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「女の身体の愛しいところ」  龍多美子

まずタイトルを見て、「marikzio、今日はどうしちゃったんだろう?」と思われるかも知れません。(汗)
龍 多美子(りゅう・たみこ)氏は青山にある下着専門店「Rue de Ryu」オーナー。
以前、フリーライターの青山まり氏との対談を読み、写真を見て「すっげーキレイな人!」と思いました。
青山さんとのお話の中で「私の仕事は単に商品を売るだけでなく、その人がなりたいと思っている女性に近づけるようにお手伝いすることだと思っている。そのお客が自分がどんなふうになりたいのかわからなかったとしても、その人の身体が自分に向かって語りかけてくるのです。」というふうに語っていたのを読んで、私はこの女性に興味を持ちました。
著者にとって3冊目となる本著は前作のエッセイ『すべてはガーターベルトから始まった』(このタイトルを書くのも気恥ずかしいです。)を改題、加筆修正したものを文庫化したものです。

16歳の高校生だった筆者は初めて手にしたフランス製のガーターベルトの優美さに魅せられ、いつしか「プロの下着屋になりたい」と思うようになります。学生時代に専門店でアルバイトを経験したあと、何と20代前半で代官山にリュー・ド・リューをオープン。
それから20年以上にも渡って業界の草分け的存在として、独特のカリスマ性を放ち、全国にも数多くのファンがいるという、女性実業家。

第1章を読んで、率直に「なんて幸せな女性なんだろう」と私は思いました。
冒頭の描写がフランス映画かなんかの1シーンみたいで、こんなふうに自分が女である(それも美しい)、という喜びを素直に噛みしめることができるなんてうらやましいですね。高校生の頃のmarikzioなんて色気もへったくれもない、しみったれたガキだったッス。(涙)
しかし彼女は13歳までオカッパ頭と黒縁メガネだったそうで、初恋の男の子に「龍は男の子みたいだ」と言われたことがきっかけで、「絶対女っぽくなってやる!」と大変身を遂げたとか。
そういうわけで、『なりたい女』、『納得できる女』になるためには、まず自分自身が強いプラス意識を持つようになれば姿勢も体つきも本当に変わってくるのだそうです。
まさに「"龍流"魅力的な女になるため」の教授本です。

「それって若いうちの話でしょ?中年のオバサンになって体型が崩れてしまったら、もうどうしようもないんじゃないの?」って言いたくなりますよね?
ところが、人間の身体は大半が水でできていて、しかも柔らかい脂肪は移動可能なので、適切な下着を身につけることによって、見違えるようなプロポーションになっていくそうですよ。
誰の目にもわかるブランド品の靴やバックと違い下着はいくら美しくても目に見えないけれど、自分の肌、そして最もコンプレックスのある部分に触れることによって内側から効いてくるらしい。
ここで誤解のないように言っておきますが、リュー・ド・リューは一式ナン十万円もするような矯正下着を扱っているようなところではありません。

バブル崩壊後の荒波を乗り越えて、多くの物を築き上げてきたはずの彼女ですが、店を切り盛りしていくうえでのストレスから突然失語症みたいな状態になってしまったり、ご両親の死による喪失感を経験し、カウンセリングを受け、※オーラソーマに出会い、精神世界に目覚めていく様子が後半では語られています。ここは凡庸なmarikzioには超越し過ぎてついていけないのですが。
この人はパワフルであると同時に非常に繊細な感性の持ち主なのだと思います。あらゆる感覚のセンサー細胞の数が人より多いのではないかと感じました。

さて、marikzio自身を振り返って見るとどうでしょう?
「こんなオバサン、どうせ誰も見てないだろ?」ということで、すっかり身なりに構わなくなり、気がつくと体重も増えていました。まさに、オバサン街道一直線!
「こんなことではイカン!」
思いたったが吉日。リュー・ド・リューに電話して、東京に行く日に合わせて予約を取りました。2004年、8月のことです。
南青山にある店舗はKENZOのショップの隣に位置するビルの2階にありました。玄関の自動ドアは施錠されていて、お店に入るにはインターホンで内の人に一言告げなければなりません。
するとドアが開いて、そこからエレベーターを使うのです...。


「初めてのお客様とのフィッティングほど、エキサイティングなものはない。
誰も皆一様に、期待と不安の入り混じった面持ちで店の階段を上がってくる。」


※オーラソーマとは...
1984年、イギリスで視覚障害のある女性治療師によって始められたセラピー。
2色にきっぱりわかれた液体の入ったボトルが様々な組み合わせで並んでいるのを自分がその時インスピレーションを感じた物を選ぶ。選択したボトルによって、その人の心理状態や目的、直面している問題を明らかにしていくという療法。
by marikzio | 2005-05-12 20:59 | Book | Comments(0)

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