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「La motocyclette」のマリアンヌ・フェイスフル

まだ半分くらいしか進んでませんが、現在、A.ピエール・マンディアルグの『オートバイ』という本を読んでます。マンディアルグは結構好きで、これまでに何冊か読んでるのですが、この『オートバイ』はかなり前に図書館かどこかで手にしたことがあるものの、パラパラと何ページかめくった後で、本棚にもどしてそれっきり、かなりの年数が経ってしまいました。
「それを今になって何故?」と思われる方もいらっしゃると思いますが、当時の自分はもっと文学性の高いものを求めていたのか、「わずか19歳の新妻が、素肌の上に黒革のボディスーツに身を包み、バイクを飛ばして愛人のもとへ出かけて行く」という設定があまりにも通俗的すぎて嫌だったのだと思います。
巻末の解説を読んでも、本作はマンディアルグにとって、初の大衆向け小説だったそうで、これによってフランス文壇の中でメジャーな存在になったとか。

ちゃんと全部読んでるわけではないので、正式な(?)レビューはまた後日書かせて頂こうとは思ってますが、読了したとしても、この作品のプロットはごくごくシンプルであることには変わりないでしょう。
主人公はほんの2、3ヶ月前に結婚したばかりのレベッカ。夫は高校教師をしているレーモンで、彼はうだつがあがらず、高校生にも馬鹿にされてるような退屈で凡庸な男。
<<レーモンのそばでは、あたしの暮らしは石みたいだ>> と考えるレベッカは、早朝、そっとベットから抜け出し、抜き足差し足で黒革のレーサー服に体を滑り込ませる。そして大型のハーレーダビッドソンに跨り、国境の向こうのハイデルベルグへと向かう。そこには、彼女にとっての肉体とバイクの教授、ダニエルが待っている。レーモンよりも更に年上で、頭頂部が禿げ上がっている中年男だが、彼によって目覚めたレベッカは、結婚後も何度か会いに行っている。
本編はハーレーを操縦するヒロインが街や高速道路を疾走する場面が延々と描かれ、その随所随所に回想やダニエルとの愛の場面がコラージュのように挿入されている、と言ったところでしょうか?
今、読んでみて、「この作品、映像化したらかなりかっこいいものになるのになぁ」と思いました。

...と思いきや、とっくに映画化されてたんですね!!!

「La motocyclette」のマリアンヌ・フェイスフル_b0069502_15522672.jpg
La Motocyclette
邦題『あの胸にもういちど』
1968年
出演:アラン・ドロン、マリアンヌ・フェイスフル
 

もちろん、映画も未見なんですが、「あの胸にもういちど」ってゆー日本語タイトル、何とかならんのですか?
60年代って、そんな感じだったのでしょうかねぇ?
でも、ほらっ、なかなかエロエロでお洒落なビジュアル。これは当時の青少年(今で言う団塊の世代?)のお兄様方が心トキメキ☆したのではないかすら?
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ちなみに、アメリカでは「皮の下はハダカ」というタイトルがついてたそうな...。
なんて即物的な。
「La motocyclette」のマリアンヌ・フェイスフル_b0069502_166263.jpg

映画の中のマリアンヌ・フェイスフルはセックス・シンボルっぽいですが、原作の中でのレベッカは、髪も刈り込まれて、男の子か女の子かわからないぐらいの中性的な容姿として描かれてます。街でバイクを飛ばしても、皮スーツが男っぽいので、一見ドライバーが女性とはわからない。
しかも、ヒロインの貞操を奪っちゃう男がハゲの脂ギッシュ親父なのに、映画の中では天下の色男、ドロン様ですよ!
わたくし、ドロンの出演作品って面白いと思ったためしがありません。もちろん、彼は絶世の美男子として日本でも人気ありましたが、その美貌ゆえに、演じる役が軽薄で安っぽく見えてしまいます。その安っぽさが魅力だったりもするでしょうが...。
話によると、ドロンもフェイスフルも、この作品に出演したことを後悔してるとかしてないとか...。作品の出来も当時としては斬新だ、とかただの駄作とか、賛美両論のようです。
そんな風に言われてると、無性に観てみたくなるんですけど。


そ、それにしても、マリアンヌ・フェイスフル、こんなにも愛らしく、キュートで、妖艶で蠱惑的だったのに、晩年の彼女と来たら、すっかり見る影もない...。(涙)
「La motocyclette」のマリアンヌ・フェイスフル_b0069502_1624015.jpg

いえね、私は、どちらかというとふくよかでドスの効いた後期マリアンヌさんの方を先に知ったので、彼女が若い頃はロンドンで1番のモテ子ちゃんだったとか、清純派シンガーだったとか、ミックジャガーやその他大物達と浮き名を流した、って聞いてもピンと来なかったのですが、過去の画像や動画を観て、「こんな可愛らしかった人が、なんであんな姿に???」と逆の意味で絶句しました。(失礼)

でもでも、ドラックにのめり込み過ぎて、全裸で倒れているところを警察に発見され大スキャンダルになったり、ミック・ジャガーでさえ手に余ってしまい、彼女から離れて行ったりと、いろいろ大変な時代を経験したみたい。人として、女として美しさなんて、もはや何の意味もない、なんて思ったかも知れませんね。
今は、ちゃんとミュージシャンとして、女優として復活を遂げ(映画『マリー・アントワネット』でマリア・テレジア役で出てました)、活動しているわけなのだから、やはり凄い人であることに変わりはないでしょう。

オフィシャル・サイト、公式MySPACE もちゃんとあります。
さっき、「昔に比べたら見る影もない」などと、散々なことを言いましたが(汗)、今の写真、なかなか綺麗です。
やっぱ素敵かも。なかなかクールなおばちゃまよ♪ 049.gif

The official website of MARIANNE FAITHFULL

The Official Marianne Faithfull MySpace
Commented by miharu at 2010-02-20 22:55 x
この映画たま~にリバイバルするんですけど
まだみてないです。
一度は映画館でみたい映画リストの中に入ってます。

このマリアンヌが
あの ルパンのふじこちゃん♪のモデルになったんですって。
Commented by marikzio at 2010-02-23 08:51
miharuさん、おはようございます♪

マリアンヌさん、こうして見ると、かなり幼顔であどけないですよね。
ふぅ~~~じぃこちゃーん♪の方がずっと大人の魅力ムンムンだと思うんですけど。
この映画、いつか観られますように!
by marikzio | 2010-02-17 15:52 | Movie | Comments(2)

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