emilie simon "LA MARCHE DE L'EMPEREUR"
2005年 06月 23日
2ndアルバム"La Marche de L'Empereur"(皇帝ペンギンの行進)はフランスで大ヒットしたドキュメンタリー映画「皇帝ペンギン」(リュック・ジャケ監督作品)のサウンドトラック。
アルバム2枚目にして、映画音楽を担当するという大役。若く才能溢れる彼女にとって、この経験は大変興味深く、豊かなものになったそうです。
ちょうど次のアルバムのための"ice Girl"に取り組んでいたところに、映画プロデューサーから、この仕事の話を持ちかけられたそうで、自分がやろうとしていたことと、求められていたものがタイミングよく合致し、この作品が産み出されました。
1曲目の"The Frozen World"はクリアでとても美しい歌。続くハミングだけで歌われる"Antarctic"もひんやりした感触の神秘的な楽曲で、映画の場面が目に浮かぶようです。
サウンドトラックとあって、ボーカルのない、しかも2分程度の曲が多くて車を運転しながら聞くと、つい聞き流してしまいがちなんですが、いきなり「ジリジリ」というか「ジャリジャリ」というような「ふしぎ触感」の音が飛び出したり、オーケストラがドラマチックに盛り上げるなど、やはり映画のために作られた作品だ、と改めて噛みしめてしまいます。ペンギンが水をはじくような効果音も快感です。
"Song Of The storm"。アルバムの中で毛色の違う際立った曲。同じような曲ばかりで単調な作りになっていないところも素晴らしいです。
でも、やっぱり、これは部屋や車の中よりも、劇場で聴きたい音楽だなぁ、と感じました。
エミリーはフランスのアーチストであり、手がけた映画もフランス映画なんですが、ボーカルのある曲で歌われるのはほとんど英語。
でも、さほど異和感はありません。むしろウェットな仏語よりも、クールな響きの英語の方がしっくり来ると思います。
なんと言っても映画で描かれるのは南極世界だから。
画像元 映画「皇帝ペンギンの公式サイト」