breastの大問題(フランス篇)
2005年 06月 30日
デザイン性の高さは言うまでもなく、いかに女性の身体を美しく見せるか緻密に計算されて作られています。日本の大手メーカーがどんなに開発や改良を重ねても、イタリアやフランス製のブラジャーの足下にも及びません。
どちらの国にも織物やレースの名産地があり、平面的な着物文化の日本と違って、立体的なドレス文化であり、そして何よりも女性に敬意を払い、賛美するなど根本的な違いがあるからなのかも知れません。
イタリア製とフランス製、どちらも完成度の高い素晴らしいものを作るけれど、産み出される物は対象的であったりもします。下着ひとつにも国民性が出ているのかな?
...と言うわけで、今回はその"違い”をテーマに選んでみることにしました。
フランス産の下着メーカーと言えば、レジャビー、オゥバドゥ、リズ・シャルメル、ラヴァージなどが有名。
レースや色使いも華やかで見た目も麗しいけれど、女性にとって一番うれしいのは、補整力があって高さが出る、脇をすっきりさせて「ウェストがほっそりと痩せて見える」目の錯覚を起こしてくれる効果があります。
「女の身体の愛しいところ」龍多美子著によると、「正面から見た時のバスト脇の膨らみが、どれくらい身体の幅からはみ出しているかが、あなたの"オバサン度"を物語ってしまう。」とあります。
薄着全盛の今、女性にとってはある意味憂うつなシーズンだったりするけれど、フランス製のブラジャーはそんな私たちにとってまさに救世主的存在となってくれるかも、です。
「フランスは、まず型ありき。理想的な形の中に身体をデフォルメしたうえで、より美しく見せるというのが基本理念としてある。だからサイズの刻みもカップの刻みも実に細かくて、その中から自分に合う形を探し出し、そこにはめこむという考え方なのだ。」(同著)
龍さんが究極のブラジャーと評してはばからない「シバリス」。
彼女曰く、この"シバリス"を身につけるとバストが美しく立ち上がり、乳房の下半分のシャープさと上半分の丸い盛り上がりのコントラストがなんとも言えず官能的な曲線を作るのだとか。
「1個1個が手作りなので、職人さんによって癖があり、同じサイズでも一つとして同じ物がないんですよ。」
Rue de Ryuに行った時、私はご本人からそう説明を受けました。
シバリスはバストの前半分のように絶対に動かしてはいけないところと、締めつけてはいけないところがちゃんと計算されて作られているので、美しいフォルムを生み出し、それでいて快適さを与える。そして着け続けることによって、胸が理想の形に変わっていくのだそうです。
でもねぇ...、私にはキツイんですよ、シバリス。特に背中のパワーネットなんて長時間着用してると、身体が疲れてしまいます。
私にとってシバリスは"鉄の処女"(悪名高き拷問道具)とか女囚の女監視人(何という表現なんだ)という感じ。
しかし、人によってはすごく快適に感じる人もいるようで、要するに相性なんですね。「着ける人を選ぶ」ブラジャーでもあります。
でも、腕の付け根に流れていた、ぽっこりお肉がなくなったし、背中につきはじめていた脂肪も消えました。実際、「痩せた?」なんて言われたし。
時おり、背中のお肉にブラジャーのアンダーが食い込んでいるのがわかる女性を見かけますが、シバリスはこういう現象を防止してくれる心強いアイテムになってくれるかも知れまっせん。
シバリスは元々マイナーなブランドだったのに、龍さんの功績により一部の日本女性の間に"シバリス信仰"をもたらしました。今ではRue de Ryu以外にもシバリスを置く下着専門店が増えているようです。やっぱり需要があるんですね。
しかし、本国フランスではどのくらいニーズがあるのかなぁ?
あんなコルセットの末裔みたいな下着を我慢して着け続けるフランス女性って、ちょっとイメージ浮かばないんですが。
"修業好きのニッポン"だからこそ、こんなにシバリスが支持されているのではないか、と思うのは私だけでしょうか?
これに対してメイド・イン・イタリーはコンセプトが大きく違います。
あくまでも「ありのままのあながた美しい」というスタンスのイタリア。次回はイタリアの下着について語りたいと思います。
イタリア篇へ