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-Dans Paris- by Christophe Honoré

前々から気になっていた映画『Dans Paris』(日本未公開)。
当然DVDには日本語字幕もついてないので買うのを躊躇してたんですが、とうとう勢いでfnacから購入してしまいました。

DANS PARIS : Un Film de Christophe Honoré (2006)
ROMAIN DURIS
LOUIS GARREL
GUY MARCHAND

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クリストフ・オノレとルイ・ガレルの組み合わせと言えば、イザベル・ユペール主演の「Ma mère」(ママン)があって、この日本盤DVDを私は持っています。と、書くとまるで私がオノレ&ガレルのファンみたいに誤解されてしまいそうですが、別にそれほどファンと言うわけではありません。「ママン」はフランスの異端文学者、バタイユ作品の映像化ということで興味があったからだし、「ダン・パリ」はこのブログでも何度か登場しているHelena Noguerra が出演していることで気になってたんですよね。

エレナ・ノゲラはフレンチ・ポップ界のディーヴァ、リオの実妹。姉同様、容姿と才能に恵まれたエレナは音楽活動や執筆、女優とマルチに活動する芸能人なのです。
劇中ではスクーターに乗って現れ、ガレル君にナンパされるという役どころ。出演シーンは1分45秒くらいで、ほんとにあっという間に終わってしまったのですが、エレナちゃん、めちゃくちゃ可愛くてセクシーです。
街の女の子に声をかけてはベットに誘うナンパ師のガレル君を積極的に攻めてます。ちょっとビビッてるぽいガレル君もまた微笑ますぃ。

Fille de scooter- Helena Noguerra Dans Paris



さて、字幕なしで会話の内容が聴き取れるほど私は仏語能力があるわけでありません。話の流れや登場人物の表情や身振りで彼や彼女たちが何を言ってるのか想像するしかないのですが、それでも意外と楽しめます。もちろん、意味がわかる方が楽しいとは思いますが、スタイリッシュな映像やジャズのBGM、趣向を凝らした演出もあって、それなりに面白いのです。何と言ってもパリが舞台というのも魅力。
粗筋としては、ガレル君の兄が恋人との出会いと別れを経て鬱になりアパートに引き籠もり状態。前半の部分では兄とその恋人の出会いと破局のエピソードが綴られ、まだお子ちゃまだったガレル君も登場。
現在、兄のアパートには父と弟が同居していて、学生であるガレル君は次から次へと女に手を出す軽い奴なんですが、どうやら兄の屈折した恋愛関係が背景にあるらしい?兄と弟の関係というのも何やら謎めいていてよくわかりません。そして、離婚しているらしいママンの登場。元夫婦だったパパとママンの関係もいろいろとありそうだし、この家族って一体何なんでしょ?ひょっとして字幕ついてもよくわからんとか。

一応、公式サイトなるものもあるんですが、日本のサイトと違ってあれこれ詳しく書いてるわけではないので、ヒントにさえならず。
Dans Paris Site Officiel
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-Dans Paris-  by Christophe Honoré_b0069502_2244934.jpg

こんな風に観る側にいろんな解釈を喚起させる映画というのも知的な面白さがあります。これと言ったドラマチックな展開があるわけではありませんが、何度か見ているうちに味わいが出て来て、観る度に新しい発見があるかも。古くて美しいパリの佇まいとか、この世の者とは思えないガレル君の美貌も効果をあげていると思います。ガレル君、「ママン」ほど過激ではありませんが、本作でも大胆なヌードを披露してます。しかも日本盤と違って仏盤は修正なしなので...。
ボーナス映像では監督オノレのインタビュー。何を語ってるのかおぼろげにしか理解できませんが、それでも興味深いです。彼の背後の窓にはシャルル・ド・ゴールが。あの界隈のカフェかレストランなのでしょうね。そして、ガレル君が街角でアメリカ人の若い観光客グループに声をかけたり記念写真を撮ってあげたりする姿も。一般人がフランスの映画スターに写真を撮ってもらうなんて!
「自分はフランスの俳優なんだ」とカミングアウトするガレル君を「知らない」と素っ気なくかわす彼ら。彼を知ってる知らないはともかく、尋常じゃないルックスのフランス男が話しかけて来ただけでも天変地異に匹敵する大事件じゃないでしょうか?私だったら卒倒します。それでもフレンドリーに「どっか行かない?」と誘うガレル君。結構気さくで庶民派なんでしょうかね。意外な一面を見た感じがしました。

「言葉の意味はわからずとも」と言えど、やはり手がかりがあった方がうれしい。
英語版の字幕がついてるクリップを見つけました。本編の導入部分でガレル君が一人語りするシーンですね。主人公はガレル君の兄で彼は物語全体の狂言廻し的ポジションらしい。

Introduction (+english subtitles) - "Dans Paris" (2006)



主人公も元恋人役に「ママン」にも出演していたJoana Preiss。彼女も監督のお気に入りなのでしょうか。
突然、電話越しに歌い出す元恋人たち。これまた謎。でも、素敵な曲なので聴いてみてくださいな。

Romain Duris And Joana Preiss In Dans Paris


Commented by jasouyouqui at 2008-12-20 09:55 x
marikzioさん、こんにちは。
いつもながらmarikzioさんの記事の作り方っていいですねぇ。たとえ知らないものでも「あ、なんかいいかも」って思わせてくれますので結構好きです。
そういえば、これUK版がありました。英語字幕がついてますけどジャケットのセンスが・・・・な感じです。US版も字幕ついてるけどリージョン1ですし。やっぱりフランス版?一緒にサントラ買っちゃいそう?です♪
Commented by marikzio at 2008-12-20 11:24
jasouyouquiさん、こんにちは。
お褒めの言葉ありがとうございます♪
UK版、自分もチェックしたら、なんかいまいちのジャケットですね。仏版もガエル君の表情が魂抜けてるみたいでちょっと怖かったんですが、UK版に較べたらお洒落でした。
サントラですか?ほとんどジャズですよ。映画の中で聴くぶんにはかっこいいですけど。でも、"Avant la Haime"は歌モノです。
「パリ、恋人たちの2日間」は全体的にテンポが良い、音楽がいい、随所にブラックな笑いがある、ということでDVDお勧めです。あ、私の"Rodeo"は大丈夫でした。
返信はもうちょっと待ってください。
Commented by ワンダー獅子狗 at 2008-12-21 07:23 x
marikzioさん、おはようございます♪

ステキなエントリー、ありがとうございますッ。
いやぁ・・・1本まるまる観てしまったのかのような気分。
充実感に満たされています。
貴重な資料の紹介に感謝です!
それにしても、エレナちゃんめちゃめちゃ可愛いですね。
積極的なキャラがまたハマってるじゃないですか☆
本人も楽しんで演じているように見えます。
映画自体も、フランス映画らしい魅力に包まれた素敵な作品のようですね!!!
Commented by marikzio at 2008-12-21 23:26
ワンダーさん、こんばんは。そしてお久しぶりです☆
そうなんです、この映画、いい意味でフランスらしさ、いやパリらしさに溢れた作品なんです。『ママン』のような過激な作品より、絶対こっちの方が日本人にウケそうだと思うんですけどねぇ。何度も繰り返し観たら、意味がわかるようになるのかなぁ。
人生初のコピプペポ、やってみようかしら...。
エレナちゃんの台詞もまた、電話の応対を真似してるような言い方で、こちらも気になりますぅ。
by marikzio | 2008-12-18 20:45 | Movie | Comments(4)

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