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何に使うの、そのノコギリ? -SAW- by James Wan

浴槽で目覚める青年、アダム(Leigh Whannell)。彼は老朽化した浴室に閉じこめられていることに気がつきます。足首には鉄の鎖。対角線上にもう一人の男Dr.ゴードン(Cary Elwes)。そして二人の場所からちょうど中間には見知らぬ男の自殺死体。しょっぱなから突きつけられる異常なシチュエーション。
二人は、今から6時間以内に相手を殺さなければ生きてここからは出られないことを告げられます。
半狂乱になるアダムとは対照的に冷静に状況を分析する外科医のゴードン。謎の変死事件が連続して起こり、容疑者として取り調べを受けたこともある彼は、自分がその新たな被害者として巻き込まれたことを自覚していたのです。
何とか助かる鍵があるに違いないと場面の一つ一つに喰らいつきたくなるのですが、どこまでも意地悪な展開です。

何の接点もない登場人物たちがいきなり閉鎖された空間で極限状況におかれる設定は私に「CUBE」を思い出させるのですが、この映画は浴室以外の場面もあって、変死事件の追跡劇や外科医の家族の誘拐も織り込まれています。しかしどの場面も寒々として、どこか現実感がありません。

この映画を作成した東洋系のジェームズ・ワンはいかにもゲームに影響を受けた世代、といった感じの青年。どうりで映画というよりゲームっぽいわけです。
しかしながら、外科医役のケアリー・ウェルズが加速的に自分を見失っていく場面では「この人は助かったとしても精神障害が残るに違いない」と思わせるほどの迫力。そこは映画的でホッとしました。あと、リー・ワネルが煙草を吸って倒れる時の演技も結構好きです。
何に使うの、そのノコギリ? -SAW- by James Wan_b0069502_2221759.jpg

「SAW」日本オフィシャルサイト
Commented by もあ at 2004-12-24 13:10 x
この映画、思想的に怖いです。「おまえはよくない人間だから、殺されてもしかたない。どうせムダに(ゲームのように)生きてるのだから、死にたくなかったらゲームに勝ってみな」っていう考え方。『セブン』にも似たようなそういった思想が出てくるけど、『セブン』にはそういう考えに対して抵抗する、「戦う価値がある」と信じるサマセット警部がいたのに、『SAW』にはいないんだよなぁ。目の前の恐怖から逃れることを考えるだけの人たちばっかり。こわいこわい。
Commented by marikzio at 2004-12-24 15:17
ちょっと短絡的なところがありますよね・・・。
「このゲームに勝ってこそ、生きることの素晴らしさが初めてわかる。」という結論に持っていくところは明らかに無理があると思い
ます。
まだ若いんですよね、この監督。この作品でチヤホヤされてしまったら、次回作はどんなモノを作るのかちょっと怖いです。
by marikzio | 2004-12-23 23:27 | Movie | Comments(2)

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