※『マハンドラ・デルフィノ』で検索して来られた方へ。
女優、Majandra Delfino(マハンドラ・デルフィノ)については
こちらの記事をご覧下さい。
RoBERT(ろべーる)は男性の名前ですが、この人はドラッグ・クイーンではありませぬ。フランスの歌手、RoBERT、本名はRoberte(ろべっと)。
しかし、仮にもし、このmarikzioブログをイタリア人が読んだとしたら、「まりくっつぃおって、オトコの名前じゃないの?」と思うかも知れない。まあ、実際イタリアに「marikzio」という名前は存在しないと思いますが。

1990年、シングル"Elle Se Promene''でデビュー。1stアルバム"Sine''は日本盤も出ました。私はこの"Sine''で彼女の存在を知ったのですが、本国フランスではほとんど話題にもならなかったのに、日本ではどうやら数万枚のセールスがあったそうです。
クレモンティーヌみたいに「とりあえず名前だけなら誰でも知っている」というレベルではありませんが、「おフレンチファンは皆密かにこれを持っている」という隠れた名盤。
冷たい感触のエレクトロ・ポップの旋律にのせて彼女の透き通った声が囁くように響く音楽はまさに悲しげで耽美な世界。フランスではほとんど売れなかったそうですが、私はこの"Sine''がすっかり気にいって、1年以上は聞き込みました。
ロベールってある意味、日本人の好みにドンピシャだったんだと思う。フェチ心をくすぐるようなお人形のような容姿、小柄でしなやかな肢体。歌手になる前はバレリーナを目指していたそうです。それに加えて消え入りそうなウィスパー・ボイス。これって、フランス人の好みじゃなかったのかしら?
大手レーベルから契約を切られたあと、ロベールと彼女の夫で作曲をしているマチュー・サラダンはアンダー・グランドなシーンで音楽活動を続け、2nd"Princess De Rien''(虚無の女王)をリリース。バロックや、室内楽のようなアレンジでより内向的な音楽になっていたのでびっくりしました。でも、聞き込むほどに毒がまわってきて次第にやめられなくなる。"Sine''にはなかった毒が加わることにより、表現者としての深みが増し、私にとってますます目が話せない存在になっていくのでした。
このブログでも登場したベルギー人のベストセラー作家、アメリー・ノートンは彼女の友人。3ndアルバム"Celle Qui Tue''(殺す女)で何と半数近くの楽曲の詞を書いています。併せて、ロベールを主人公にした小説「Robert des noms propres 」を発表、ベストセラーとなりました。この影響を受けてか、ヒット・チャートに無縁だった彼女の新作CDは売り上げチャート100位以内に入りました。が、すぐに消失。
結局、大ブレイクにつながらなかったものの、ロベールは地道にライヴなどの音楽活動を続け、着実に固定ファンの層をつかんでいきました。

アメリカのアイドル女優でロベールのファンだというマハンドラ・デルフィノと"Le Prince Bleu''をデュェットし、プロモーション活動を展開。マハンドラの声は顔からは想像できないような野太い低音で、ロベールの高音と非常に対照的です。"Le Prince Blue''はとても内向的な歌なので、マハンドラの声で新たな命を吹き込まれたという感じで絶妙な出来映え。マハンドラちゃん、他の曲も聞いてみたいです。
2004年、5月には初のベスト版"Unutma''(これはトルコ語で『忘ないで』あるいは『忘れてはならない』という意味)をリリース。なんと!これはamazon.frやfnacでも売り上げ10位以内をマークしました!!
今でも頻繁に小さな会場でライヴ活動をしているロベール。彼女のステージは地味ながら一人芝居のように独特な空気があって、見る者を惹きつけているようです。男性のバックダンサーが一人だけいて、彼女の後ろで寄り添うように踊る姿もこれまたアングラっぽいと言うか、一度でいいから生で聞きに行きたいです。
本当に個性がある人でなくては生き残れないというフランスの音楽シーン。ようやくロベールの価値が認められるようになってきたのかな、と思います。
Robertの公式サイト私は
NickelのPVが好きです。