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フランス映画祭2009

行って参りました〜♪初めてのフランス映画祭@六本木ヒルズ。
「年々規模が小さくなっている」、「会場が横浜時代の方が良かった」、「ゲストが貧弱」など、いろいろ言われているようですが、私としてはそれなりに充実した時間を過ごせました。

『サガン』がどうしても見たくて、朝6時発のJRに乗り、その日は3作品観てしまいました。
「途中で疲れて眠ってしまうかも」とか、「1本ぐらいキャンセルして銀座行こうかな」などど思ったりしましたが、結局は一睡もしないで完走。上映のあとにトークショーがあって、監督や出演者が登場し、映画についての解説や撮影エピソードが聞けたのも映画祭ならではの経験でした。
あらかじめ整理券をもらわなかったので、サインはもらえませんでしたがが、撮影は普通にOKでした。

『サガン -悲しみよこんにちは-』
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処女作『悲しみよこんにちは』のタイトルにふさわしく、全編に漂うもの悲しい雰囲気、主演女優シルヴィー・テスチューによる生々しいサガン像は鳥肌ものでした。
監督の隣にいる男性はサガンの実の息子。映画の中では親子は近くて遠い存在のように描かれていましたが、実際はそれほど疎遠な親子関係ではなかったそうな。映画の中では親の死に目にも会えなかったことになってますが、彼女の死にはちゃんと立ち会ったそうですよ。劇中、賭博で大儲けしたサガンがスポーツカーを飛ばして札束が飛び散るシーンが出てきますが、息子さんは「いくら金に無頓着だった母でも、そこまではやらなかったと思う」と抗議したそうです。
監督は「これはあくまでもイメージだから」と説得したそうですが、ラストの海辺のシーンと言い、この人は話をちょっと大袈裟にするのが好きみたいですね。私見としては、サガンは確かに空虚な思いもたくさんしたのだと思いますが、取り巻き連中の中にも常に彼女のことを気にとめてくれていた友人もいたし、不治の病に倒れたペギーとの深い友情(愛情?)など、それほど孤独な人ではなかったと思います。が、常に心が満たされなかったのは確か。

『ミーシャ/ホロコーストと白い狼』
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ヒロイン役のマチルド・ゴファールちゃん。
戦争で両親と離ればなれになった少女が一人東をめざし、危険で過酷な道中を旅する物語。空腹に耐えかねて土のミミズを口にしたり、オオカミが捕らえた獣の肉を一緒に食べたりなど、「見なきゃ良かった」と思うこと度々。傷だらけで荒んだ野生児のようだった彼女がこんなに可愛い子だったのでホッとしました。
この作品には原作本があって、あのディズニーも映画化権を狙っていて、監督は「ディズニーが相手じゃ勝ち目はない」と思ったそうですが、ディズニーサイドが「ハッピーエンドで終わらせたい」と言い出したので破談になったそうです。当時のヨーロッパでは悲惨な戦争孤児がいっぱいいたので、お父さんとお母さんに再会して終わるなんて、原作者の本意ではなかったんですね。もし、ディズニーが創っていたら全然違う作品になっていたでしょう。
正直、自分も「最後は両親に会うんだろう」と思ってました。旅の途中、自分の命を助けてくれた白い狼、ママ・リタも猟師に撃たれちゃうし、何とか生還したものの「ミーシャは自分の両親が戻らなかったという事実を受け入れなかった」というナレーターで終わったのは救いようがない話だと思いました。でも、トークショーで監督の解説を聞いてるうちに目がウルウル。そしてマチルドちゃんの女優魂にも感服。日本でも配給決まってるようですが、日本人受けするでしょうかねぇ?

『シークレット・ディフェンス』
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テロリストから国家を守ろうとするアクション・サスペンス。「ハリウッド映画みたい」とも思ったし、「特定の宗教団体がもろ悪者扱いみたいになっていて大胆だなぁ。ここまでやっていいのか?」とヒヤヒヤしたのですが、監督者は映画制作にこぎつけるまで3年の年月を費やし、多くのイスラム教徒者の話を聞いたこと、「ヨーロッパでは職も希望もない若者が様々な理由でイスラムに改宗しているケースが増えている」という社会的実情もふまえていて、決して偏見とかエンターティメント史上主義で創られた作品ではないんですね。
とは言っても流れるようなカメラワーク、最後まで目が離せないスピード感、登場人物の心の葛藤とか娯楽性は抜群。もう一度観たいと思いました。
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監督のフィリップ・ハイムと主演女優のヴァヒナ・ジョカンテ。主演女優が素敵なのは当たり前ですが、監督さんもなかなかの男前です。ヴァヒナさんは日本マニアで彼女の部屋のインテリアは浮世絵とか飾ってあってジャポネスク風味なんだとか。リップサービスかな?

これはトークショーの1コマ。
人の顔がぼやけてお見苦しいですが、現場の空気だけでも感じて頂ければ、と思います。

by marikzio | 2009-03-16 22:29 | Movie | Comments(0)

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