? すごく怯えてるみたいで、可哀想になっちゃうんだけど。」とFに言われた私。

Fに誘われるままに『聖書研究会』に参加し、その後も成り行きで出席していたmarikzio。教室に部外者がいる時もあれば、いない時もある。実際、いない時の方が多かったのですが、最初の衝撃がしばらくの間、尾を引いていたようです。
「Fは人目が気にならないのかなぁ?」
不思議でならなかったけれど、実際に聞いたことはありません。信仰心のある者が"恥ずかしい"と思うなんて不心得者だということになるので、それを聞くのが憚られたのです。
当時のメンバーは3年生がT先輩(♂)、O先輩(♀)、K先輩(♀)、2年生はS先輩(♂)が1人、1年生がOu君、S美ちゃん、F、そして私の総勢8名でした。
同じ学年の子も真面目で熱心だったので、「T先輩って、*カマっぽくない?」とか「S先輩って、なんか変わってない?(今で言う"アキバ系タイプ"だった)」なんて下世話なことを言える雰囲気ではありません。
ぶっちゃけ、Fにはそう言ったのですが、「イエス様を信じる人に悪い人はいないんだから、そんなこと言うもんじゃないよ。」という答えが返って来ましたよ。ハイハイのハイ。

『聖書研究会』は、自分が興味を持った物、または是非とも語りたいテーマを聖書の中から見つけ、それについて研究したこと、解釈などを発表していました。その発表者は順番制です。
コレって、高校生の能力を軽く超えてると思いませんか?
知識的にも人間的にもまだまだ未熟な高校生が、解釈の難しい聖書について勝手に講義するなんて危険過ぎると思うのですが、自分が通った高校は典型的な地方の進学校で「○高生に出来ないことはない」と言ったヘンなプライドがまかり通っていました。なので、『聖書研究会』の活動についても、誰も慎重になる人がいなかったのです。
そして、恐らく、私たちの発表は勘違いてんこ盛りだったと思います。
そのメッセンジャー当番は当然ながら自分にも廻って来ました。聖書を読んで、まだ日の浅い、信仰心もほとんど持ち合せていない者が、聖書について語る。このぐらい無謀なことはないと思うのですが、ゼミの研究発表のように、その試練をこなしている自分がいました。とは言っても、どうしても考えがまとまらなくて、発表を延期してもらったこともあります。

何でそんなことが出来たのか?と言うと、FやO先輩に誘われて教会に行ってみたりもしたので(ほんと優柔不断だった自分!)、表面的なことは語れるようになっていたからです。
「教会ってどんな所か行ってみたい」という好奇心もあったのですが、彼女たちが通っていた教会は大きな礼拝堂なんてものはなく、集落の集会所みたいな建物でガッカリしたものです。そこでいろんな人と知り合ったりして、それなりに楽しかったのですが、牧師の説教の時間はいつも途中で鼻ちょうちん、という不謹慎かつ大胆さを発揮していた私でした。

夏休みも直前に迫った7月。高校に入って初めての学園祭。
我らが『聖書研究会』も○高祭で喫茶店をやろうじゃないか、ということになって出店することになりました。店名は"SPRIT"(聖霊)。
お店はそれなりに繁盛して忙しかったです。そして、先輩たちはスピリットの売上金の中から聖書を買って、私にプレゼントしてくれたのです。
『聖書研究会』に数ヶ月在籍しても、一向に聖書を買う気配のないmarikzioを見兼ねての事でした。実際、自分は、キリスト信者になりたい、とまで思ってなかったので、聖書を買うことも考えませんでした。(←さっさとやめろよ、と今は思うのですが、当時は人に流されるだけの子で、自分の考えってものがなかったのです (^^ゞ)
とにかくプレゼントされてしまったからにはちゃんと読んでみなくちゃ、と読み始めた聖書。そこで気にかかる言葉や描写がありました。

割礼って何?

あと、男の人と女の人が同じテントの中に入って、ある行為に到る場面が出てくるのですが、その男性はお相手を愛してはなかったので地に流したことが「神の怒りに触れた」と、ありナニを流したんだろう???と言う疑問とかが頭の中をグルグルしちゃいました。

でも、これが『聖書研究会』で投げてもいいような質問ではない、と言うことも、うすうす察知していました。旧約聖書って、姦淫とか近親相姦に関わる場面がよく登場するので、当時の自分にとってはなかなか刺激が強かったです。

『聖書研究会』のブレイン的存在だった、T先輩。
成績優秀で、行動力も積極性もある先輩でしたが、一つだけ気になっていた面がありました。
それは中性的なキャラクター!!!
向こうで彼が友人と立ち話をしているところを見かけたことがあるのですが、立ち姿がレースクイーンのようでした。自分では気づいてないのかしら?
それに、お話をする時、手首を交差し、首を傾げて喋るのです。思わず口元が緩んでしまうので、いつもこらえておりました。
こらえる、と言えば彼のお祈り姿。他の人より、断然熱が入って、溜め息ついたり感極まったり。机の上にぐったり身を投げ出し、心酔しまくりです。
ダメダメ、marikzio、笑っちゃ、ダメッ!
周りには、自分のように下を向いて震えてる人などいません。こんなことで笑う自分って、やっぱりフトドキ者なのだ。
それでも、クネクネ揺れながら一心不乱に祈りを捧げるT先輩、どうにかしてっ!
隣のT先輩の動きが視界に入らないように、こっそり向きを変えるmarikzio。もうすぐお祈りが終る。よし、もうちょっとの辛抱だ...。
しかし、それは、次に訪れる衝撃的瞬間へのカウントダウンでもあったのです。
T先輩の口から漏れた、そのことば。

主よ〜〜〜〜〜

そして、私は、堪え切れず.....。
後日、O先輩が私に打ち明けてくれました。「T君って、ちょっと強烈なのよね」

3年生が卒業し、『聖書研究会』は次の学年に引き継がれましたが、重鎮なき後、このサークルは次第に自然消滅の道を辿って行きました。
なんだかんだ言って、T先輩の力って凄かったんですね。北大に進まれたようですが、今はどうしていらっしゃるのでしょうか?

教会への足も遠のき、私はキリスト者にならずに今日に到っています。Fも飽きてしまったのか、結局、クリスチャンにはなりませんでした。
人伝えに聞いた話で、ちゃんと確認したわけではないのですが、同じ学年の中で一番しっかりしていたS美ちゃんが、何年か務めた教員を辞め、東京にある神学校に入ったとか。今頃、彼女はめでたく聖職に就いているのかも知れません。
彼女の信仰は本物だったと言うことですね。

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by marikzio | 2006-06-28 19:59 | n'importe quio! | Comments(0)

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